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2024/06/21 (金)

株式会社足利銀行様

フォーム改善で申込み率は最大173%増に。関係各所と合意形成のハブとなり、スムーズなプロジェクト進行を実現

著者: Kaizen 編集部

  • 業界
    金融
  • 職種
    • 経営/事業戦略/推進
  • 課題
    • DXで既存事業の変革
  • サービス
    • UX改善
「世界をKaizenする」をミッションに事業を展開しているKaizen Platformがお届けする「世界をKaizenしている人」に注目した本連載。

足利銀行様

栃木県宇都宮市に本店を置き、近年は「足利銀行アプリ」リリース含め、積極的にデジタルでの取り組みを行う株式会社 足利銀行。このたび、Kaizen Platformでは足利銀行様のLPおよびフォーム改善プロジェクトをご支援させていただきました。

サイトに訪問したお客様にいかに最終的なコンバージョンにまで到達していただくかが課題としてあった同社。しかし、フォームに関しては自社のものではなく、保証会社のフォームであったことから、これまではなかなか改善施策にまで踏み込めなかったと言います。

そこで今回は、足利銀行 ローン事業部 企画グループ 次長を務める手塚様、同グループ 部長代理を務める野澤様、長岡様、そして本プロジェクトを担当したKaizen Platform 吉村を交え、どのようにLPおよびフォーム改善を進めていったのか、改善施策における成果、またKaizen Platformを選んでいただいた理由含めて振り返りました。

 

「他社のフォームである以上、できることが限られていた」申込みに至るまでの離脱率をいかに改善するかが課題に

 

吉村:あらためて、Kaizen Platformにご相談いただくに至った背景として、どのような課題感をお持ちであったのか教えていただけますか?

 

手塚:無担保ローンのWEB完結サービスをはじめ、近年当行ではお客様がシンプルな操作でお取引ができるよう、UI/UXの改善に力を入れ始めました。そうした流れで、オンラインでの施策改善にも取り組む中、サイトに訪問したお客様にいかに最終的なコンバージョンにまで到達していただくかが課題としてありました。

たとえば今回ご相談させていただいたフリーローンやカードローンといった商品に関しても、最終的な申込みに至るまでに、多くのお客様がサイトから離脱していました。

特に離脱ポイントとなっていた申込みフォームは、当行独自のフォームではなく、保証会社のフォームを用いています。そのため、当行ではフォームのどこで離脱しているのかなどが計測できず、フォームの改善もできない状況でした。

そこで何か打ち手はないかと思い、Kaizen Platformに相談させていただいたというのが今回の取り組みに至った経緯でした。

 

足利銀行 手塚様

足利銀行 手塚様

 

吉村:外部パートナーを比較検討される際に、どういった点が最終的にKaizen Platformにご依頼いただく決め手となりましたか?

 

長岡:もちろん、すでにお付き合いがあった企業含めて比較検討をさせていただきましたが、Kaizen Platformは金融業界の改善実績があること、また保証会社との繋がりもお持ちであったことが大きなポイントでした。

実は御社にご相談するまで、保証会社のフォームだからこそ、他の提携行との兼ね合いもあるため、そもそもフォーム改善はできないものだと思い込んでいました。しかし、Kaizen Platformが直接保証会社とやり取りいただき、保証会社側とも連携を取って進めていただけるというのが大きく、スムーズなプロジェクト進行ができそうだと思えたことが決め手でした。

 

足利銀行 長岡様

足利銀行 長岡様

 

Kaizenが関係各所との合意形成のハブになることで、スムーズなプロジェクト進行が実現できた

 

吉村:今回フリーローンとカードローンのフォーム改善に取り組ませていただきましたが、フリーローンの方では初回にメール認証を挟むため、フォームに辿り着くお客様はすでに申込み意向が高く、もともとCVRが高い状況でした。そこでデザイン改善、および入力しやすい仕様への改善をご提案。

一方でカードローンに関しては、メール認証がなくCVRもフリーローンと比較して低い状況でした。そこでフォームをステップ式に変更し、初回項目の入力に繋がりやすい設計をご提案させていただくなど、ユーザー視点、またコスト含めたリソース状況を鑑みた上で、それぞれご提案させていただきました。

なお、今回保証会社含めて関係者の方々も多いプロジェクトであったため、実際の改善プロセスにおいては、各関係者への合意を得て実装していくということを意識して進めさせていただきました。

 

実際の改善イメージ

実際の改善イメージ

 

野澤:保証会社のフォームである以上、当行だけでなく、保証会社への確認も必要になりますから、いろいろと合意形成が大変だろうと懸念していました。

実際に、過去にも保証会社と連携する必要のあるプロジェクトがあったのですが、そのときは当行が保証会社とベンダーの間に入る必要がありました。そのため、たとえば保証会社から何かシステムに関わる質問を受けた場合、同じ質問を私たちがベンダーに確認するという手間がどうしても発生していたんですね。

しかし、今回Kaizen Platformが当行および保証会社の間に立ってプロジェクトを進行いただき、合意形成のハブになっていただけたため、非常にスムーズに進めることができたと感じています。また、スケジュール管理もしっかりされていて、常に状況を把握することができたため、安心してプロジェクトを進めることができました。

 

足利銀行 野澤様

足利銀行 野澤様

吉村:やはりフォーム改善というのはシステムに影響する部分であるため、我々も常に慎重に進めるよう意識しています。特に関係者間で認識齟齬があり、プロジェクト途中で急な仕様変更が発生してしまうと、インシデントリスクが高まりかねません。

そのため、常にどういった仕様で進めるのかを各関係者に確認し、万全な合意形成のもと進めていきました。

また、銀行のフォームというのは入力項目が多く、なかなか項目自体を削ることができないため、ユーザーの入力負荷をいかに軽減するかも意識したポイントです。

たとえば、申込者が誰なのかという質問に対して「本人」「家族」「その他」といった選択肢がある場合、基本的にはご本人による申込みが多いでしょうから、デフォルトで本人が選択されている状態にすることで入力の手間を省くなど、より次のステップへと進みやすい設計へと改善していきました。

 

野澤:今回の取り組みを通じて気付かされたのが、固定観念から気にも留めていなかったことがフォームにおいて多くあったということでした。

たとえばフォームの中で申込者の保険種別を選択する項目がありますが、我々からしたら何ともないことでも、お客様視点に立つと「自分の保険種別がどれかわからない」ということは往々にしてあることで、離脱のキッカケになってしまっていました。

また、保証会社側で必要だろうと思っていた入力項目も、今回の取り組みで確認したところ、必須項目ではないということがわかるなど、これまでのレギュレーションが必ずしも絶対守らなければならないものではないということがわかりました。

そうした発見が得られたのは、Kaizen Platformが客観的でフォームを見直していただき、また保証会社との連携を取っていただけたからこそ。あらためて固定観念を疑い、お客様視点に立ってユーザー導線を見直すことの重要性を気付かされました

 

イラスト起用でCVR改善。LPのA/Bテストを通じて、ユーザーごとに動きの違いがあるなど、発見の連続だった

 

吉村:今回のプロジェクトではフォームだけでなく、LPの改善にも取り組ませていただきました。LP改善に関しては、自然検索で流入するケースと広告から流入するケースでは、提供すべきユーザー体験が異なります。そこでまずは流入経路を分析させていただき、それぞれの流入経路に対してどのようなLPにすべきかをご提案させていただきました。

特に広告経由の場合、流入したユーザーの90%以上が離脱するとも言われているため、少しでも長くLPに滞在してもらい、離脱を防ぐ施策が求められます。そこで今回実施したことのひとつが、お借入シミュレーションの改善でした。

もともとシミュレーション自体はありましたが、より簡単に利用してもらえるよう2項目で診断できる形へ変更。またファーストビューに表示させることで、ネクストアクションを誘発する見せ方へと変更していきました。

 

長岡:いろいろとA/Bテストをしていただきましたが、驚きの連続でした。たとえば、女性向け商品のLPにおいて、もともとジェンダーレスなデザインだったのですが、A/Bテストでは女性向けだとパッと見てわかるようなデザインへと変更いただきました。その結果、よりお客様の中で自分ゴト化できたようで、CVRが大幅に改善。

また、女性向けLPの場合はCTAをファーストビュー直下に配置したほうが遷移率が改善されたりと、ユーザー属性ごとにLP内でのアクションが異なるということは驚きでした。

