
国内外のDX先進事例の紹介に加えて 今年話題となったAIの進化やDX人材育成までを網羅
#DX白書2023
大きな反響をいただいた「#DX白書2022」を大幅にアップデートし、ディズニー等のDXの次に進もうとしている企業の先進事例やそれらを取り巻くAI/Web3などのDXトレンド紹介、そしてDXを推進するための人材戦略まで、検討のヒントになる情報を多数詰め込んだ内容となっております。
国内外のDX先進事例の紹介に加えて 今年話題となったAIの進化やDX人材育成までを網羅
#DX白書2023
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TikTokに興味はあるもののどうすればいいかわからない方
縦型動画を試してみたいけど、アサイン、ディレクションに対してノウハウが無い方
一度は試してみたけど、成果が出ず伸び 悩んでいる方
DX推進のご担当者、事業責任者の方
新規事業や組織改革を担う事業責任者の方
マーケティング担当、Web担当の方
著者: Kaizen 編集部
EFOとは?
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Webサイトに設置された入力フォームは、商品購入や資料請求、会員登録といったさまざまなアクションの起点となる窓口です。あなたのWebサイトにおいて、入力フォームはユーザーにとって、ストレスのない適切なフォームになっていますか?
もし入力フォームの使い勝手が悪かったり、ユーザーのモチベーションを低下させるような仕様だと、多くのユーザーが離脱する要因になっているかもしれません。
EFOとは、ユーザーをフォーム完了まで導くためのエントリーフォーム最適化施策です。フォームはユーザーがアクションを起こす最後のページだからこそ、CVR(コンバージョンレート)改善が重要となります。
本記事では、1,000社・50,000回以上のサイト改善事例とデータを保有するKaizen Platformが、数々の取り組みを通じて会得したEFO成功のポイントを、フォームの離脱要因や改善事例も交えながら解説します。
WebサイトのCVRがなかなか上がらない、フォームの離脱率が高いといった課題を持つ方は、ぜひ参考にしてみてください。
"エントリーフォーム改善"のお役立ち資料を無料でご覧いただけます
デジタルの顧客接点強化の必要性が増す中、Webサイトは重要な役割を持ち、EFOは欠かせない施策の一つです。成果をあげるためにも適切な設計と、検証と振り返りを行い改善サイクルを回すことが大切です。
コンバージョン改善や売上UPの実現を目指したい方へ、これまでKaizen Platformが1,000社・50,000回以上の施策支援から得た知見や実績に基づいた『サイト改善で成果を上げるノウハウガイド』をお届けします。
LPOやEFO、ABテストをはじめとしたサイト改善における打ち手にお悩みの方、ノウハウがないとお困りの方はぜひ参考にしてみてください。
▼目次
EFOとは、Entry Form Optimization(エントリーフォーム最適化)の略語です。ユーザーがスムーズでストレスのない入力フォームになるよう最適化することで、フォームでの離脱を防止し、入力完了率(CVR)の向上を目的とします。
詳しくは後述しますが、例えば以下のような工夫を行います。
フォームを設置するWebサイトは、基本的にサービス申し込みや商品購入、問い合わせのために、ユーザーに個人情報を入力してもらいます。そのため、フォームでの離脱を防ぎ、完了に導くことは、サイトのCVR改善、ひいては売上の向上に繋がります。
また、入力プロセスを快適にすることで、ユーザーのストレスを軽減し、顧客満足度の向上にも役立ちます。
ユーザーがコンバージョンに至る過程で必ず通るフォームを最適化するEFOは、他の施策と比べてもCVRの影響力が高い施策といえます。
フォームがユーザーのストレスになっており離脱率が高い場合は、いくらWeb広告やSEOなどを行いトラフィックを増やしたとしても、最終的に多くのユーザーに離脱され、施策の効果を感じにくくなってしまうからです。
WebサイトのCVRに課題を感じる場合は、優先的にEFOに取り組みましょう。
Kaizen Platformでは、入力フォームを有するすべての企業が取り組むべき手法だと考えています。フォームの離脱率改善は、Webサイトの売上を伸ばすための最も重要な施策の1つだからです。ユーザーがコンバージョンに至る経路はさまざまありますが、最後はかならず入力フォームを通過します。それにも関わらず、フォームからの離脱率が高いままのケースが多く見られます。
