国内外のDX先進事例の紹介に加えて 今年話題となったAIの進化やDX人材育成までを網羅
#DX白書2023
大きな反響をいただいた「#DX白書2022」を大幅にアップデートし、ディズニー等のDXの次に進もうとしている企業の先進事例やそれらを取り巻くAI/Web3などのDXトレンド紹介、そしてDXを推進するための人材戦略まで、検討のヒントになる情報を多数詰め込んだ内容となっております。
国内外のDX先進事例の紹介に加えて 今年話題となったAIの進化やDX人材育成までを網羅
#DX白書2023
大きな反響をいただいた「#DX白書2022」を大幅にアップデートし、ディズニー等のDXの次に進もうとしている企業の先進事例やそれらを取り巻くAI/Web3などのDXトレンド紹介、そしてDXを推進するための人材戦略まで、検討のヒントになる情報を多数詰め込んだ内容となっております。
TikTokに興味はあるもののどうすればいいかわからない方
縦型動画を試してみたいけど、アサイン、ディレクションに対してノウハウが無い方
一度は試してみたけど、成果が出ず伸び 悩んでいる方
DX推進のご担当者、事業責任者の方
新規事業や組織改革を担う事業責任者の方
マーケティング担当、Web担当の方
著者: Kaizen 編集部
顧客体験DXで企業課題をカイゼンするKaizen Platformが、各業界のDXの実践者をゲストに迎え、オンライン開催する「DX Drive2022」。
「日本のDXを加速する。」をコンセプトに、毎回、DXに関連する注目のテーマをピックアップ。ゲストと共にDXの"今"と"リアリティ"を届けるイベントです。
今回ゲストに迎えたのは、NTT西日本にてCX改善プロジェクトのリーダーを務める谷 奈生絵氏。
Kaizen Platformは、NTT西日本が取り組むCX改善の一環として、Web上での顧客体験向上に向けたDXプロジェクトを共同で実施。PMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)として複数プロジェクトを伴走支援しています。
PMOという立場から、Kaizen Platform代表の須藤憲司が、谷氏がプロジェクトを推進する上でぶつかった壁や、どのようにその壁を乗り越えてきたのかを深掘りしました。
本記事では、2022年7月26日(火)に開催されたイベントの内容をお伝えします。
講演者
NTTビジネスソリューションズ株式会社 光ビジネス営業部 担当部長 谷 奈生絵
NTT西日本で、長年光インターネットサービスの普及拡大に向けた営業戦略・企画業務に従事。コールセンタマネジメント等、フロント最前線を経て、現職ではコンシューマ市場におけるデジタルマーケティング、Web-CX・DX推進を担当。
株式会社Kaizen Platform代表取締役 須藤憲司
2003年に早稲田大学を卒業後、リクルートに入社。同社のマーケティング部門、新規事業開発部門を経て、リクルートマーケティングパートナーズ執行役員として活躍。その後、2013年にKaizen Platformを米国で創業。現在は日米2拠点で事業を展開。企業のDXを支援する「KAIZEN DX」、Webサービスやモバイルや動画広告などのUI/UX改善をする「KAIZEN UX」を提供。
著書:
「ハック思考〜最短最速で世界が変わる方法論〜」 (NewsPicks Book)
「90日で成果をだす DX(デジタルトランスフォーメーション)入門」(日本経済新聞出版社)
ーまずDXトレンドについて、須藤さんより解説をお願いします。
須藤:はじめに、DXトレンドに関するクイズを二つ出したいと思います。
一つのことに集中している時間のことをアテンション・スパンと呼ぶのですが、マイクロソフトの調査によると、2000年から2015年の間に平均アテンション・スパンが大幅に落ちていると言われています。
では、集中力が持続できる時間はどのくらいでしょうか?
