著者: Kaizen 編集部
Web広告の中でも特に代表的な媒体であるGoogleとYahoo!。
特にGoogleは配信できる面が非常に多く、Webサイトの広告枠に画像や動画を表示するディスプレイ広告に関しては200万以上のサイトに配信することが可能だと言われています。
さまざまな広告配信媒体がある中、5Gの普及により、今後は動画を使った広告が増えると予測されます。
ただ「本当にGoogleで動画広告を使うべきなのか」「静止画でも効果があるのではないか......」と疑問に思われる方もいらっしゃることかと思います。
そこで本記事ではGoogle動画広告のメリット、効果の上がりやすいクリエイティブなどを紹介します。
※Google動画広告とは、ディスプレイに配信する広告(アウトストリーム広告)のことを指しており、YouTubeなどに動画広告を配信するYouTube広告については「YouTube広告の種類|目的の決め方から配信方法まですべてわかる完全マニュアル」で紹介していますでので、併せてお読みください。
Google広告はディスプレイに配信する広告(アウトストリーム広告)のことを指し、リスティング広告、GDN(グーグルディスプレイネットワーク)などのさまざまな種類があります。
そして、今回ご紹介するGoogle動画広告とはディスプレイ広告のことを指します。ディスプレイ広告とは、下図のようなWebサイトやアプリの広告枠に表示する広告です。
こうしたGoogleが提供するディスプレイ広告はGDNと呼ばれ、提携する 200 万以上のウェブサイトに広告を配信できます。
多くのサイトに配信できるGDNはインターネット ユーザーの90% 以上にまでリーチ可能です。
また、GDNではWebサイトだけでなくGoogle Finance、Gmailといったモバイルアプリにも配信できます。GDNのように、Webサイトやアプリの広告枠に配信する動画広告のことをアウトストリーム広告と呼びます。
一方、YouTube広告は名前の通り、YouTubeのサイトで配信する動画広告のことを指し、インストリーム広告と呼ばれます。
Google広告のプラットフォームを用いることで、これら2つの動画広告の配信が可能です。それぞれの特徴について紹介します。
利用目的
リーズナブルな費用で動画のリーチを拡大することを目的としています。
表示される場所
Google 動画パートナー上のウェブサイトやアプリにのみ表示されます。
仕組み
アウトストリーム広告では、音声なしで再生が開始され、ユーザーがタップするとミュートが解除されます。
料金
アウトストリーム広告は視認可能なインプレッション単価という形式を取っており、広告の面積の50%が2秒以上表示された際に費用が請求されます。
利用目的
YouTubeを利用しているユーザーに動画の再生前、再生中、再生後において、動画広告を配信したいときに利用します。
表示される場所
YouTubeにおいて、動画コンテンツが配信される場所と同じ画面で配信されます。
仕組み
インストリーム広告には、スキップバブルと呼ばれる5秒経つとスキップできる広告と、ノンスキップバブルと呼ばれるスキップ不可な2つの広告を配信することが可能です。
料金
スキップバブルではユーザーが動画を 30 秒間(30 秒未満の広告の場合は最後まで)視聴した際に料金が発生します。
ノンスキップバブルでは、CPM課金( 広告掲載回数1,000回あたりで課金)となります。
アウトストリーム広告は、主にブランド認知度を高めることやリーチの拡大を目的に利用されます。
一方、インストリーム広告の場合、ブランド認知、リーチ拡大だけではなく、商品を比較検討しているユーザーへの販売促進や、見込み顧客の獲得なども目的として利用されます。
利用用途だけをみると、一見インストリーム広告が優れているように感じますが、アウトストリーム広告はWebサイト全般で広告を配信できるため、動画媒体のみで配信するインストリーム広告に比べて幅広いユーザーにリーチをすることが可能です。
そのため、より多くのユーザーにリーチを拡大したいならアウトストリーム広告、認知だけでなくコンバージョンも獲得したいならインストリーム広告、と使い分けての利用をおすすめします。
インストリーム動画広告の詳細は、「0から始めるTrueViewインストリーム広告!費用と手順も解説」で記載されていますので、併せてお読みください。