実際、入力フォームまでたどり着いたユーザーが入力を完了させることなく離脱する割合は業界によって異なりますが、平均で40~50%、高いときは70%ほどです。
また、EFOは他の施策に比べて少ない工数で売上を伸ばすことができるという特徴があります。
例えば、サイトからの売上を2倍にしたい場合、基本的に以下の2つの施策があります。
前者の場合、広告のテストやクリエイティブ制作・コンテンツ制作・リライトなどさまざま対策が必要なため、すぐに売上を伸ばすことは難しいです。一方、後者の場合、フォームの改善といった施策でCVRを改善することができるため、工数はそれほどかかりません。
このように少ない工数で、コンバージョン数やCVRを大きく改善できる可能性がある点が、EFOのメリットです。
Webサイトのコンバージョン獲得に課題を感じている場合、まずはフォームの改善余地がないか検討してみましょう。入力フォームの離脱を防ぐことで、コンバージョン数の改善や売上向上が期待できます。
EFO施策も含め、サイト全体の成果をあげるためにはサイトの設計ポイントや成功事例の把握が欠かせません。
Kaizen Platformでは、これまでのノウハウをもとに作成した「サイト改善で成果を上げるプランニングのポイント」を公開しています。
EFOをはじめとしたサイト改善における打ち手にお悩みの方、ノウハウがないとお困りの方、具体的なEFOの取り組みを知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
入力フォーム最適化で意識したい離脱ポイント
フォーム改善を行いCVRを改善するには、そもそもなぜユーザーが離脱するのかを把握する必要があります。
ユーザーがフォームを離脱する理由は主に下記の3つです。
これらの要素を踏まえ、ユーザーがフォーム入力を行う段階ごとに離脱する要因を見てみましょう。
入力フォームの離脱率を分析すると、多くのユーザーが離脱するのが、フォームに訪れた瞬間、つまり、まだ何も入力していない段階です。
みなさんも、何らかの入力フォームにたどり着いたときに、入力前から「面倒だな」と感じたことはありませんか?ある程度サービスや商品に興味を持ってフォームに訪れたはずのユーザーが入力前に離脱してしまうのは、入力情報の多さが目につくなど、入力の面倒さやストレスを感じてしまうからです。
そもそも情報を入力することに対するリターンや価値を感じなければ、ユーザーは早々に離脱してしまいます。フォーム入力の一歩を踏み出せるよう、ユーザーのモチベーションを高めなければなりません。
例えば入力項目が多すぎたり、入力欄がわかりづらいレイアウトだったりすると、そこにストレスを感じて途中で離脱してしまうことがあります。
The Manifestの調査によると、特に離脱に繋がる項目は「電話番号」「住所」「年齢」の3つです。
また、一度離脱したとしても再度入力を検討するユーザーもいます。しかしフォームに再訪問した際に、一から情報を入力しなければならない仕様だと、入力するのを手間だと感じ再び離脱する可能性が高いです。そのため、ユーザーがWebサイトを再訪問した際には、入力フォームに過去に入力した情報を自動的に表示するようにしましょう。
せっかく入力したにも関わらずユーザーが離脱してしまうケースの多くは、エラー表示によるものです。例えば、全角・半角の使い分けが細かく決められており、その入力ミスなどによって入力が完了しないと離脱を招いてしまいます。
また、完了前に表示させる「個人情報の扱いに関する同意事項」などの同意画面も工夫できるポイントの1つです。仮に全文をそのまま表示してしまうと、ユーザーは長文をスクロールすることになってしまい、そのような手間も入力完了の大きな障壁になるのです。
実際にEFOに取り組むときはどのような流れで進めていけばよいのでしょうか。着目すべき指標とあわせ、初心者でも行えるよう、EFOの始め方を解説します。
EFOの実施はエントリーフォームのCVR改善を目的としているため、効果測定の基準として「エントリーフォームのCVR」をまずチェックします。
エントリーフォームの入力完了率は、10%~30%程度であることが多いです(離脱率60%~90%程度)。ただし、これはフォームの内容(資料請求や問い合わせなど)や、ユーザーの流入経路によって大きく異なることがあります。
完了率が高くなりやすい例 |
完了率が低くなりやすい例 |
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例えば、「Web広告 改善」と検索してきたユーザーに対して「Web広告の改善事例を10個まとめた資料のダウンロード」をコンバージョンとして設定しているのであれば、完了率は比較的高くなることが予想されます。