答えは「8秒」です。金魚の集中力の持続時間は9秒と言われているので、人は金魚よりも集中できる時間が短くなっているんです。
続いてのクイズは、Webサイトで1秒表示速度が遅くなる毎に何%離脱率が上がるか?という質問です。
答えは「7%」です。1秒遅くなる毎に大体7%離脱してしまうので、7秒上がると約50%が離脱してしまうと言われています。
株式会社Kaizen Platform代表取締役 須藤憲司
須藤:この二つのクイズを通して伝えたいのは、デジタルによって人間の認知能力はすごく高まっているということです。
最近ではTikTokのような短尺動画を次々とスワイプしながら視聴するなど、かなり短い時間で情報を判断できるようになっています。
須藤:ビジネスにおいては、デジタルで「商圏」や「陳列棚」といった物理的な制限がなくなっているので、幅広いリーチが可能となりました。
一方で、先程の「8秒」「7%」という数値を踏まえると、短時間でいかに理解してもらえるか、使いやすさを感じてもらえるかといった顧客体験が、企業の競争優位を決める上で非常に重要な要素になってきているのです。
企業側はDXにおいて、どんな施策をやるかなどデジタルでの体験に目がいきがちですが、デジタルの向こう側には生身の人間がいます。それを念頭に、彼らの動きを観察しながらDXを推進していく必要があるのです。
今、デジタル上の顧客接点はすごく広がっています。近年は特にカスタマーサクセスやカスタマーサポートの領域もデジタル化していて、Web-CX(Web上の顧客体験)を、いかに品質を落とさず効率化していくのかがDXの重要な論点になってきています。
須藤:実際にWeb-CXを改善し、事業成長を実現する過程には、3つの壁が存在します。
一つ目は、ノウハウの壁です。何を、どの順番で、どう実行すべきかを設計し、推進できる人材が不足しているという問題です。
二つ目はリソースの壁です。いざ改善活動を続けようとしても、自社の人材が足りずに施策が続かなかったり、ベンダー管理ができなかったりといった問題です。
三つ目はインフラの壁です。古いシステムや、動きの遅いIT部門やベンダーの影響で、やりたい改善活動に手が出せないという問題です。
これら三つの壁をどのように突破していくのか、今回はNTT西日本さまの事例をもとに伺っていきます。
ーここからは、NTT西日本さまの事例をご紹介いただきます。
須藤:現在、セールスマーケ領域では、社内で始まったDXとユーザー起点のCXの接続が求められています。ここで注目すべきキーワードは「カスタマセルフ化」です。
カスタマセルフ化とは、お客さまが自らスムーズにサービスの申し込みをしたり、機能を活用したりできるようにする活動で、コロナ禍で非対面・非接触が浸透したことで加速しています。この点に注目しながら、NTT西日本さまの事例を伺えたらと思います。
谷:まず、CXを推進するプロジェクトを立ち上げた背景からお話しをさせていただきます。
NTT西日本は『フレッツ光』という光回線サービスを販売しているのですが、7年ほど前に、直営の販売チャネルを大幅に縮小するタイミングがありました。
その際に残ったインバウンドのチャネルであるコールセンタとWebサイトも、とにかくコストをかけない方針のもとで運用する状態が5年以上続いていました。
しかし、社会がどんどんカスタマセルフ化、つまりWeb上で何でもできる顧客体験が求められるようになる中で、私たちは全く変わっていない状況に危機感を覚えるようになりました。そして、2020年に幹部陣からCX改善に取り組んでほしいとのことで、プロジェクトが立ち上がりました。
NTTビジネスソリューションズ株式会社 光ビジネス営業部 担当部長 谷 奈生絵氏
谷:プロジェクトでは、さまざまな経路を通じてお客さまをWebサイトに誘引し、Webサイト上でお客さま自身に注文や問い合わせといった機能を完結してもらいつつ、有人対応となるバックヤード業務をできるだけ効率化していくところまでをスコープとしています。
Webカスタマセルフと、コールセンタの応対削減の両輪で、Web-CX強化に取り組んでいます。
谷:プロジェクトは、まず5人のメンバーでスタートし、Web-CXとDXを並行して進めました。
Web-CXの取り組みにおいて、早速立ちはだかったのは、ノウハウとリソースの壁です。
企画途中のサイトリニューアルを引き継ぐところからスタートし、まずはリリースまで至ったのですが、やはりノウハウがない中で進めたこともあり、数字は改善しませんでした。このままでは駄目だと、改めてプロジェクトの目標に立ち返り、ToBe(在るべき姿)とKGIを設定しました。
