著者: Kaizen 編集部
昨今、5Gの台頭によりYouTubeをはじめとする動画広告が注目を浴びています。
電通グループの「2019年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」によると、2019年の動画広告費は3,184億円と発表しています。
これは、インターネット広告媒体費全体の約20%も占めており、もはやインターネット広告において必要不可欠だということがわかります。
※引用:dentsu|2019年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析
特に、世界の動画広告を牽引するYouTubeは非常に高い売上を記録しています。
2020年2月にGoogleの親会社である株式会社アルファベットの2019年第4四半期と2019年通年の決算によると2019年のYouTube広告の売上が151億4900万ドル(約1兆6500億円)に達したと報告しています。
YouTubeの広告には複数の種類があり、最もメジャーなものがTrueViewと呼ばれるYouTubeのサイト上に掲載される動画広告です。TrueViewには複数の種類があり、今回の記事ではその中の一つ、TrueViewディスカバリー広告について紹介します。
「YouTubeの他の広告とは何が違うのか」「名前だけは聞いたことあるが、実際どういった特徴があるのだろうか」といった疑問をお持ちの方におすすめの記事となっています。ぜひご一読ください。
4STEPで覚える、TrueViewディスカバリー広告の入稿方法
まとめ|TrueViewディスカバリー広告を用いてコンバージョンに繋げよう
本章では、そもそもTrueViewディスカバリー広告とは何か、またその特徴やどこで掲載されるのかといった基礎情報について解説を進めます。
そもそもTrueViewディスカバリー広告とは、以下のようにYouTubeの検索結果部分や関連動画など、ユーザーがYouTube上で動画を探しているときに表示される広告のことです。
特徴としては、ユーザーが検索した動画などに関連した広告を表示することができることです。例えば、ユーザーがヨガと検索した際に、関連動画にヨガのレッスンなどの動画が表示することができます。
またTrueVIewディスカバリー広告は、サムネイル画像とテキストで構成されます。広告のサイズや表示形式は表示先によって異なりますが、どの広告も共通してユーザーがクリックすることで動画が再生されることも一つの特徴です。
動画の長さには制限がありません。費用はユーザーがサムネイル画像をクリックし、動画を視聴した際に発生する、CPV(Cost per View)と呼ばれる課金形態を取っています。
では、どのような場所でTrueViewディスカバリー広告が配信されるのでしょうか。本章では掲載場所について解説を進めていきます。
TrueViewディスカバリー広告は以下の場所で配信することが可能です。
※出典元:DisplaySpecs|DisplaySpecsヘルプ
検索結果に出るTrueViewディスカバリー広告では、サムネイル画像、広告見出し、チャンネル名、動画視聴回数が表示されます。
※出典元:DisplaySpecs|DisplaySpecsヘルプ
関連動画では、他の動画と同様のフォーマットでサムネイル画像、広告見出し、チャンネル名、動画視聴回数が表示されます。
※出典元:DisplaySpecs|DisplaySpecsヘルプ
マストヘッド広告(YouTubeのトップページ画面に掲載される広告)が表示されていないと、TrueViewディスカバリー広告が表示されます。
もともとTrueViewディスカバリー広告はTrueViewインディスプレイ広告というサービス名でした。しかし、そもそもの広告を作成した経緯がユーザーに合ったコンテンツを“発見”してもらうことだったため、YouTubeは名称をTrueViewディスカバリー広告に変更されました。
上記の特徴でも述べたようにTrueViewディスカバリー広告は動画コンテンツに関連した広告を表示できるため、商品やブランドを比較検討しているユーザーをターゲットにすることを目的とした広告利用が多いです。
そのため、そもそも自分たちの商材を知ってもらいたいといった「認知」を目的とするのではなく、自社の商材を使う可能性の高いユーザーに対して、「購入促進」を目的とした利用をおすすめします。
TrueViewディスカバリー広告では、ユーザーが視聴している動画に関連した広告ユーザーに関連した広告を出すことができるためエンゲージメント率が高いとされています。
YouTubeの動画広告といえば、一般的に動画コンテンツ上に表示される広告を思い浮かべるかもしません。