そのため、各社でEFOツールやGA4といったアクセス解析ツールを利用して、現在の離脱率を把握することが大切です。
さらに細かな改善点を見つけ出すために、ユーザーがどこで離脱したかも分析できると良いでしょう。
前述したように、ユーザーが離脱するポイントは「未入力段階」、「入力途中」、「入力後」の3つのため、どの段階で離脱したかを発見するようにしましょう。
これらの分析をしながら、最適化するべきポイントや手法を選び、改善を重ねていきます。
「フォームのどこで離脱されたか」を分析するには、EFOツールを利用する必要があります。「フォームの最初の項目が入力されたか」などより細かい観点で分析することもできるので、詳しくは「6. EFOツールの主な機能とメリット」をご確認ください。
次に、フォームの問題の仮説を立て、対策を決めましょう。
現状のフォームでうまく成果が出ていないときに、「これでだめだったから、次はこれをやってみよう」という、思いつきの施策をしてはいけません。
フォームに蓄積されたデータに基づいて問題点の仮説を立てていき、それらを解消するための施策を考える必要があります。課題・原因・施策を整理してから改善に取り組むことで、結果を振り返るときの精度も向上できます。
例えば、ユーザーのフォームでの滞在時間が短く、CVRが低い場合、下記の仮説と対策が考えられます。
現状の問題からどのような対策があるかいくつか考えるようにし、その中で特に効果が大きいと考えられるものを実施し検証をしていきましょう。
また、EFOツールを活用して離脱ポイントを明確にすることができているのであれば、なぜその項目で離脱されているのかという仮説を立てます。
例えば以下のような理由が考えられるでしょう。
離脱箇所 |
原因の例 |
ファーストビュー | フォームに遷移する前後で内容にギャップがあり、期待していた内容ではないと感じている |
会社の住所 | 住所が分からず、調べるのが面倒に感じている |
個人の電話番号 | 営業電話がかかってくるのではないかと感じている |
申し込み内容の確認画面 | 申し込みが完了したと勘違いしている |
このような仮説を立てたら、次のステップでそれぞれ改善を加え、効果があるかどうかを検証します。
具体的な施策については次の「4. フォームを最適化する13のEFO施策」でも後述します。
EFO施策を実施しても一度でCVRが改善されるわけではなく、何度も繰り返し検証を行ってはじめて、CVRの改善につながります。EFOを成功させるためには「ABテスト」の実行が必要となります。
ABテストとは、Webサイトなどで複数の表現を用意し、どれが最もユーザーの反応が良いか比較する手法です。比較の結果、成果がいいパターンを本番採用することで、サイト改善効果が上がりやすくなります。
例えば「フォームの入力項目の並び順」について、複数パターンをユーザーに表示し、どのパターンが最も入力完了率が高くなるのかを検証し、最良のパターンを正式採用します。
日々刻々と変わるユーザーニーズに対し、迅速に「検証→改善」を行うことができるため、おすすめの手法です。
ABテストの詳細については「ABテストで陥りがちな課題とは?成果が出た事例も紹介」で解説しています。
それでは、具体的なEFO施策を13個紹介していきます。
以下のようにチェックリストを作成したので、この中から行えそうな施策をまず試してみることもおすすめです。
チェックリスト |
改善施策 |
1.フォームの項目が多すぎてストレスになっていないか? |
必要な情報を得られ、かつユーザーにとってストレスがなるべくかからないよう、項目を減らす |
2.入力のモチベーションを維持できる内容になっているか? |
「登録無料」「今だけ〇〇プレゼント」など、入力するメリットを伝える |
3.フォームの安全性は確認できるか? |
SSL化や、個人情報の取り扱い方法を示す |
4.他ページへの導線が目立っていないか? |
他ページのリンクを削除する |
5.住所の入力は簡単か? |
住所の自動入力ができるようにする |
6.メールアドレスの入力は簡単か? |
メールアドレスの入力補助を行う |
7.離脱ユーザーを引きとめられているか? |
離脱防止ポップアップを表示する |
8.登録完了ボタン(送信ボタン)は目立っているか? |
ボタンの色や大きさ・テキストを調整する |
9.項目の選択は簡単に行えるか? |
選択項目をプルダウン形式ではなくラジオボタン形式にする |
10.入力エラーにすぐ気付けるようになっているか? |
エラー表示をリアルタイムで指摘する |
11.今どの項目を入力しているかが分かるようになっているか? |