リソースに関しては、実際にやるべきことが見えた段階で、人数を増やすことにしました。チーム内でのCXに関する知識やノウハウがないといった課題感もあったので、外部の信頼できるパートナーを探して、チームを拡張していきました。Kaizen Platformに依頼したのも、このタイミングです。
一方で、DXの取り組みは、業務効率化など社内のDXは進めていましたが、CX起点でのDX施策は全く無い状況でした。そこから「社内システムがこうだから、お客さまにはこう動いてもらおう」という考え方ではなく、「お客さまが求める体験を考えると、社内のシステムはこうじゃないとだめだよね」という顧客起点の考え方に変え、施策を打ち出していきました。
次に待ち構えていたのは、基幹システムの壁でした。脈々と受け継がれている基幹システムを変えるというのは、非常にハードルが高いものでした。しかし、Kaizen Platformのツールを活用することで、基幹システムの制約を受けることなく施策の検証が進められ、その検証結果を元に開発要件を最適化しながら進めることで、乗り越えることができました。
谷:プロジェクト開始時はSEOやサイト改善などを行っていたのですが、改善効果を最大化するには、集客~サイト改善・システム開発まで、一気通貫で取り組む必要があると考えました。そこで、各フェーズに必要なリソースを集めて打ち手を推進し、改善フローを確立していきました。
進め方としては、KPIに沿った施策になっているかが重要なので、PoCで効果を確認、ブラッシュアップした上で、運用フェーズに乗せるようにしました。
その結果、取り組み開始から1年半で注文数は1.5倍に、問い合わせ数は2倍にまで成長するなどの成果に繋がっています。
申込フォームの数値は横ばいですが、改修の要件定義は完了済みなので、ここからさらに改善していけると思っています。
須藤:施策を実施した領域は、ばっちり成果を上げているということですね。
谷:そうですね。メンバーの自信にも繋がったかなと思いますし、応援してくれる幹部も増えました。
須藤:「あるべき顧客体験から逆算したときに、社内の仕組みをこうしなければいけない」という考えで進めているのが、素晴らしいなと思いました。
谷:プロジェクト名に「CX」が入っているのは、顧客目線で物事を考えて欲しいという幹部からのメッセージが込められているんだと思います。その期待を受けて、本当に求められる顧客体験とは何か?というのをKaizen Platformのノウハウも活用しながら進められたのは良かったなと思います。
須藤:集客~サイト改善・システム開発まで、一気通貫で取り組む必要があると気づいたのは、どういったタイミングでしたか?
谷:消費者の立場で自分たちのWebサイトで手続きをしてみたとき、難しいなと感じたんです。この体験をお客さまに強いているのは良くないなと。
また、カスタマージャーニーを実際に描いて、「お客さまは何を求めているのか?」をチーム全員で出し合ったことも、多くの改善点に気づくきっかけとなりました。
須藤:そこでの気づきを踏まえ、どのように経営層のコンセンサスをとっていったんですか?
谷:もちろん自分たちが試した結果を報告したというのもありました。それに加え、SNSなどを通してお客さまから「使いにくい」というお声をいただいていたこともあり、経営層の中でも、やはり変えなければという機運が高まったのが大きかったです。
ーここからは、5つの質問を通じて、大事なポイントをより深堀りしていきます。
須藤:1つ目の質問です。立ち上げ時に「壁」に直面したところから、幅広い施策を回せる状況までになった最大の成功ポイントは何でしょうか?
谷:先程も少しお話しさせていただきましたが、立ち上げ期はノウハウとリソースがなかったので、社外にノウハウやリソースを求めることで、1つ目の壁を越えられたと思っています。
ここで意識していたのは2点で、1つはチームをコーディネートすること。もう1つは、ただ集めるだけでは機能しないので、チームとして軌道に乗るまで、マネジメントをやりきること。
リーダーの立場で、全タスクを細かく見るのはパワーも時間もかかりました。しかし、軌道に乗ればメンバーに任せられ、次の改善にどんどん軸足を移していけたので、これが成功の秘訣だったのかなと思います。
須藤:人を集めるだけでなく、ワークするところまで段取りを組む、というのはポイントですね。ここまでやらないとうまくいかないと考えたきっかけはあったんですか?