これは、TrueViewインストリーム広告と呼ばれ、5秒後にスキップ可能な「スキッパブル広告」、スキップ不可の「ノンスキッパブル広告」の2種類があります。
どちらもユーザーが動画を視聴している最中に広告が流れるため、人によってはYouTube広告において一番エンゲージメント率が高いと思われるかもしれません。
しかし、Googleの調査によると、動画コンテンツに広告を出すTrueViewインストリーム広告よりもクリック率が5倍も高いという報告がありました。
そのため、TrueViewディスカバリー広告は自分たちの動画を見てもらいたい時に効果的な施策といえます。
※参考:Google「Surface your videos when viewers are looking for what to watch with TrueView discovery ads」
TrueViewディスカバリー広告は、ユーザーに広告を表示しているものの、クリックされなければ広告費は発生しません。課金形態において、ディスカバリー広告と比較されるバンパー広告などは動画が流れた時点で課金されます。一方、TrueViewディスカバリー広告は、ユーザーに広告を表示しているものの、クリックされなければ広告費は発生しないため広告費を抑えることができます。
TrueViewディスカバリー広告に配信される動画は、自分たちのチャンネルを通じて配信されます。
そのため、動画を魅力的に感じてもらえたら、自分たちの他の動画を見てもらいやすく、さらにチャンネル登録もしてくれる可能性があります。
実際、GoogleはTrueViewディスカバリー広告を通じて動画を見たユーザーは、24時間以内に自分たちの他の動画を視聴する可能性が高いと報告しています。
そのため、TrueViewディスカバリー広告は、ユーザーと一度きりの接点で終わるのではなく持続的な関係を保つことにもつながります。
※参考:Google「Surface your videos when viewers are looking for what to watch with TrueView discovery ads」
強制的に視聴されるTrueViewインストリーム広告と違い、TrueViewディスカバリー広告はクリックされないと視聴がされません。
商材の認知を目的とした場合、TrueViewディスカバリー広告よりもTrueViewインストリーム広告の方が適しているといえるでしょう。TrueViewディスカバリー広告は前述したように、自社の商材を使う可能性の高いユーザーに対して「購入促進」を目的に使うことをおすすめします。認知を獲得したい場合は、TrueViewインストリーム広告やバンパー広告などYouTubeの他の広告を用いることをおすすめします。
TrueViewインストリーム広告では、ユーザーが動画視聴中に広告を表示することができます。
一方、TrueViewディスカバリー広告が配信される場所の関係上、動画を見てもらうにはサムネイル画像とテキストのみで訴求しないといけません。
情報量の多さでは動画が圧倒的に高く、「文字から画像,そして動画へ」という論文では、1秒の動画は静止画の30倍の情報量を持っていると報告しています。
そのため、TrueViewディスカバリー広告は通常の動画広告に比べ、ユーザーにアピールするのが難しいとされています。ただし、サムネイル画像、テキストの工夫次第ではユーザーに興味を持ってもらうことができます。
施策概要
Benefit Cosmeticsはカリフォルニア州に本社を置く、化粧品の製造業者です。自社のメイク道具の購入促進を目的にTrueViewディスカバリー広告を配信しました。
また、TrueViewインストリーム広告を並行して配信し、認知度を高める施策も同時に行いました。
ユーザーに実際に利用しているイメージを与えるようにメイク道具を用いたシーンを使っています。
その結果、約66万回の視聴数、チャンネル登録者数が20%向上しました。
課題
商品の売上増加
自社のメイク道具の認知を高めたい
施策
TrueViewディスカバリー広告を通じて、メイク道具を実際に使用している場面を使用
TrueViewインストリーム広告も並行して利用
結果
TrueViewディスカバリー広告で最大限に効果を出すためには、ユーザーと信頼関係を築けるような動画を作成する必要があります。
広告色の強い動画では、ユーザーとのエンゲージメントを高めにくいので注意が必要です。
では、どのようなクリエイティブが効果があるのでしょうか。本章では、TrueViewディスカバリー広告のクリエイティブを作成するポイントを紹介します。
ユーザーが動画を選択する際に、最初に目に入るサムネイル画像。動画のコンテンツを最もよく表す画像を使用し、広告文などもそれに合ったものを設定しましょう。