入力中の項目を目立たせる |
12.フォーム全体の表示は崩れていないか? |
フォームをモバイルフレンドリーにする |
13.フォーム入力のナビゲーションができているか? |
チャット機能を導入し、よりスムーズなフォーム入力を促す |
※後述するEFOツールを利用すれば、ほとんどの施策が簡単に行えるようになります。
それでは、それぞれを詳しく解説していきます。
ステップ方式を採用して進捗状況を可視化し、スクロールを減らした事例
入力項目の多いフォームでは入力にストレスを感じるため、自社が必要とする最低限の項目のみを入れるようにしましょう。質問項目を必要最低限のものにしたら、フォームの見せ方にも工夫が必要です。
例えば、フォームを一問一答のステップ方式にすることで、画面内に入力フォームをすべてまとめられ、スクロールの手間をなくすことができます。
一問一答のステップ方式にする際には、進捗状況をページ上部に表示すれば、いつまで入力作業が続くかわからないストレスをなくせるため、離脱率軽減に効果的です。
他にも、できる限り入力しやすいデザインや仕様にすることも大切です。ユーザーのエラー入力を減らすためには、入力補助を導入すると親切でしょう。例えば、半角・全角を自動指定したり、入力例を入力前の欄に記載しておくことでイメージを持たせたりと、ユーザーがミスしやすい部分をサポートできます。
必須項目とそうでない項目を明確に区分しておくことも、ユーザー視点では判断する手間が省けて入力が楽になります。入力規則が一見してわかるような工夫を重ねることが重要です。
ECの場合はAmazon Payを活用することで、Amazonに登録してある決済内容を活用することができるので、ユーザーの入力負荷を大きく軽減できる可能性もあります。
無料登録で有料記事が読めるというメリットを伝え、登録を促す事例
フォーム入力前の段階がユーザーの離脱が多いポイントであるため、改善することで離脱率を抑えることができます。ユーザーがフォームに訪れたタイミングでフォームを入力したいと思えるような工夫をすると効果的です。
例えば「〇円かかるプランをまずは無料で登録」、「今だけ〇〇プレゼント」など、入力する利点を伝えることが有効です。魅力が伝わりやすいバナーなどを設置することで、ユーザーは情報を入力するメリットを感じることができます。
また、以下のようにフォームを入力することで得られる内容を画像やテキストを用いて訴求することで、より入力のモチベーションを上げられる可能性もあります。
同様に、入力に時間がかからないことを冒頭で伝えることもモチベーションアップにつながります。「1分で登録完了」など、入力ボリュームの目安を伝えると、ユーザーは「短時間で入力が終わるなら入力しよう」というモチベーションを維持することができます。
フォーム内で個人情報の扱い方が「資料ダウンロード」の上に表示されている
フォームが安全であることを証明することも重要なEFO施策です。多くのユーザーはフォームに個人情報を記入するため、少しでも信頼できないと思ったらすぐにフォームから離脱しています。
The Manifestの調査ではセキュリティの心配で29%のユーザーがフォームを離脱していると報告しています。
安全なフォームであることを証明するために、下記の方法があります。
SSL(Secure Sockets Layer)とは、Webページをすべて暗号化し、外部からわからないようにするセキュリティ手段です。Webサイトからサーバーへ何らかの情報を送る際に、cookieを含めた情報を暗号化することで、情報流出を防いでくれます。こういったセキュリティが施されたサイトかどうかで、信頼できるかどうかの指針になることが多いです。
また、個人情報の扱いに関する同意事項を入れるだけでなく、フォーム内で簡単に個人情報の扱い方を示せばユーザーからの信頼性を高めることができます。
関連商品やより高価な商品を買ってもらいたいという理由で、フォームに他ページのリンクを入れることは極力避けるようにしましょう。リンクがあると入力完了前にページを移動してしまい、フォームの離脱率が高まってしまうからです。特に最終画面では、入力完了ボタン以外のリンクを全て外しても問題ありません。
他の商品を提案したい場合はフォーム入力後に訴求する方法がおすすめです。例えば、一部の航空会社は、航空券の購入が確定した後にワンクリックで座席をアップグレードする方法を提供しています。
フォーム入力後に他の商品をレコメンドした例
住所の自動入力機能を入れた例
住所入力の項目では、住所自動入力機能を取り入れるようにしましょう。
ユーザーが入力した郵便番号から都道府県・市区町村を割り出し、自動で挿入できるため、ユーザーの負担を減らし離脱率改善に繋がります。