谷:プレイングマネージャーだった頃、メンバーの作業が滞っているのはどうしてだろうと考えたことがありました。そのとき、作業レベルまで入って引っ張っていかないと、経験のないメンバーは自走できないんだと気づいたんです。それ以来、このスタイルでプロジェクトに取り組んでいます。
須藤:作業レベルまで入るとなると、かなりコミュニケーションが必要になると思いますが、どのような点に留意していましたか?
谷:リモートワークならではの難しさもありましたが、初めのうちは規模も小さいプロジェクトだったので、密にコミュニケーションをとっていました。定例会を設定して、「この時間はこのテーマをやる」というサイクルを作ったことで、コミュニケーション不足は解消できました。
また、遠隔のパートナーさんとリアルタイムに情報共有しながら進められたのは、リモートならではの良さでした。会議の目的やアジェンダをパートナーさん含め、全員が認識した上で進められたのが良かったです。
須藤:続きまして、2つ目の質問です。スモールスタートはできる、という企業は多いですが、そこから「大きな取り組み」にまで繋げられたポイントは何でしょうか?
谷:当初から描いていたゴールイメージはありましたが、初めから壮大なゴールを見せるのではなく、小さな成果を積み重ねて信頼を得ることで、「このプロジェクトには投資しても大丈夫だな」と思ってもらえるよう働きかけた点です。
そういう意味では、Kaizen Platformのツールを使ったのは凄く良かったですね。
基幹システムに手を入れずに様々なテストができ、かつ成果を積み上げることができたので、大規模な投資をしても大丈夫だという安心感を与えられたと思います。
須藤:数字で見せるというのは、谷さんが社内を動かしていく際に重要でしたか?
谷:はい。よく、Webの世界ってセンスでしょ、と言われますが、センスって証明できないんですよね。だから「何%改善」と数字を見せることで、かなり説得力は増したと思います。
須藤:ちなみに、大きな投資を獲得するために、小さな成果を出していったとのことですが、逆算型か、積み上げ型か、どのような段取りで進めたんですか?
谷:最初にゴールと期限を設定したうえで、逆算型で進めました。ゴールに辿り着くために、今やれる改善は何か、このタイミングで取りにいくべき投資は何かなどを意識していました。
須藤:結果が出やすいタスクから着手したのか、時間はかかるけどインパクトの大きい結果が出るタスクを重視していたのか、どういう考え方や配分で取り組んでいましたか?
谷:時間がかかるものだけに注力していると、動いていないように見えるんですよね。すると、どうなってるんだ?と言われてしまう。そうすると、それに答えるのにパワーがかかって、本当にやりたいことができなくなってしまいます。なので、インパクトの大きいものは準備を進めつつ、並行してクイックで成果が出せるものに取り組んでいました。
須藤:なるほど。プロジェクト全体の時間軸のコントロールや、成果の見せ方は凄く重要だと思うのですが、谷さんの中で成果が出やすい取り組みと、次の投資を確保する取り組みはどれくらいの割合で考えていましたか?
谷:ここのバランスというのは難しいところなのですが、最初はクイックにやれる部分の割合が大きかったです。人が育っていなかったので、自分がリードしてやるしかなかったというのも理由の1つです。けれど、徐々にワークしだして、任せられる領域が出てきてからは、未来に向けた取り組みの割合を大きくしていきました。
須藤:3つ目の質問です。社内を動かしていく上で、意識されていることは何でしょうか?
谷:まず自分たちの取り組みや進捗を認識してもらうことを優先しました。
特に幹部に向けてのレポートは、かなりの頻度で入れました。報告の中には必ず成果を盛り込み、このプロジェクトはいけそうだと実感してもらえるよう意識していました。
関連する部署に対しては、賛同者を増やすために「CXの目線で考えたとき、こういう世界を目指したい」という情報発信を精力的に行いました。
須藤:幹部の方々にはどれくらいの頻度でレポートを出していたんですか?
