デジタルマーケターの方向け
お役たち資料 限定公開中

国内外のDX先進事例の紹介に加えて 今年話題となったAIの進化やDX人材育成までを網羅

#DX白書2023

大きな反響をいただいた「#DX白書2022」を大幅にアップデートし、ディズニー等のDXの次に進もうとしている企業の先進事例やそれらを取り巻くAI/Web3などのDXトレンド紹介、そしてDXを推進するための人材戦略まで、検討のヒントになる情報を多数詰め込んだ内容となっております。

デジタルマーケターの方向け
お役たち資料 限定公開中

TikTokに興味はあるもののどうすればいいかわからない方

縦型動画を試してみたいけど、アサイン、ディレクションに対してノウハウが無い方

一度は試してみたけど、成果が出ず伸び 悩んでいる方

DX推進のご担当者、事業責任者の方

新規事業や組織改革を担う事業責任者の方

マーケティング担当、Web担当の方

2024/09/26 (木)

株式会社SUBARU様

試乗予約完了3倍増を実現。大きなビジネスインパクトに繋がったSUBARUサイト改善の裏側

著者: Kaizen 編集部

  • 業界
    製造業
  • 職種
    • 営業・販売
    • IT・デジタル
  • 課題
    • 売上・成果向上
  • サービス
    • DX
    • UX改善
DX
「世界をKaizenする」をミッションに事業を展開しているKaizen Platformがお届けする「世界をKaizenしている人」に注目した本連載。

株式会社SUBARU様

日本を代表する大手自動車メーカー 株式会社SUBARU。Webサイトが販売店への送客として重要なチャネルのひとつである一方、同社では店舗送客最大化に向けたデータドリブンでのサイト改善に課題感があり、このたびKaizen Platfromにご相談をいただきました。

そして各フォーム改善からLP制作に至るまで、KPIの改善に向けた多様な施策を実施。総客数増を実現する上で重要なKPIのひとつである試乗予約完了率は、取り組みを通じて3倍以上という結果に繋がっています。

そこで今回は、SUBARU 国内営業本部 マーケティング推進部 宣伝課 川﨑さま、本案件を担当したKaizen Platform執行役員 多田、そしてプランナーを務めた佐藤が、具体的な改善施策についての話を交えながら、プロジェクトの背景から結果に至るまでを振り返りました。

 

Web経由での来店が重要な指標である中、いかにデータドリブンでのCV改善に取り組むかが課題としてあった

 

佐藤:あらためて、Kaizen Platformにご相談いただくに至った背景として、どのような課題感をお持ちであったのか教えていただけますか?

 

川﨑:販売台数を増やしていく上で、Web経由での来店というのは重要なファクターのひとつです。しかし、以前までのサイトはだいぶ前に制作したものでスマホファーストで設計されておらず、お客様が求めている情報に簡単にたどり着けないサイトになっていました。

そのため、どれだけ広告含め集客施策を行ったとしても、使いづらいサイトに集客しては意味がありませんので、自社でもスマホで見やすいテキスト構成にしたり、動画を挿入するなどの改善は行っていました。

ただ、 “見やすさ” の改善は感覚的に自分たちでできたとしても、たとえば来店動機に繋がる見積もりシミュレーションのCV改善をしようと思うと、データをもとに細かく改善していかなければなりません。そうしたデータドリブンでの改善ノウハウが不足していたことが課題としてありました。

 

SUBARU 国内営業本部 マーケティング推進部 宣伝課  川﨑さま

SUBARU 国内営業本部 マーケティング推進部 宣伝課  川﨑さま

 

佐藤:様々な支援会社がある中で、どういった点が最終的にKaizen Platformにご依頼いただく決め手となりましたか?

 

川﨑:まず比較検討する上で重視していたのが、データに基づいた改善ができるかどうかでした。どんなに素晴らしい実績があったとしても、季節要因等でたまたま成果が出たものを実績としているケースもあるでしょうし、感覚に頼った改善では再現性がなく、成果が担保できません。

もちろん何社か比較検討を行っていましたが、他社の実績は何が要因でその成果に至ったのかが明確ではないように感じることもありました。

そうした中、Kaizen PlatformはA/Bテストを行い、何をしたらどうなったかといったデータをベースとした実績があったため、しっかりとロジックに基づいた改善提案をしてくれるだろうと信頼できたことが大きな決め手でした。

また、Kaizen Platformはデジタル領域での様々な実績があるため、改善に関してのノウハウが豊富に蓄積されていることは非常に頼りになるだろうと感じました。そしてKaizen Platformの書籍も拝読させていただきましたが、書かれていた内容が理にかなっており、Kaizen Platformと一緒に進めていきたいと思ったことも決め手のひとつでした。

 

フォームからLPまで、細かくPDCAを回して改善。定量・定性調査をもとに根拠あるプロジェクト進行だと実感した

 

佐藤:Web経由での販売店への送客数を最大化することをミッションに、まずは現状分析を実施。そして実際の改善施策だけでなく、プランニングにおいても他社事例での数字を交えながら、データに基づいた提案を意識して進めさせていただきました。

また我々が提供するKAIZEN ENGINEというツールを用いることで、様々なユーザーアクションを計測できるため、収集したデータから改善点を見つけ、細かく改善提案を進めていき、初年度の取り組みとしては、見積もりフォームから試乗予約フォーム、またLP改善など幅広い施策を実施させていただきました。