基本的には、EFOツールを利用することで誰でも簡単に実装することができます。
メアドサジェスト機能を導入した例
住所と同じように、EFOツールを利用するとメールアドレスの入力補助が行えることもあります。
例えば入力フォームのメールアドレス項目で、@以降に入るドメインを予測して一覧表示し、入力の手間を省くことができる機能があります。「メールアドレス」は、会員登録・申し込み・問い合わせなど、多くの入力フォームで入力が必須の項目であり、多くのユーザーは入力を多少なりとも面倒だと思ってます。
特にスマートフォンでは、英数字の文字列入力はユーザーにとってストレスを感じる箇所の1つであり、ここで離脱することも珍しくありません。
また、メールアドレスの入力が間違っていると、フォーム送信後に送られる確認メールが正しく受信できず、せっかくコンバージョンしたユーザーとのコミュニケーションが不可能となってしまいます。
そのため、入力ミスを防ぐ意味でも、メールアドレスの入力補助機能を導入するのは効果的です。
離脱防止ポップアップを導入した例
フォーム入力中にユーザーが誤って、入力中のフォームを閉じてしまうということもあります。このような時、再びLPに訪れ、フォームまで入力してもらうには、ユーザーのモチベーションがよほど高くないと厳しいです。
実際、The Manifestの調査では67%のユーザーは一度フォームから離脱したら、二度とそのフォームに戻ってこないと報告しています。
そのような意図しない離脱を防止するためにも、離脱防止ポップアップを導入するのがおすすめです。
ユーザーが「ページを閉じる」または「ブラウザの戻るボタンを押す」などを実行した際に、一度ポップアップを表示して確認するようにしましょう。
また、入力ページだけでなく、確認ページでも有効です。確認ページで、送信完了したと誤解してページを閉じるという離脱を減らすことにも有効な施策です。
登録完了ボタンを目立たせた例
登録完了ボタンの近くには「戻る」などのボタンが併設されていることが多いため、間違えて押されないように登録完了ボタンの方を目立たせるようにしましょう。
そのために、目立つ大きさや、反対色を使ってボタンが一目で分かる工夫が必要です。
選択項目をラジオボタンにした例
フォームの選択項目では、ラジオボタンを設定するのがおすすめです。
ラジオボタンとは複数用意された選択肢の中からユーザーが一つの項目を選択できるボタンです。
他の選択項目として、プルダウンと言われる、一度ボックスをクリックしてから選択肢を選ぶ形式もあります。
ただ、プルダウンでは、選択項目を選択するために必要なアクション回数は2クリックに対し、ラジオボタンでは一度のクリックで選択できるため、離脱率が低くなる傾向があります。
そのため、ラジオボタン形式の方がユーザーにとってストレスのかからない形になります。
エラー表示をリアルタイムで指摘した例
ユーザーが入力完了後に離脱する要因として挙げられるのが、「エラー表示」です。申し込み後にエラーが多発するとユーザーはすぐにフォームから離脱します。
そこで、ユーザーが完了ボタンを押した後ではなく、入力した瞬間にリアルタイムでエラーを知らせることでユーザーのストレスを軽減し、入力完了後の離脱を防ぐことができます。また、入力途中に項目ごとに「OK」「NG」をその場に表示すれば、入力ミスの防止ができます。
入力中の項目を目立たせた例
全ての入力項目が同じ色の場合、少し目を離した際にどこまで記入したかユーザーがわからなくなる可能性があります。
そのため、現在どこの項目の入力をしているかわかるよう入力中の項目を目立たせるようにしましょう。
モバイルフレンドリーの例
モバイルフレンドリーなフォームとは、 スマートフォン用に表示を最適化して、モバイル端末でもフォームを入力しやすくすることです。
特に、スマートフォン利用時に、モバイルフレンドリーでないフォームが表示されると、入力画面やコンバージョンボタンが小さいため誤タップに繋がりやすく、ユーザーにストレスがかかります。
そのため、入力欄や各ボタンを大きく表示し、タップするエリアを広げ、誤タップなど防ぐといったスマートフォン向けの方の対応も実施しましょう。
チャットボットの例
チャット機能とは、EFOツールなどを活用して上記の画像のように、チャット形式でフォームの入力を促す機能です。
ユーザーは「何をどのように入力するのか」をチャットボットに指示してもらいながら入力することができます。そのため、少し特殊な設問がある場合にも有効です。
また、いくつもある項目が全て表示されるのではなく、ステップバイステップで進めていくため、ユーザーは通常よりもストレスを与えずにフォーム入力が行えるでしょう。