今回の記事では、タイトルの通りYouTube広告ではなくディスプレイ広告でのGoogle動画広告を中心に紹介します。
ディスプレイ広告であるGDN。本章では、3つのメリットについて解説していきます。
前述したように、Googleは大手サイトから個人ブログを含め連携する200万以上のサイト・アプリに広告を配信することが可能です。
そのため、自分たちの商品・サービスに関連したサイトに広告を配信したいと思った際でも問題なく配信面を確保できるというのが大きなメリットです。
GDNではの「オーディエンス(人)」と、「コンテンツ」からターゲティングが可能です。それぞれの特徴について簡単に紹介します。
特徴
人・性別・住んでいる地域などユーザー属性で絞り込んだ配信や、そのユーザーがどのようなものに興味があるのか、一度サイトに訪れたユーザーに再度広告を配信するリマーケティング配信などが可能です。
こんなケースにおすすめ
特徴
コンテンツ配信は人でなく、サイトのコンテンツを指定して広告を配信する方法です。
例えば、美容系のサイトに広告を配信したいならば、美容コンテンツを指定します。
すると、それに関連したWebサイトに広告を配信できます。
また、コンテンツを指定するだけでなく、特定のURLを入力し、そのページにのみ配信するといった狭い範囲のターゲティングもできます。
こんな人におすすめ
商品・サービスに関連した配信面に広告配信したい人
ディスプレイ広告では、非常に多くのサイトに配信できるため、自社のサービスの潜在層に対してもアプローチをすることが可能です。まだ課題などに気づいてない潜在顧客に対して広告を配信できます。
GDNは同じディスプレイ広告であるYDNとよく比較されます。
YDNとは、「Yahoo! ディスプレイアドネットワーク」の略で、Yahooで出稿できるディスプレイ広告のことを指します。
基本的にGDNと同様に人やコンテンツをターゲティングして静止画や動画広告を配信することができます。
この2つはどこが違うのかと気になっている方も少なくないと思いますので、本章ではその違いについて述べたいと思います。
なお、2020年7月からYahoo!広告 ディスプレイ広告(YDA)の提供が開始され、2021年春にはYDNは提供を終了する予定です。
1つ目の違いは、広告を配信できる場所です。
GDNは前述したように、Googleが提供している200万以上のウェブサイトに広告を配信することができます。
一方、YDNはYahoo!が運営している広告なので、Yahoo!Japanはもちろん、Yahoo!ニュースなど、Yahoo!関連のサイトに広告を配信できるというのが大きな特徴です。また、Yahoo!のサイトだけでなく、朝日新聞、goo、食べログなどにも配信が可能となっています。
配信先の詳細は下記サイトから確認できます。
「Yahoo!|広告掲載サイト」
Yahoo!は日本の企業であることからYahoo!が提携しているサイトは国内中心になるため、YDNの主な配信先は日本のサイトです。一方Googleは世界的なサイトと提携しているため、GDNは日本国内だけでなく世界中のサイトに対しても配信が可能となっております。
以上から、Yahoo!を中心に利用しているユーザーに配信したいならYDN、Googleを中心に利用しているユーザーに配信したいならGDNを使うのをおすすめします。
GDNとYDNはターゲティング方法に共通のものが多くあります。ディスプレイ広告での基本的なターゲティング方法としては前述したように人とコンテンツで配信ができます。
ただ、これに加えそれぞれが独自にもつターゲティング手法もあるので、そちらにについても紹介します。
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GDN |
YDN |
備考 |
ユーザー属性 |
年齢 |
年齢 |
YDNの方が細かい年齢設定は可能 |
性別 |
性別 |
ー |
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地域 |
地域 |
ー |
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デバイス |
デバイス |
