1948年に創業して以来、自動車部品メーカーとして人とクルマがともにある社会の発展に貢献してきた株式会社東海理化。
このたび、Kaizen Platformでは同社より新しくリリースされた、法令上必要なアルコールチェックや社用車の予約等をクラウド上で一括管理できる社用車管理サービス「Bqey(ビーキー)」のマーケティングプロジェクトをご支援させていただきました。
そこで今回は、同社にて「Bqey」のマーケティングを担当されている飯田様、そして本案件を担当したKaizen Platform 多田を交え、Kaizen Platformへご相談いただいたキッカケや背景、また取り組みにおける感想や効果について伺いました。
テクニカルな提案ではなく、「誰のためにやるのか」という本質的なご提案をいただけたことが依頼の決め手
Kaizen多田:あらためて、Kaizen Platformにご相談いただくに至った背景として、どのような課題感をお持ちであったのか教えていただけますか?
飯田:もともと弊社は70年以上続く自動車の部品メーカーで、自動車の鍵や内装部品を得意としている会社です。そうした中、クラウドと連携した鍵の開け締めができる技術を開発、TOKAIRIKA DigitalkeyⓇ事業として展開していまして、社用車の管理システムとしてサービス化したのが「Bqey」でした。
ただ、これまで自動車の部品メーカーとしては既存顧客とのお取引が中心で、新規で顧客開拓をするということを行ってきていませんでした。そのため、「Bqey」をローンチしたものの、新規顧客獲得のノウハウもなく、どのようにマーケティングを進めていけばいいかもわかっていない状況だったんですね。
そこで外部のパートナーにお力添えをいただく必要があると感じたことが、今回ご相談させていただいた背景でした。
東海理化 飯田様
Kaizen多田:どういった点が、最終的にKaizen Platformにご依頼いただく決め手となりましたか?
飯田:まずは短期的な戦略としてテレアポを中心に動いていたのですが、中長期的な戦略としてWebでリード獲得をしていく仕組みをつくりたいと考えていました。
そこで、もともとあったLPの改修を外部に依頼しようと考えており、複数社からご提案をいただいたのですが、どこも「ページ構成をこうしましょう」といったテクニカルな話ばかりで、漠然とそれでうまくいくのだろうかという疑問を抱いていました。
そんなときに、たまたまウェビナーで知ったのがKaizen Platformでした。そして実際にKaizen Platformにもご提案をいただいたのですが、「そもそもターゲットは誰だか理解していますか?」といったお話をいただいたり、「誰に(WHO)、何を(WHAT)、どうやって(HOW)」といったことを踏まえた上でのご提案であったため、非常に腑に落ちる内容だったことをいまでも覚えています。
ただLPをどう改修するかという話ではなく、そうした顧客の解像度を上げていくことから支援いただけることに安心感を感じられたことが、最終的にKaizen Platformを選んだ決め手でした。
プロジェクトを通じて、「それは誰が喜ぶのか」という視点を持って議論することが当たり前になっていった
Kaizen多田:LP改修というオーダーではありましたが、顧客の解像度を高めるべく、まずはデプスインタビューからスタートしていきました。「Bqey」を実際に導入している企業に対して、そもそも何に困っていたのか、「Bqey」をどこで知って、何が決め手だったのかなどを深くヒアリングさせていただき、そこからペルソナの策定、購買プロセスの整理、カスタマージャーニーの策定を進めていきました。
一方で、こうした上流設計に時間をかけすぎないというのも重要だと考えています。なぜなら、整理することがゴールなのではなく、そこから改善していって結果を出すことがゴールだからです。そのため、ペルソナ策定などは1ヶ月ほどでまず策定し、進めていく過程で必要があれば変えていくという進め方を大切にしました。
なお、デプスインタビューはKaizen Platformだけで進めるのではなく、飯田さんにも同席いただいて、お客様の生の声を一緒に聞いていただきましたね。実際にお客様の声を聞いてみて、いかがでしたか?
飯田:いつどこのフェーズであっても、お客様を深く知るということ、お客様の声を聞くということは非常に大事だと感じましたし、プロジェクトを通じて一番の学びでもありました。
というのも、これまでは自分たちの視点だけでサービスを批評し、「このシステムはここが足りていない」「これでは顧客には満足してもらえない」などと思うこともありました。
しかし実際にお客様のお話を伺うと、我々が物足りなさを感じていたシンプルな設計が、逆にお客様には使いやすいと喜ばれていたりと、自分たちとお客様の考えに乖離があることを強く実感しました。
そうした乖離がある状態でマーケティングを進めてしまっては、当然ですが誰にも届きませんし、顧客獲得に繋がる結果は生まれていきません。そのため、現在では顧客インタビューからペルソナ、カスタマージャーニーの策定というのを自分たちでも行うようにしていて、すでに何度か組み直していたりします。
実は、もともとペルソナ自体も策定していませんでしたし、どう策定するべきかも正しくは理解していませんでした。また、Kaizen Platformが大切にされている「WHO、WHAT、HOW」という視点で組み立てるという考えも、いまでは社内の共通認識になっていたりもします。
たとえば何か企画アイデアが出たときに、WHOに立ち戻り、「それは誰が喜ぶのか」ということを議論したりと、Kaizen Platformと一緒にやっていたプロセスをいま自分たちでもやるようにしています。
Kaizen多田:実際にプロジェクトを進めていく中で、期待通りだったことや期待以上だったことは何かありましたか?