入力フォームの離脱要因を把握し対策を打つことで、どれだけの効果が見込めるのでしょうか。
実際にKaizen Platformが手がけたEFO施策をもとに改善効果を見てみましょう。まだEFOに取り組めていない企業にも、その重要性をご理解いただけるはずです。
登録開始率と入力完了率、双方に結果が現れたステップ方式
課題 |
フォームの入力項目が多くユーザーにストレスを与えていた |
施策 |
一問一答のステップ方式に入力フォームを変更 |
結果 |
入力開始率が140%、入力完了率は155%に改善 |
スタッフサービスが提供する『働くナビ!』は、働き口を探す求職者向けのサービスです。自身の情報を登録するための登録フォームを設けており、登録を完了することで、働き手と採用口をマッチングさせることができます。いわば、サービスの根幹を担う入力フォームともいえます。
しかし、これまで設置していた入力フォームは、1ページ内に7つもの入力項目が並べられており、スクロールしなければ全ての項目を入力することができないものでした。入力情報が多いと感じられるページは、ユーザーのモチベーションを低下させてしまいます。
そこで、ユーザーの入力ストレス軽減がCVR改善につながるであろうという仮説から、各項目を切り分けた一問一答のステップ方式に入力フォームを切り替えました。加えて、ユーザーが何項目まで進めたのかがわかるよう、画面上部に進捗を表示するよう改善を行いました。
その結果、ファーストビューでの離脱率は改善され、フォームに入力をし始める入力開始率が140%もアップ。さらに、すべての入力を終えた入力完了率は155%と大幅に改善。EFOによって、ユーザー離脱の大幅な軽減に成功しました。
テキスト量の多い同意事項にはアコーディングブロックが効果的
課題 |
「個人情報の取り扱いに関する同意事項」がスクロールが必要なほど長文により、離脱に繋がっていた |
施策 |
|
結果 |
フォームの申し込み完了率が131%に改善 |
関西みらい銀行(旧:関西アーバン銀行)は、オンラインでローンプランが申し込みできるよう、サイト上に申し込みフォームを設置していました。
フォーム入力の完了直前には「個人情報の取り扱いに関する同意事項」が表示されていたのですが、スクロールが必要なまでに長文を表示させており、同意画面が縦長で冗長なものになっていました。スクロールしたあとにチェックしなければ次のステップに進めないため、ユーザーが離脱する1つの原因になっていたのです。
この同意画面のスクロール量を減らし、申し込み完了率を高めることができないかと考え、EFOに着手しました。同意画面の必須項目の表示領域を見やすくしたり、任意の確認事項はアコーディオンブロック(ユーザーが任意で開いたり折りたたんだりできる)にまとめるといった施策を行いました。
このアコーディオン方式を採用したことで、縦長で冗長なフォームは解消され、結果、フォームの申し込み完了率は131%も改善することができました。
LP内に料金シミュレーションを設置し、入力を促す
課題 |
ローン申し込みのフォームとシミュレーションのフォームが別ページにあり、離脱率が高かった |
施策 |
|
結果 |
フォーム申し込み完了率が114%アップ |
オンラインで各種申し込みができる山陰合同銀行では、ローン申し込みの一環としてフォームを設置し、加えてローンシミュレーション機能を導入していました。しかし、シミュレーションのフォームがLPとは別のページに設置されていたため、ユーザーの離脱率が高く、申し込み完了に導くことが難しいページになっていたのです。
そこで、ユーザーはローン申し込みの検討をしながらシミュレーションを使いたいはず、という仮説に基づき、まずはローンシミュレーションをLP内に移管することに。さらに、一度離脱したユーザーが再度入力する手間を省くために、フォームに再訪問したときには同じ内容を入力しなくてもシミュレーション内容が再び表示されるように改善を行いました。
これらEFOの施策を通じて、山陰合同銀行の入力フォームは申し込み完了率を114%アップさせることに成功しました。
EFOは簡単な内容であれば、初心者であっても、ツールなどがなくとも行えます。
例えば入力項目を見直して数を減らすことであれば、フォームの編集をするだけで簡単に実現できるでしょう。
しかし、よりフォームでの離脱率を下げCVRを改善したい場合は、以下のような準備が必要になります。
アクセス解析ツールはGoogleアナリティクスで良いケースが多いです。