Googleはテレビ画面にも配信可能 |
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子供の有無 |
ー |
ー |
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世帯年収 |
ー |
ー |
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ユーザーの興味・関心 |
アフィニティカテゴリインテント |
インタレストカテゴリー |
カテゴリリストより選択 |
カスタムアフィニティカテゴリ |
ー |
キーワードやURLを入力し それに関連したユーザーをターゲティング |
|
ユーザーが積極的に調べている情報や立てている計画 |
購入意向の強いオーディエンス |
ー |
カテゴリのリストより選択 |
ライフイベント |
ー |
カテゴリのリストより選択 |
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ユーザーがお客様のビジネスを利用した方法 |
リターゲティング |
サイトリターゲティング |
一度サイトを訪れたユーザーに ターゲティング |
類似ユーザー |
ターゲットリスト(類似) |
既存の顧客に興味・関心が似ているユーザーに ターゲティング |
|
過去の検索履歴 |
ー |
サーチターゲティング |
Yahoo!Japanで過去に検索したキーワードを もとにターゲティング |
コンテンツ |
キーワードターゲティング |
ー |
商品やサービスに関連するキーワードを入力し 関連性の高いコンテンツに配信 |
トピックターゲティング |
サイトカテゴリリターゲティング |
カテゴリのリストより選択 |
|
プレースメント |
プレイスメントターゲティング |
配信したいコンテンツを手動で入力する |
※出典:anagrams|【入門】GDN・YDA(旧 YDN)とは?特徴や違いをわかりやすく解説します
GDNの特徴的なターゲティングは、キーワードによるコンテンツターゲットができることです。
YDNでは、コンテンツターゲティングをする際、カテゴリのリストから選択するか、手動でURLを指定して配信する方法のみとなっています。
GDNではそれに加えキーワードによるコンテンツターゲットと呼ばれる手法があり、サービス・商品に関連したキーワードを入力すれば、自動的にそのコンテンツに配信ができます。
例えば、「サーフィン」とキーワードを登録すれば、サーフィンに関連した内容を記載したサイトに広告の配信が可能です。
GDNではこのようにコンテンツ配信において、自由度の高い配信できる特徴があります。
YDNの特徴的なターゲティングとして、サーチターゲティングと呼ばれるものがあります。
サーチターゲティングでとは、過去に特定のキーワードを検索したことがある人に広告を表示する方法です。
たとえばサーチターゲティングで「美容院」をキーワードで登録すると、過去に「美容院」で広告を配信したユーザーに広告を表示できます。
自社のサービス・商品に関連するキーワードを登録すれば、そのキーワードに興味があるようなユーザーに広告を配信ができます。
ここまで、GDNとYDNとの違いを述べてきました。
YDNの詳細に関しましては、「Yahoo!(ヤフー)で動画広告を運用するためのコツとは」でも紹介していますので、併せてこちらもお読みください。
GDNをはじめとしたアウトストリーム広告を配信する際のポイントを本章で紹介していきます。
動画コンテンツに流れて目立つインストリーム広告と違い、アウトストリーム広告はページの途中で表示されるため、ユーザーに見てもらえるような工夫をする必要があります。
アウトストリーム広告では基本的に音声がオフで広告が流れるため、音声がなくてもユーザーにメッセージが伝わるようにする必要があります。
字幕を入れたり、迫力のある動画を使ったりしてユーザーに商品・サービスの特徴をわかりやすく伝えるような工夫をしましょう。
動画広告を作成するにあたって「誰に広告を出すか」ということは非常に重要です。例えば、同じ商品であっても20代の男性に出すのと、50代の女性に出すのでは、クリエイティブの内容は大きく異なってきます。
