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2022/04/14 (木)
AIDMAモデルに並ぶ新しい購買プロセス|傾向と対策、活用法とは

著者: Kaizen 編集部

AIDMAモデルに並ぶ新しい購買プロセス

消費者の行動に沿ったマーケティングを行ううえでは、消費者の行動や心理を理解しておくことは重要です。
消費者行動のパターンをモデル化したものの一つにAIDMA(アイドマ)があります。購買に至るまでの消費者の心理的プロセスを理解することで、現在の消費者がどのような状態にいるのかを把握し、状況に合わせた施策をおこないます。

本記事では、AIDMAの概要から活用例について紹介します。

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AIDMAとは

AIDMAとは
AIDMA(アイドマ)とは、消費者視点で、認知から購入に至るまでのプロセスを5段階に分けて表して購買行動モデルです。1920年代にアメリカの著作家であるサミュエル・ローランド・ホール氏によって提唱されました。

購買行動モデルはAIDMAが提唱された後に、AISASやSIPS(シップス)などさまざまなモデルが登場していますが、AIDMAは購買行動モデルの中でも汎用的なモデルとされひな形として扱われています。

AIDMAは5段階の購買プロセスの頭文字をとったものです。

A(Attention):認知・注意
I(Interest):興味・関心
D(Desire):欲求
M(Memory):記憶
A(Action):行動

AIDMAにおける3つのプロセス
AIDMAは、大きく分けて3つのプロセス(「認知段階」「感情段階」「行動段階」)に分類をできます。

認知段階は、商品やサービスの存在を知っている段階を指し、AIDMAの「A(Attention):認知・注意」を含みます。
例えばテレビCMや雑誌、インターネット上で広告や口コミ、プレスリリースなどを見て商品について知るという段階です。

感情段階は、商品やサービスについて好きか嫌いか、使ってみたいかどうかを判断する段階で、AIDMAの「I(Interest):興味・関心」「D(Desire):欲求」「M(Memory):記憶」を含みます。

行動段階は、興味を持った商品を購入したり使用したりする段階で、AIDMAの「A(Action):行動」を含みます。

購買プロセスを分類することで顧客が現在どの段階にいるのかを見極められます。顧客の段階を見極めると、顧客の状態に応じた目標設定や媒体の選定、コミュニケーションの仕方を検討でき、最適なコミュニケーションへとつながります。

AIDMAの段階に応じたマーケティング目標や媒体例
下記の表ではAIDMAの心理段階や消費者の心理状態、コミュニケーション目標、アプローチ媒体などを分類しました。
各プロセスにおける目標や最適な媒体の違いをみていきましょう。

AIDMAの段階に応じたマーケティング目標や媒体例 認知・注意の場合、心理は認知段階、消費者の心理状態は知らない、コミュニケーション目標は認知向上。媒体例はテレビCM、雑誌、インターネット上の口コミなど。 興味・関心の場合、心理は感情段階、消費者の心理状態は知っているが興味はない。コミュニケーション目標は評価育成、媒体れは広告、パンフレット、口コミなど。 欲求の場合、審理は感情段階、消費者の心理状態は興味があるが欲しいとは思っていない。コミュニケーション目標はニーズ喚起、媒体例は広告、パンフレット、店舗販促、口コミなど。 記憶の場合、心理は感情段階、消費者の心理状態は欲しいと思うが購入動機がない。コミュニケーション目標は記憶の呼び起こし、媒体例はリターゲティング広告、DMなど。 行動の場合、心理は行動段階、消費者の心理状態は購入動機はあるが購入に至っていない。コミュニケーション目標は購入機会の提供、媒体例は店舗販促、ネット販売、割引キャンペーンなど。

AIDMAは古い?購買行動モデルの変化とは?
購買行動モデルはAIDMAが提唱されて以降、AISASやSIPSなど多様な行動モデルへと変化しています。
これにはインターネットの普及による顧客行動の変化と広告過多が関係しています。

例えば、友人がSNSでシェアしていた美味しそうなご飯の写真を見て、自分も足を運んだことがある方も多いのではないでしょうか。足を運ぶ前に自身が行った行動を振り返ってみると、シェアしていたお店について詳細や場所、口コミを調べてはいないでしょうか。
この行動を振り返るだけでも、友人のシェアが購買決定に影響を及ぼしていたり、購買前にそのお店についてインターネットで詳細を調べたりという行動があることが分かります。

このようにAIDMAのモデルでは現代の行動モデルを説明することが難しくなっており、インターネット上でのシェアや拡散、共感などを行動モデルの中に取り入れる必要がありました。
そこで2000年代以降にAISAS(アイサス)やSIPSなどの概念が生まれました。

AISASの行動モデルに関してはこちらの記事で詳しく解説しているので、より詳細を知りたい方はぜひご覧ください。

なお、それぞれの行動モデルは下記の通りです。

【AISASのプロセス】
A(Attention):認知・注意
I(Interest):興味・関心
S(Swarch):検索
A(Action):行動
S(Share):共有

【SIPSのプロセス】
S(Sympathize):共感する
I(Identify):確認する
P(Participate):参加する
S(Share & Spread):共有・拡散する