EFOツールは別途導入が必要になるケースがほとんどでしょう。月額10,000~50,000円程度と、比較的安価で始められる製品が多く、専用のタグを設置するだけで簡単に使い始められます。EFOに力を入れたい企業はぜひ検討してみてください。
成功事例からも見て取れるように、EFO施策の実施にはEFOツールを活用していくことがおすすめです。EFOツールを利用することで、エントリーフォームの使い勝手を良くしたり、問題点や改善施策などを効率的に発見することができます。
EFOツールではどのようなことができるのか、ツールで利用できる機能について解説します。
入力補助とは、ユーザーの入力作業をサポートし、簡単に入力完了できる機能です。ツールによっても利用できる入力補助機能は異なりますが、例として下記のようなものがあります。
入力補助機能があることで、項目の打ち込みや修正の手間が減り、ユーザーの負担が軽くなります。
機能(一例) |
内容 |
住所入力補助機能 |
郵便番号を入力するだけで町名までの住所が自動入力される |
ふりがな自動入力機能 |
氏名を入力すると自動でふりがなが入力される |
半角/全角自動変換機能 |
全角で入力した文字を自動で半角に修正したり、半角を全角に修正したりする機能 |
リアルタイムアラート |
入力ミスが発生した際にポップアップ型のアラートを表示させる機能 |
入力補助を導入するメリットは、ユーザーのフォーム離脱率を最小限に抑えられることです。
ユーザーが離脱する大きな要因は「フォームが使いづらい」「手動入力が面倒」といった入力の手間にあります。入力補助を活用することで「郵便番号を入力すれば住所が自動入力される」といったユーザーの手間を減らすことができます。そのようなフォームもすでに多く見受けられるため、入力補助が対応されていないだけでユーザーはフォーム入力を不便に感じるかもしれません。
入力補助を導入しユーザーが少しでも使いやすいフォームに改善することで、離脱を防ぎコンバージョン数や売上の向上に期待できます。
ユーザーがフォームに入力した情報を分析し、レポートとして閲覧・出力できる機能です。レポート機能を活用することで、分析したデータを自分の見たい形式でダウンロードすることができます。
EFOツールでは、例として下記のようなデータ分析を実施することが可能です。
分析機能を活用するメリットは、入力項目で離脱率の高い箇所や、所要時間が長い項目といった細かい問題点を見つけることができることです。
ユーザーによってフォームの離脱ポイントや理由は異なります。入力段階でフォームが長いと感じて離脱する人もいれば、フォーム入力後に個人情報の取り扱いについての記載が曖昧だったため不安になって離脱する人もいます。また、スマートフォンでの離脱率が高いといった、デバイスなどさまざまな要因で離脱率も変化します。
ツールにもよりますが、EFOツールは、フォームの離脱ポイントだけでなく、ユーザー属性別の離脱率も分析できるため、改善すべきポイントをすぐに把握することができます。
例えば、フォームにはじめて訪れたユーザーの離脱率が会員ID入力項目で高いとわかれば、項目ごと削除するか、会員IDを入力しなくてもいいようオペレーションごと見直すなどの具体的な改善が考えられます。
また、ツールによってはABテスト機能も搭載されています。ABテスト機能とレポート機能を活用することで、より効果的な改善を実施することができます。
EFOツールを活用するうえで、ツール導入だけでなくそのツールベンダーの担当者が運用をサポートしてくれるケースがあります。
サポート内容はベンダー各社によって異なりますが、ツールで分析したデータの見かたや、フォームの改善提案をしてくれたりと、EFOのノウハウがない初心者でも改善に取り組めるようサポートしてくれます。
また、サポートを受けることで社内でノウハウが身につくため、より精度の高いフォーム改善施策を考えられるようになるでしょう。
フォームをどのように改善すればいいかわからない場合や、思ったように効果が表れない場合などに積極的にサポートを利用するようにしましょう。ツール活用が不安な方は、どのような運用サポートが受けられるかを事前に確認しておきましょう。
EFO施策に活用できる具体的なツールを紹介します。「入力支援機能」や「フォーム入力したユーザーのログ解析」などさまざまな機能があります。
KAIZEN UXはABテスト、CVR改善などUX改善をトータルで実施するプロフェッショナルである「Kaizen Platform」が、長年蓄積したノウハウをパッケージ化したサービスです。
自社Webサイトのページにタグを挿入するだけで、HTMLやCSS、PHPなどをコーディングする必要なく、Webサイト改善のための環境を活用可能。高機能テストツール、分析機能、パーソナライズ機能などが搭載されています。
