DX Drive 2021レポート〜Session3#1 ピュアD2Cプレイヤー「Anker」のDX事例から学ぶ、成功するオフライン展開策
2021/05/26 (Wed)
DX Drive 2021レポート〜Session3#1 ピュアD2Cプレイヤー「Anker」のDX事例から学ぶ、成功するオフライン展開策
Kaizen 編集部

著者: Kaizen 編集部

DX

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『DXを流行り言葉で終わらせない』

そのために大事な「成功も失敗も含めたナレッジ」や「業界を超えた人材」の交流を目的として、KaizenPlatformが2021年2月に開催した「DX Drive 2021」。

本記事では、日本企業のDX実装を加速させるべく、業界を超えた実践者が集い、互いの成功・失敗を分かち合った各セッションのレポートをお届けします。


Kaizen DX 導入事例

アンカー・ジャパン株式会社

取締役 COO 猿渡 歩 氏

 

事業内容

モバイルバッテリー等のハードウェアブランド「Anker」からスタートし、オーディオブランド「Soundcore」、ロボット掃除機を中心としたスマートホームブランド「Eufy」、スマートプロジェクターブランド「Nebula」の4ブランドでビジネスを展開。グローバルでの売上は、創業当初の約10億円から、2019年度には約1,050億円と大きく成長しています。


 

スタート時は集客ではなく「選んでいただくこと」に集中

日本における従来のハードウェアメーカーの商品展開方法は、小売店や量販店などに商品を卸し、店頭で消費者に販売する方法が一般的です。一方で当社は、2013年にデジタルを起点に商品展開をスタートしました。特徴的な点は販路展開で、初年度の売上は99%がAmazonでした。なぜこのような販路展開にしたのかと言えば、自社ECを立ち上げて集客に集中するより、すでに人がいるところで‟いかに選んでいただくか”にフォーカスする戦略を取ったからです。

 

Amazonを活用する際、FBA(Fillfullment by Amazon)という仕組みを利用することで、メーカー側でサプライチェーンの構造を組むことなく、システム投資を少額に抑えて販路を立ち上げることができます。当社の内部事情をお話しすると、米国、日本、欧州のすべてにおいてAmazonのオペレーションを同じ仕組みで構築できるため、水平展開がしやすいという点も大きな魅力でした。そこから徐々に、他のプラットフォームや量販店への展開を始め、2018年から自社のオンラインストアや実店舗での販売も開始しました。

 

デジタルからスタートした場合、オフラインや自社ECに展開するタイミングをどのように判断するべきか、と聞かれることがよくあります。販路の選択は商材によって相性が変わるので、オンライン・オフラインの区別は、そこまで重要ではないと思っています。当社が手掛ける充電器などの商材市場の規模は、量販店が最も大きく、続いてAmazon、楽天、携帯キャリアと続きますので、市場の大きいところから順に展開していきました。

 

デジタルから展開して徐々に販路を広めていった結果、創業当初に約10億円だったグローバル売上は、2019年度には約1,050億円と大きく成長することができました。先ほど述べた通り、現在は、Amazonを中心に自社ECも展開中です。自社ECは様々なデータを取得できるメリットがあるため、今後さらに強化していく予定です。

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D2Cの立ち上がりで重要なポイントは、何よりも「製品力」です。特にSNS世代は、GoogleではなくInstagramやTwitterで検索をしてそのまま購入する方も多いため、「製品力」をしっかりと磨き、購入に繋げることが大切です。また、“店頭での棚割”は毎日変わることはありませんが、ECでは販売ランキングやSEOが日々変わっていきます。そのため、経営判断をWeek・Dayの単位でできる体制にすることがとても大切です。

 

実店舗の展開で失敗しない、目的の定め方

日本市場においてオンラインのみで展開する場合、売上の規模として10億円程度までは伸びる可能性がありますが、100億円を目指すのであれば、オフライン展開もしていくべきだと思います。

 

実店舗の運営で大事なポイントは、「何を目的にするのか」です。目的を販売チャネルの拡大にしてしまうと、ECとは違って人件費や家賃がかかるため、利益率の低いチャネルとなってしまいます。例えば、PR効果や、ECでは取れないデータの取得など、何を求めるのかをしっかり設定することが大切です。

 

当社の場合、充電器などの単価が数千円の商品は「レビューが良いから購入に繋がる」ケースもありますが、ロボット掃除機やプロジェクターなどの数万円の商品では、それだけですぐ購買に至らない場合もあります。特に、アーリーマジョリティ層にまでパイを広げると、実店舗で商品を見てから購入を検討する方々も多くなります。また、オフラインで見てからオンラインで購入することも考えられるので、それらも含めた導線設計を考えています。

 

また、‟認知”の獲得は、どうしてもプロモーションに寄りすぎてしまうため、スタートアップにおいては売上と利益にフォーカスを当てるべきだと考えています。チャネルを増やせば足し算的に売上は伸びていきます。そして、販路が増えることは、‟認知”の向上に繋がります。CMを打たなくても、Amazonで1位を取ることで認知されることもありますし、売ることこそがマーケティングになるのです。ECにおいて、コンバージョンを上げてからセッションを増やすのが良いとされるのと同じで、ある程度リテラシーの高い方にリーチできたら、さらにファネルを増やす取り組みをしていくことが重要です。

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