検索数を増やすにはWEB・動画を用いたキャンペーンを活用してみる
AIDMAモデルの変化により、認知後には検索してサービスや商品について知る流れが一般的となってきています。
AISASの最初のSは検索を表していますが、検索数をあげるためには、WEB・動画を用いたキャンペーンをおこなってみるとよいでしょう。
今回はYouTube動画広告を例にご紹介です。

幅広い女性から支持をうけるファッションブランドを展開しているANAP社では、動画広告を活用し、結果として指名検索が640%増加しています。
ANAP社は認知拡大を目的として、ターゲット層が多くいるYouTubeにてインストリーム動画広告を運用しています。もともと新規獲得に課題感を持っており、インターネット経由での集客をはじめました。

自社内には動画制作の専門部隊がなかったため、制作はサポート体制が心強くスピード対応してもらえることをポイントにKaizen Adを選んでいます。

こだわったポイントは、「ファーストインプレッションでブランド名を入れる」ということと「多くのコーディネート例を出す」の2点があります。
インストリーム広告は5秒でスキップできるため、最初に伝えたいメッセージを出し、その後は取り扱い商品やプライスがしっかりと分かる構成にしています。また、画面の切り替え頻度を高くすることで、視聴者を飽きさせない工夫をしています。

認知拡大の広告は効果を出すのが難しいですが、結果として新規会員録者数は月平均と比較して120〜130%ほど上昇し、新規購入者数の平均は15%でしたが、現在ではおよそ5%ほど増えて20%ほどとなりました。
また、直近のブランド効果のレポートでは自然検索率がなんと640%増加と、動画広告を活用したことで非常に高い効果を得られています。

動画広告の運用期間は1ヶ月間で、コストも約500万円のため、非常に費用帯効果の高い施策であるといえます。

▼事例の詳細は下記のURLからご確認いただけます。
動画広告で指名検索は640%増加も。オンラインとオフラインの両立を目指す、ANAPの新戦略

AIDMAの活用例

AIDMAの活用例:再春館製薬「ドモホルンリンクル」
AIDMAの購買行動モデルを活用して成功した事例の一つに再春館製薬の「ドモホルンリンクル」があります。お昼のCMでよく流れてくるためご覧になったことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

プロモーション手法としては、テレビCMで商品のPRをおこない、無料お試しセットに申し込んでもらうというものです。

分かりやすくAIDMAのプロセスで考えてみましょう。AIDMAの活用例:再春館製薬「ドモホルンリンクル」の表 認知・注意の場合、企業の対応はテレビCMで「ドモホルンリンクル」について商品PRを実施し、認知向上を狙う。消費者の感情「ドモホルンリンクルのCMを最近よく見るな。年齢肌によい商品なのか。30代以上だと肌にあった商品を使ったほうが良さそうだな。」 興味・関心の場合、企業の対応は新聞に折り込みチラシを入れ、理解度を深めてもらう。消費者の感情「その間CMで見た商品だ。こんな成分使ってるのね。なんかよさそう。」 欲求の場合、企業の対応は無料お試しセットの申込を誘導する。消費者の感情「合うかどうかわからないし、値段も高めだから無料ならまずはサンプルを使ってみようかな。」 記憶の場合、企業の対応は無料お試しセットを使った人にお得な期限付きキャンペーン情報をDMで送付する。消費者の感情「あ、これこの間無料お試しセット使ったやつだ。忘れていたけどよかったし、お得なうちに申し込もうかな。」 行動の場合、企業の対応はオンラインで簡単注文できるようにする。消費者の感情「化粧品はある程度使わないと効果が分からないから、注文しちゃおう。」

このように、再春館製薬の「ドモホルンリンクル」は消費者の状況ごとに最適なマーケティングを行えているため、認知で終わらず購入というプロセスまでしっかりと消費者を誘導できています。

購買行動に広告が与える影響について
認知してから購買に至るまでのプロセスにおいて重要なのは、認知段階のAttentionから行動段階のActionまで心理状態を進めることです。通常は商品を購入するうえで、本当にお得か?他にいい商品はないか?と葛藤をする消費者が多く、認知をさせても購入に至らないケースが多いです。

この葛藤を防ぐために、限定感や希少感を打ち出す手法があります。例えば「最後の一点」「今日までの限定販売」「週末のみセールで10%オフ」という文言を見たらその商品に興味がなくても衝動買いをしてしまうという方も多いのではないでしょうか。これは認知段階のAから行動段階のAまで心理状態を一気に進めていることが要因です。

このように感情段階から行動段階へ誘導するのには、広告が非常に有効な手段の一つです。
情報量を多く持つ動画広告であれば興味を引いて購買するまでの心理プロセスに沿ったストーリーにしてあげることができ、広告を見ている間で認知段階から行動段階へ一気に持っていくことができます。

購買モデルをもとに広告の設計をしてみるとより成果に結びづくでしょう。

まとめ

AIDMAは、購買行動モデルの一つで、心理プロセスに沿ったマーケティング戦略につながります。
重要なのは、顧客がどの段階にいるかを把握して、その状態に沿ったマーケティング施策を実施すること。
ぜひAIDMAの購買モデルを参考にマーケティング施策を練ってみてはいかがでしょうか。

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