レガシーシステムが、比較的まだ多く残っている金融業界などでも簡単に導入してサイト改善に寄与してくれます。
【KAIZEN UXのユーザーレビュー・口コミ】
EFO CUBEは株式会社エフ・コードが提供しているツールです。
入力補助機能に強みを持ち、業界最多数である26個の入力補助機能と、Yahoo! JAPAN IDやFacebookなどのアカウント情報が自動で入力フォームに反映できる外部ID連携機能を搭載しています。
またデータ解析機能では、ユーザーの離脱ポイントの分析・フォームの項目ごとのエラーや入力情報の分析・自動レポートの作成ができます。
Gyro-n EFOは株式会社ユニヴァ・ジャイロンが提供しているツールです。
既存のフォームを変更せず、設定タグを貼るだけでEFOを開始できるため導入のハードルが低いことが特徴です。
またYahoo! JAPAN IDやFacebookに登録されているプロフィールデータの連携や、Adobe Marketo Engage、HubSpotのようなMAツールとの連携もできます。
参考:EFOツール導入でコンバージョンが劇的に改善する理由【Gyro-n EFO】
f-tra EFOは株式会社エフ・ツールが提供するツールです。
スマートフォン向けサイトのEFOにも完全対応し、充実した入力支援機能があり、導入だけで平均22%のフォームの改善を実現しています。
また、レポート機能も豊富にあり、「項目別レポート機能」、「期間別レポート機能」、「簡易ABテスト機能」が搭載されています。
参考:EFO(入力フォーム最適化)のエフトラEFO【平均22%成績アップ】
EFOcatsは株式会社エフカフェが提供するツールです。
ユーザーがフォーム入力の際に感じるストレスを解消し、「直感で使いやすく」利用できるフォーム画面作りをモットーとしています。
タグを設置するだけで、スマートフォン上で「1画面1質問」の入力フォームになる「ステップ型フォーム」に変更されます。
また、フォームの訪問数、離脱率、完了率、所要時間といったフォームの成績レポートを期間別、項目別、デバイス別で確認できます。
参考:EFOcats | ワンタグを入れるだけで、既存のフォームが「ステップ型フォーム」に。究極のEFOツール「EFOcats」
GENIEE CHAT EFOは株式会社ジーニーが提供するチャット型のツールです。
会話形式でフォーム入力をサポートし、ユーザーのコンバージョンを後押しし、5〜50%のCVR改善に貢献します。
また、入力の途中で離脱しても、再訪問時には入力情報を引き継いだ状態から、フォームへの入力を再開できます
参考:チャットEFOやかご落ち対策ができるチャットボットならGENIEE CHAT
実例からもわかるように、EFOはCVRに直結する施策として高い効果が期待できます。入力フォームを有するWebサイトは必須で行うべき、重要な施策といえるでしょう。
どのようなコンバージョン経路であれ、ユーザーは必ず入力フォームを通過することになります。だからこそ、ユーザーの入力ストレスを軽減したり入力モチベーションを上げることで離脱を防ぎ、スムーズにアクションが完了できるような工夫が必要です。ぜひ、ABテストを繰り返しながら、自社のターゲットユーザーにとってストレスのない入力フォームを目指しましょう。
CVRの伸び悩みを感じている企業は、まずは入力フォームの離脱率や入力完了率に目を向けてみてください。そこでEFOの必要性を感じたら、ぜひ本記事で紹介した離脱要因を振り返り、EFOの実施ポイントを踏まえながら、改善施策に取り組んでみましょう。
Webサイト改善にお悩みはありませんか?
サイト改善に取り組んでいる、あるいは検討しているけれど、「自社にノウハウがない」「施策の打ち手が分からない」「成果が上がらない」といったお悩みはありませんか?
いざサイト改善に取り掛かっても、導入したツールがうまく運用できていなかったり、施策がやりっぱなしで振り返りができておらず、成果に繋がらないケースは少なくありません。
LPOやEFO、ABテストをはじめとしたサイト改善施策では、成果をあげるための適切なKPI設計と施策の検証と振り返りによってPDCAサイクルを回すことが大切です。
そこで、サイト改善のノウハウや次の打ち手にお悩みの方へ、『サイト改善で成果を出すノウハウガイド』をお届けします。これまでKaizen Platformが1,000社・50,000回以上の施策支援から得た実績を元に、サイト改善に活用できるノウハウや成功事例をまとめました。
コンバージョン改善や売上UPを実現したい方、改善の打ち手に悩んでいる、ノウハウがないとお困りの方は、ぜひ参考にしてみてください。