Kaizen Platform 多田
飯田:「Bqey」は社用車管理というニッチな市場のサービスで、ターゲットである総務部の方々の何を具体的に改善するのか、また顧客目線でのサービスの使用感はどうかといったことを理解することが難しかったりします。
しかしKaizen Platformは実際にサービスにログインしていろいろと触っていただき、その上でサービス全体の課題感から価値訴求に落とし込んでくれたことは期待以上でしたし、そこまでしてくれるパートナーはKaizen Platformだけでした。サービスに真摯に向き合っていただけたことは、非常にやりやすかったですし、ありがたかったです。
Kaizen多田:どのプロジェクトでもそうですが、「自分がBqeyのマーケティング責任者だったらどうするか」といった視点を持つことを大切にしていて、今回もいろいろと情報を伺いながら、サイト制作やマーケティング設計以外でもどうすべきかを一緒に考えさせていただきました。
また、「WHO、WHAT、HOW」という視点で組み立てていく際に、HOWの部分でKaizen Platformが得意とする領域とそうでない領域が当然あります。
実際に今回のプロジェクトでは、SEOの領域で私たちが信頼しているパートナーを巻き込んで進めていきましたが、自分たちだけでやるということにこだわらずに、いかに事業を成長させるか、どうすればお客様に価値提供できるかという視点を大切にしています。
CV数も大きく改善され、事業成長を実現。自走する組織をつくれなければKaizenとしての介在価値はない
Kaizen多田:あらためて、今回のプロジェクトを通じて実際にどのような成果が表れているか教えてください。
飯田:CV数は前年対比で500%増と、非常に良い成果に結びついています。特にSEOに関しては、昨年度は自然検索の割合がトラフィック全体の3%程度だったのが、現在は74%超と伸びており、前年対比で大幅に改善されました。
そのため、以前までは社内でも「テレアポで商談数を増やすしかない」といった考えだったのですが、いまではWebでどうリードを獲得していくかという思想に変わってきているのは、大きな変化でした。
そして今回、本当に何もノウハウがないところからのスタートであったため、根本的に大切にすべき思想を学べたことも成果のひとつだと感じています。どの施策を展開するにしても、Kaizen Platformと一緒に進めて染み付いた、ターゲットは誰で、何に喜ぶのかといったことを常に考えられるようになりました。
すべてを丸投げ状態でKaizen Platform側で進めるのではなく、私たちも巻き込んでいただき、一緒にやらせてもらえたからこそ、「あのときこうやったな」と自走できる状態になれたことは本当に大きな価値だと思っています。
Kaizen多田:ペルソナ策定においても1回つくって終わりというものではなく、事業フェーズによってペルソナは変わっていくため、何度も繰り返されるものです。
そのため、私たちがいなくてもペルソナ策定ができるようになってもらうために、インタビューに同席してもらったりもしましたし、自走する組織をつくれなければKaizen Platformとしての介在価値はないと考えています。
今回、最終的な成果はもちろん、そうしたプロセスにおけるノウハウも提供させていただき、実際に活用いただいて事業を推進されているということを伺い、とても嬉しく思っています。最後に今後の展望を教えてください。
飯田:弊社では「Bqey」の事業をはじめとする新規事業分野において2030年度に150億円の売上達成を目標としており、そのためにはいま以上に多くのお客様に「Bqey」の提供を広めていく必要があります。
そのため、組織としても今後大きくなっていく中、今回ご支援いただいた内容をしっかりと自分たちのナレッジとして蓄積し、さらにこのナレッジを進化させて推進していくことで、マーケティング全体の活性化に繋げていければと考えています。
そして現在カスタマーサクセスの領域でもKaizen Platformにご支援いただいておりますが、まずはこのプロジェクトを成功させ、集客からカスタマーサクセスまでの一連の流れを強化していければと思っていますので、今後ともよろしくお願いいたします。
Kaizen多田:私自身、これからもBqeyメンバーの一員として、事業をどう伸ばすかという視点でお取り組みさせていただければと思っていますので、引き続きよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました!