国内外のDX先進事例の紹介に加えて 今年話題となったAIの進化やDX人材育成までを網羅
#DX白書2023
大きな反響をいただいた「#DX白書2022」を大幅にアップデートし、ディズニー等のDXの次に進もうとしている企業の先進事例やそれらを取り巻くAI/Web3などのDXトレンド紹介、そしてDXを推進するための人材戦略まで、検討のヒントになる情報を多数詰め込んだ内容となっております。
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一度は試してみたけど、成果が出ず伸び 悩んでいる方
DX推進のご担当者、事業責任者の方
新規事業や組織改革を担う事業責任者の方
マーケティング担当、Web担当の方
著者: Kaizen 編集部
テクノロジーの進展により、多くの企業がITを活用するようになりました。
営業活動の分野においても例外ではなく、「セールステック」と呼ばれる、営業活動にテクノロジーをかけ合わせたサービスやツールが多くあります。
これにより、業務の生産性を上げ、効率良く営業活動を行うことができます。
現在の少子高齢化による人手不足という限られたリソースの中で売上をアップするためにも、セールステックの導入は必要不可欠です。
今回の記事では、セールステックの特徴から具体的なツールの種類まで紹介します。
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▼目次
セールステックとはITを活用し営業活動を効率化するサービスやツールを指します。
具体的なものとしては、CRM(顧客関係管理システム)やSFA(営業支援システム)、MA(マーケティングオートメーション)などが挙げられます。
これまでは欧米を中心に導入されていましたが、近年の新型コロナウイルスの影響や少子高齢化による労働力不足から、日本国内においてもセールステックの需要が高まっています。
近年日本国内でセールステックを導入している企業は増加しており、市場もそれに比例して大きく拡大しています。
例えば、IDCの報告によると、2021年の国内におけるCRMの市場は前年比13.0%増の1,812億1,800万円となっています。
今後もCRM市場の成長は伸び続けると予測されており、2026年には2,917億9,000万円になると言われています。
※引用:IDC Japan 株式会社「国内CRMアプリケーション市場予測、2020年~2026年」
その他に、MAの導入企業数も右肩上がりに上昇しており、Nexalの調査によると、MAの導入企業数は2018年7月では3,283社であったのに対し、2021年1月には6,866社と2年半の期間で倍以上に増加しています。
※引用:株式会社Nexal「2021年1月 国内58万社 MAツール実装調査」
このように国内においてもセールステックの市場は高まっていますが、海外の市場に関してはさらに進んでいます。
Grand View Researchの調査によると、2019年の世界におけるセールステックの市場規模は22億9,000万米ドル(約3,050億円)でした。2020年から2027年にかけては10.5%の年平均成長率になると予測されています。
特にアジアでのセールステックの成長スピードはとても早く、今後の年平均成長率は14%になるとも予測されています。
※引用:Grand View Research「Sales Intelligence Market Size, Share & Trends Analysis Report By Offering 」
このような流れから、今後も日本においてセールステックの普及はさらに進むと考えられます。
このようにセールステックの需要が高まっている理由には、主に以下の背景があります。
少子高齢化による影響で、労働人口は今後大きく減少すると予測されています。
パーソル総合研究所の調査によると、2030年には労働人口が644万人不足すると報告されています。
※引用:株式会社パーソル総合研究所「労働市場の未来推計 2030」
また、エン・ジャパンの調査によると、最も人手が不足している職種は営業職となっています。
※引用:エン・ジャパン株式会社「人材不足の状況について」
このような営業職の人手不足問題は構造的な問題であるため、根本的に解消するのはどの企業にとっても難しい課題です。しかし、組織の生産性を上げることで対応することも可能です。
例えば、セールステックを用いることで商談の進捗状況や受注率の高い顧客の把握、分析データの自動抽出などを実現できます。
それにより、営業施策を絞り、無駄な行動に時間を使わなくて済むようになります。
このように、今後の労働人口不足を考えると業務を効率化する必要があり、そのためにもセールステックを導入することは必須です。
新型コロナウイルスが流行する前はオフラインの営業スタイルが中心でしたが、コロナの影響で営業活動もテレワークを中心としたオンライン営業にシフトし始めました。
それにより、セールステックの需要が急増しています。
顧客との面談ツールの利用をはじめ、企業の営業活動や実績などのデータを集約することを目的にセールステックを導入する企業が増えています。
デジタルの拡大によりユーザーは多くの情報を取得できるようになりました。
従来のように自社の商品の良さをただ伝えるだけでは、競合他社と差別化ができないため、ユーザー1人1人のニーズや状況に合わせたアプローチを行う必要があります。
そのために、ユーザーの情報を蓄積し、どのようなアプローチをすれば効果的に営業できるかを分析するITツールの導入が欠かせません。
ここまでCRMやSFAといったセールステックを紹介しましたが、他にもいくつかのカテゴリーのセールステックが存在します。
CBInsightsが作成したカオスマップによると、セールステックには以下のように複数のカテゴリーがあります。
※引用:CBInsights「65+ Companies Transforming The Sales Tech Landscape」