例えば、筋力トレーニングの動画ならば、下記のように実際に筋力トレーニングをしている画像と「脂肪を燃やすトレーニング」といった言葉を使用し、広告文を作成します。
また、今回の事例ではサムネイル画像の背景を目立つようにし、よりユーザーの目を引くような工夫をしています。
これにより他の動画のサムネイル画像よりも目立ち、「筋トレ」と検索したユーザーにとって思わずクリックがしたくなるような訴求を実現します。
広告文はユーザーがクリックしやすくするようなテキストを書くよう心がけてください。
商品やサービスのアピールに重点を置くのではなく、純粋にユーザーが動画を見たいと思えるような工夫をする必要があります。
例えば、上記の筋トレ画像では「5分で出来る」という言葉を用い、比較的敷居の低いトレーニングであることを表現しています。
また、あえて筋トレではなく、「脂肪を燃やすトレーニング」という表現を使うことでダイエットなどをしているユーザーに明確にターゲティングしています。
これにより、広告文を見たユーザーがこのトレーニングなら自分でもできるかも...!と思ってもらうことで広告をクリックしてくれる可能性が高まります。
上記のような広告文の工夫により広告のクリック率は大幅に変わってきます。
また、広告文を作成するにあたり自社の商材に関連した動画のコメントを見て、ユーザーがどのような反応をしているかを確認することも広告文を作る際の参考になります。
他にも動画を配信した後にYouTubeアナリティクスを使うことで、動画のどの部分が評価されているか把握することができます。上記でご紹介した方法と併せて広告文のPDCAを回しましょう。
TrueViewディスカバリー広告は「広告」ではあるものの、通常の「動画配信」と変わらないため、ユーザーにとって魅力的な動画を作成する必要があります。
コマーシャルとしか捉えられないような動画では、ユーザーがすぐに広告から離脱する可能性が高まるので、できる限りユーザーに満足してもらえるようなものを作りましょう。
具体的な動画の作り方については別記事「動画広告の作り方|はじめての動画制作で抑えておきたい5つのステップ」にて紹介しています。併せてご覧ください。
また、自社で配信する動画広告に問題ないかどうかをYouTubeの広告ポリシーにて確認することをおすすめします。
ここでは、TrueViewディスカバリー広告の入稿方法について紹介します。
Google広告を通じて広告を配信するため、最初にGoogle広告のアカウントを用意する必要があります。
TrueViewディスカバリー広告で配信するために、動画をアップロードする必要があります。
動画はYouTubeスタジオからアップロードすることができます。
右上の「作成」をクリックし「動画をアップロード」選択します。アップロードするファイルを選択します。以上で動画のアップロードは完了です。
次にGoogle広告からキャンペーンを作成します。
Google広告にログインし、ページの左に「キャンペーン」と書かれている項目をクリックします。
キャンペーンの管理画面が開いたら、左上にある「+」ボタンをクリックし、「+新しいキャンペーンを作成」をクリックします。
次に、キャンペーンの目標が出ますので、広告を配信する目的に沿ったものを選択してください。
キャンペーンタイプの選択が出ますので、今回は「動画」を選択し、「続行」をクリックします。
続いて、キャンペーン作成のための、以下の必要事項を記入していきます。
次に、キャンペーンの下画面にある、広告グループの作成をします。ターゲットとするユーザーと配信するコンテンツを決定します。
ユーザーはリーチする対象を指します。以下の2つの項目を設定し、配信対象を絞ります。
ユーザー属性:年齢や性別など
オーディエンス:特定の興味や関心、意図
コンテンツは、広告を表示する場所を示します。以下の3つの項目を選択し、配信場所を絞ります。
キーワード:商品やサービスに関連した任意のキーワード
トピック:「アート」や「ゲーム」など特定のテーマに関するコンテンツ
プレースメント:特定のチャンネルや動画など具体的な場所
1〜3まで情報の入力が完了したら、最後に配信したい動画のURLを貼り付けします。
設定に問題なければ、左下のキャンペーンの作成をクリックし、プレビューを確認して「キャンペーンに進む」をクリックして完了です。
今回の記事では、TrueViewディスカバリー広告の特徴やメリットなどを紹介しました。
認知ではなく、ユーザーの購入促進が目的のため、使い方次第でコンバージョン向上に繋げることもできます。
ユーザーを引き付けるために、まずはサムネイル画像と広告文を意識してクリエイティブを作成することをおすすめします。
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