 

野澤:また、デザインの重要性も再認識させられました。たとえば、シミュレーション後に表示されるバナーにおいて、テキストだけのデザインから、喜びを表現している人物のイラストを配置することで、お申込みへの遷移率が改善

また、フォームにおいても上部に申込みステップを配置し、さらに当行キャラクターのモシカくんを使っていただきましたが、「まさかモシカくんがここで使われるなんて」と私たちの中でも想定していないことでした。

しかし、ただかわいいからモシカくんを使ったという話ではなく、ローンの申込みという、どうしてもお客様が気構えてしまうものに対して、そうしたイラストを起用することでお客様の心理的負担が軽減され、実際に最終的なコンバージョンに繋がるのだという発見がありました。

 

実際の改善イメージ

フォーム改善によって申込み率は173.5%増を実現。デジタル領域のノウハウが蓄積されたことも大きな成果のひとつ

 

吉村:お取り組みを通じて、どのような成果が表れているか教えてください。

 

野澤:カードローンの申込みフォームに関しては、最終的に申込み率が173.5%改善、CVRは取り組みを通じて約10%向上しています。CVRを10%上げるというのを広告施策だけで実施するのは非常に大変であるため、あらためてフォーム改善に取り組むことができてよかったなと実感しています。

そしてフリーローンのLP改善においても、LPからフォームへの移行率は約150%という改善率を実現できました。

さらに広告パフォーマンスが高まったことでCPAが改善されるなど、良い循環が生まれています。

 

長岡:今回、第三者視点でいろいろと改善いただき、我々が持っていた固定観念を取っ払うことができたことも成果のひとつ。今回のフォームでこれができるなら、別のフォームでもできるのではないかなど、お取り組みを通じて改善できる幅を広げていけるマインドセットを持てたと感じています。

 

手塚:やはり自分たちだけでこうした改善プロジェクトを進めていこうとすると、どうしても個人の主観が入ってしまいかねません。しかし、プロの方の意見をもらいながら客観的な視点で進められたことで、本当に多くのことを学ばせていただき、デジタル領域における知見やノウハウが溜まっていったことは、定量的では計れない大きな成果だと考えています。

そして、プロジェクトを進めていくにあたり、いろいろと相談しやすい雰囲気をつくっていただけたからこそ、様々な改善に取り組むことができました。

 

吉村:私自身も、ゼロリセットでやるということを大事にしています。やはり、こうしたLPやフォーム改善はユーザー視点に立つことが重要で、たとえばパソコンのモバイルビューとスマホで実際に操作するのでは操作感が異なるため、まずはユーザー目線に立って実機でフォームを触ってみて、やりづらいところを洗い出していくんですね。

今回のプロジェクトにおいても、そうしたユーザー視点に立って改善ポイントを見つけられたからこそ、成果に繋げていくことができたと考えています。

また、プロジェクト自体も楽しいほうがいいと思い、みなさんが少しでも楽しんでもらえるよう資料にモシカくんのイラストを使わせてもらったりしましたが、私自身楽しい雰囲気でプロジェクトを進めさせていただき、とても感謝しています。

最後に、今後の展望およびKaizen Platformに期待していることがあればぜひお聞かせください。

 

Kaizen Platform 吉村

Kaizen Platform 吉村

 

野澤:デジタル領域はトレンドの変化が早く、常に改善が求められるものだと思うので、今回の商品だけでなく、他の商品でも最適な形に改善していく必要があると思っています。そのため、フォームはもちろん、その他のクリエイティブの部分でも引き続き知見をいただければと期待しています。

 

手塚:やはり、もしやってみて結果が良くなければ戻せばいいわけで、固定観念で「できないだろう」と諦めてしまい、何もやらないというのが一番良くないことだと思っています。

そのため、今回の結果を踏まえて、いろいろな改善に挑戦していきたいと考えていますし、扱っている商品自体は他にも多くあるため、これからも知見をいただきながら、他のフォームやLP改善に取り組んでいきたいと考えています。


吉村:今回改善の成果が如実に現れていましたので、他のフォームやLPにおいてもぜひ改善を進めていきたいですね。本日はありがとうございました!

 

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