今回は、カオスマップに記載されている下記の7つのカテゴリーについて紹介します。
営業加速(Sales Enablement & Acceleration)は、リード獲得から受注までの営業活動を効率化し生産性を上げるツールが含まれるカテゴリーです。
利用することで、営業活動におけるさまざまな業務をデータ化し、分析できます。
このカテゴリーの具体的な例として、SFA(Sales Force Automation)が挙げられます。SFAとは、営業活動支援や業務効率化など、営業担当者のサポートをするツールです。
SFAを用いることで、営業活動におけるプロセスや進捗状況、顧客との関わり方などを可視化することが可能となります。
それにより、顧客情報や進捗状況をリアルタイムで把握・共有でき、個人としてだけでなく、チームとしても結果を出しやすいシステムを構築できます。
また、営業担当者が個別に管理していた情報資産を一元管理できるため、営業全体でナレッジを高めることができ、類似案件への対策や効果的なアプローチの検討が可能です。
営業加速ツールを導入すべき企業
顧客関係管理(General CRM)はその名の通り、顧客情報を管理するツールが含まれるカテゴリーです。
顧客との関係性、コミュニケーションを管理し、自社の従業員と顧客との関係をリアルタイムで一元的に把握できるようにします。
CRM(Customer Relationship Management)がこのカテゴリーの代表的なツールです。
CRMを用いることで顧客情報を一元化できるため、顧客をより深く理解し、営業活動の向上のみならず、サービス、マーケティング、経営戦略などに生かすことができます。
具体的には、顧客名や所在地、連絡先といった基本的な顧客情報に加え、顧客の流入経路や販売履歴、資料を何回ダウンロードしたかなど、幅広い情報を入力・管理できます。
また、商談の内容や進捗状況などを管理できる「商談管理」や、自社と顧客とのやりとりを記録し、管理する「営業活動管理」という機能もあります。
顧客関係管理ツールを導入すべき企業
顧客体験(Customer Experience)は、顧客の体験価値を最大化し、売上の増加を図るツールが含まれるカテゴリーです。
LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)の向上やリピーター獲得のために利用されます。
例えば、Webサイトに訪問したユーザーの訪問回数や流入経路に合わせて掲載する情報を変えたり、ユーザーの行動に応じて適切なタイミングでメールを送ったりするツールがあります。
顧客体験を向上させるカテゴリーには、前述したCRMやMA(Marketing Automation)といったツールが入ります。
MAはマーケティングオートメーションの略で、顧客データを分析してマーケティング施策に活用できるツールです。
ユーザーにあわせて適切なタイミングで情報を発信でき、興味をもちそうな情報をピックアップして提供するため、内容をくわしくチェックしてもらいやすいでしょう。顧客が商品やサービスを求めているタイミングで情報提供でき、顧客体験の向上に役立ちます。
顧客体験ツールを導入すべき企業
カスタマーサポート(Customer Support)は、ユーザーの満足度を高めるためのツールが含まれるカテゴリです。
具体的には、コールセンターやカスタマーサポートなどユーザー対応を行う部署において、電話やメールなどでのお問い合わせへの対応業務を効率化するツールです。
サブスクリプションを中心に需要が高まっており、解約率の上昇を抑えたいときに活用すると効果的です。
代表的なものとしては、カスタマーサポートに寄せられる問い合わせを一括管理する「問い合わせ管理システム」やFAQシステム、チャットボットといった「顧客への回答支援」といったツールがあります。
カスタマーサポートツールを導入すべき企業
コンタクト・コミュニケーション(Contact & Communication)は、ユーザーとの直接的なコミュニケーションを行うためのツールが含まれるカテゴリーです。
チャットツールやビデオチャットツールなどが代表的な例として挙げられます。
新型コロナウイルスの感染拡大により、コミュニケーションツールの導入は急速に進みました。
コミュニケーションツールは年々進化しており、現在ではオンライン上でコミュニケーションをするだけでなく、プレゼン資料の共有や画面に文字などを書き込めるホワイトボード機能など、さまざまな機能が増えています。
コンタクト・コミュニケーションを導入すべき企業
インテリジェンス・解析(Intelligence & Analytics)カテゴリーは、ITを活用して営業上のデータを収集・分析し、その結果をレポートの形でグラフや図表で分かりやすく表現するツールを含むカテゴリーです。
BI(Business Intelligence)がこのカテゴリーの代表的なツールです。
このツールを用いることで、複数の異なるデータを横断し多次元的な分析を行えたり、AIを用いて複数の異なるデータのなかから相関性や法則性を探し出したりといった複雑な領域の分析も可能となります。
例えば、営業の商談の会話を分析し、商談の流れをテンプレート化することで営業メンバーの成長に生かすことができます。
インテリジェンス・解析ツールを導入すべき企業
人材開発・コーチング(People Development & Coaching)は、営業メンバーの教育、育成を行うためのツールが含まれるカテゴリーです。
例としてオンライン教育動画のプラットフォームや営業のロールプレイを評価できるツールが挙げられます。
人材開発・コーチングを導入すべき企業
セールステックの市場は年々拡大しており、導入する企業も増えています。
少子高齢化といった現在の社会情勢を鑑みると、セールステックは今後もさらに拡大すると予測できます。
今回の記事でも述べたように、セールステックには複数のカテゴリーがあるため、自社に合うものを選びましょう。
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