そのため、クリエイティブを作成する際は、性別や年齢などをあらかじめ決め、ターゲットに刺さるような動画を作成しましょう。
もしターゲットにしたいユーザー層が複数いるならば、各層に応じて広告を作成することをおすすめします。
また、下記のようにペルソナと呼ばれる、サービスや商品を考える上で象徴的となるユーザー象を作るとよりユーザー目線を持って広告の作成がしやすくなります。
名前:佐藤 萌 年齢:35歳 職業:マーケター 性別:女 勤務先:30人の従業員を抱えるIT企業 役職:小規模のマーケティングチームのマネージャー 学歴:〇〇大学商学部卒、私立の中高一貫校 年齢:35歳 家族構成:既婚、6歳の子供がいる 趣味:料理、カフェめぐり Instagramで料理系の アカウントを毎日チェックしている 友人とのやり取りではLINE、 Facebookを使用することが多い 課題:動画広告の制作を任せられたけど、作り方が分からない |
アウトストリーム広告は、Webサイトに表示される広告のため、ユーザーが広告をしっかりと見てくれる可能性は高くありません。
そのため、ユーザーが広告をチラッと見ただけでその広告が何を伝えたいかわかるようにし、ユーザーの興味を引くような工夫をしましょう。
特に、1つの広告には1つのメッセージのみを意識することをおすすめします。
広告全般に言えますが、訴求を行う際に数値を入れるとよりユーザーに刺さりやすいものとなります。
例えば、下記の2つのコピーがあったとき、惹かれる内容はどちらでしょうか?
「動画広告を用いた結果、CVRが大幅上昇」
「動画広告を用いた結果、CVRが60%上昇」
おそらく多くの人は、後者のコピーに惹かれるかと思います。
前者でも、動画広告の凄さはなんとなく伝わるかもしれませんが、抽象的な表現のためユーザーにそれほど響かない可能性があります。
ユーザーにより魅力的だと思われるように、具体的な数字を記載すると良いでしょう。
自分たちがいくら良いと思える動画広告を作ったとしても、必ずしもそれがユーザーにとって魅力的なものとは限りません。
複数のコピーや見せ方を変えたりして、どのようなクリエイティブがユーザーの反応がいいかABテストをするようにしましょう。
どのクリエイティブが良いかについては、CTR(クリック率)やCVR(コンバージョン率)など、さまざまなな指標から判断できるため、そちらを参考にすることをおすすめします。
ここではGoogleのアウトストリーム広告の入稿方法について紹介します。
Googleで動画広告を入稿するには4つのステップが必要です。
アウトストリーム広告を配信するために、動画をYouTube上でアップロードする必要があります。
動画はYouTubeスタジオからアップロードすることができます。
広告作成にあたって、まずGoogle広告にログインします。
その後、ページの左項目にあるキャンペーンをクリックし、プラスボタン をクリックして新しいキャンペーンを作成します。
キャンペーンの目的はブランド認知度とリーチを選択します。
キャンペーンタイプは動画を選択します。
複数の動画配信方法がありますが、今回はアウトストリーム広告を選択します。
キャンペーン名を入力し、予算と日程を決めます。
配信したい地域と言語を設定します。
配信したくないコンテンツやコンバージョン設定や、配信するデバイスの設定をしたいならばその他の設定から設定します。
広告グループ名を入力します。
ターゲットするユーザー、コンテンツを決めます。
入札単価を設定します。
アウトストリーム広告はCPM課金が採用されているため、ここでは1,000インプレッションあたりの単価を設定します。
1〜3まで情報の入力が完了したら、最後に配信したい動画のURLを貼り付けします。
設定に問題なければ、左下のキャンペーンの作成をクリックし、プレビューを確認して「キャンペーンに進む」をクリックして作成完了です。
今回の記事では、Googleの動画広告について紹介しました。動画広告は静止画より多くの情報をユーザーに与えることができます。
その分、クリエイティブは静止画に比べ難易度が高いものとなっています。
今回の記事を参考にGoogle動画広告の特徴を把握し、認知を獲得できるような動画広告を作成していただけたらたら幸いです。
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