谷:初めは月1くらいで新しい案件をどんどん入れて、このプロジェクトは大丈夫そうだなという雰囲気になってきたところで、2ヶ月に1回くらいで大きな動きを入れるようにしました。
須藤:ネガティブなレポートを上げる際、意識されてた部分はありますか?
谷:結果が出てからレポートしようという話も出たんですが、そうすると動いてないプロジェクトに見えてしまうんですね。なので、成果が思うように出てないものは打ち手とセットで報告するようにしました。すると、諦めずにやろうと声をかけてもらったり、アドバイスをもらえたりしたので、高頻度でレポートを上げるのは重要だなと感じました。
期待されているプロジェクトという認識もありましたし、動いていないと良さも伝わらないので、先手先手で報告する。レポートを作るのがしんどかったくらい、積極的に報告していましたね。
須藤:4つ目の質問です。「上手くいくプロジェクト」と「失敗するプロジェクト」を分ける差は何だと思いますか?
谷:自ら描いたゴールに対するコミットメントが重要だなと思っています。
大きなプロジェクトになると、コンサル会社に壮大な絵を描いてもらうことがありますが、自分で決めたわけではないので、達成に向けて本気になるのは結構難しい部分もあると思います。
だからこそ、目指すゴールは自分たちで描いて、絶対に達成すると決めるのが、プロジェクトの成否を分けると感じています。
ただ、やみくもにやっても成果は出ないので、全体構想と連動して施策を設計し、最適なタイミングで実施できれば、成功の軌道に乗れると思います。
須藤:谷さんの中では、自分が腹落ちするゴールを描くことと、コミットしていくことが、両方上手く回っていった感覚でしたか?
谷:そうですね。期限を決めたのも大きかったと思います。人事異動があるので、例えば「5年後にこれをやります」と言っても、自分がいるか分かりません。世の中の流れも早いですし、人事サイクルも含め、3年でやり切るというのは意識していました。
だからこそ自分たちが決めたゴールに対して、自分たちが責任を持って達成するんだという意識を強く持つことができたんだと思います。
須藤:最後、5つ目の質問です。今直面している課題は何ですか?また、今後当社に期待することがあればぜひ教えて下さい。
谷:今直面している課題は2つあって、1つはプロジェクトが大きくなっていて、リーダーという立場で見きれない部分が出はじめていることです。
けれど、Kaizen PlatformがPMOとしてプロジェクトに伴走し、見きれなくなったマネジメントをフォローいただいているので、すごく助かっています。
もう1つの課題は、社内の理屈がお客さまに染み出そうになることもまだまだあるんですね。お客さまが求める顧客体験は何かというのは、外部の方の意見は凄く説得力があるので、これからもKaizen Platformにたくさんの知見をいただけるとありがたいなと思いますね。
須藤:ありがとうございます。このプロジェクトはどんどんスコープが広がっていきますので、そこを補佐できるような形を意識してますし、谷さんの次のリーダーが出てくるよう、よりサポートしていけたらなと思います。
ー須藤さんからまとめをお願いします。
須藤:以前、株式会社ローンディール最高戦略責任者(CSO)の細野真悟氏をお迎えし、「DXで絶対押さえておきたいリーンマネジメント」をテーマに講演会を開催したのですが、そこではリクルートエージェントのDXにおいて1年間で100億円の売上UPを実現させた経験をもとに、DXを成功に導くためのマネジメント手法をお話しいただきました。
今日の事例を伺って、共通点がいくつかあるなと感じました。1つは、体験を損ねている真因を探り、「ITが得意なこと」「人が得意なこと」「人×ITで最大化できること」に分解して対応を考えることがすごく大事だということ。もう1つは、小さな成果を見せながら社内を動かし、取り組み自体を大きくしていくのが重要だということ。
改めて、NTT西日本さまの事例には、DXを成功に導く秘訣が詰まっているなと感じました。ありがとうございました。
ー最後に谷さんから、メッセージをいただけたらと思います。
谷:DXは、社内で利害が反することが多いと思います。「効率化すると人はいらなくなる」「スキルが合わないからやりたくない」など、様々な意見が出てきますが、そこに議論が終始すると、なかなか前に進みません。そうではなく、「お客さまは何を求めているのか?」と顧客起点で考えることが何より大事だと思います。