 

多田:また、そうしたデータからどこを改善すべきかの目星をつける上で、重要になるのが仮説の精度です。これまでの様々な改善事例からの仮説はもちろん、SUBARUのお客様を知るということも仮説精度を高めるためには非常に重要になります。

そのため、まずはSUBARUのお客様がどういった方なのか、サイトにアクセスするユーザーはどういった人なのかを知るためにユーザーインタビューも行い、ペルソナの解像度を高めていきました

 

LP改善例

 

実際にディスプレイ広告経由のLP改善施策に関しては、もともとディスプレイ広告からの遷移先がサイトになっていましたが、すでに興味関心があってニーズが顕在化している検索広告と違い、ディスプレイ広告の場合は興味関心を持ってもらうためのLPが必要でした。

そこで2ヶ月近くかけてユーザーインタビューを行い、販売店にも伺わせていだいて顧客解像度を高め、車種ごとのLPを制作。その結果、来店や試乗予約などの送客数が約200%増と大きなインパクトある施策となりました。

あらためて振り返ってみて、実際に改善施策を進めていく上での気づきや学びは何かありましたか?

 

Kaizen Platform 佐藤

Kaizen Platform 佐藤

 

川﨑:これまでも自社で多くの施策を行ってきましたが、現場レベルではついつい着手できそうな施策からやるという形になってしまいがちで、施策を振り返り、どこをどう改善していくべきかを考えるなど、適切なPDCAが回せていませんでした。

そのため、Kaizen Platformの進め方を見ていく中で、そもそもで何をやればどういった効果がでるのか仮説を立てて施策の優先順位付けを行い、さらにA/Bテストを行って効果がなければ次にどうするか提案をいただくなど、あらためてPDCAをどうやって回すべきかを知ることができたことは非常に大きな学びでした。

 

佐藤:今回PDCAがうまく回せた施策のひとつが、試乗予約フォームの改善でしたね。まずは縦長の入力フォームを分割したステップ式に抜本改修したところ、早速改善効果が見えてきました。

そこであらためて仮説立てを行い、試乗希望日時の選択フローがもともと3ステップであったところを2ステップで行えるよう変更。もともとのデザインではタップしてカレンダーを表示する仕様でしたが、デフォルトでカレンダー表示し、ユーザーアクションを明確にするなど様々な改善施策をご提案しました。

さらに細かく見ていく中で、一部のデバイスではカレンダーを表示してしまうと「次へ」のボタンが見えなくなってしまうことがわかりました。ステップ式ではファーストビューに「次へ」が表示されていないと遷移率が落ちることがわかっていたため、カレンダー以外のデザイン要素を小さくするといった改善を行い、最終的にはオリジナルデザイン比で119%を実現することができました。

 

フォームの改善例

  

多田:また各施策を振り返ることの重要性を感じたのが、入力復元の施策です。こちらは最初の改善実施の結果はオリジナルに対してほぼ変化がありませんでした。しかし、こうした成果が出ていないときこそ、「なぜ成果が出ないのか」を深ぼることが重要です。

これまでの他社事例から入力復元は改善効果があることがわかっていたため、なぜ効果につながっていないのかを分析。すると、そもそもでページへのアクセスする母数が少ないことがわかりました。このように、成果が出ていない要因を見つけることも適切なPDCAを回していく上で非常に大切なポイントです。

 

川﨑:Kaizen Platformからご提案いただくことはどれも理にかなっていて、言われたら確かになと思うのですが、そうした改善アイデアを自分たちだけで考えることはなかなかできず、さすがノウハウが豊富だなとあらためて実感させられました。

特にフォームに関しては、サイト制作時に制作会社がつくったものであったため、知見のある制作会社がつくったのだから間違いないだろうと思い、そもそもフォーム改善をするという発想すらありませんでした

また、はじめはすでにあるものに対しての改善施策のみを行ってくれるのだと思っていました。そのため、LP制作のご提案をいただいたときは、そうしたことまでやってくれるのかと驚きでした。さらに、LP自体もはじめは1ページだけの制作かと思ったら、複数つくりますということで、成果に向けてやるべきことをやってくれる会社なのだと実感。

そして定量・定性調査をもとに根拠あるプロジェクト進行で、実際に効果もあって非常に良い施策だったと思っています。

 

試乗予約完了率は3倍以上と大きなビジネスインパクトが生まれている。社内に改善マインドが醸成されたことも成果のひとつ

 

佐藤:初年度のお取り組みとしては、実施した施策の多くで改善の成果が見られましたが、あらためて施策を振り返っていかがですか?

 

川﨑:お取り組みを通じて試乗予約数が増えていましたが、はじめは同時期に実施していたキャンペーンの影響もあるのではと思っていました。しかし、キャンペーン以外の期間でもしっかりと数字に繋がっていたことは驚異的でした。

特に最終的な試乗予約完了率は3倍以上という結果で、この取り組みがなければ2/3のお客様が店舗にお越しいただけなかったのかもしれないと思うと、非常にビジネスインパクトとしても大きい結果が得られましたし、あらためてKaizen Platformに相談して良かったと思っています。

また、今回プロジェクトを通じて、より来店に近いCVポイントを新しいKPIとして策定しましたが、KPI計測のためにはメーカーサイトと販売店との調整も必要で、スキーム構築が非常に大変でした。

しかし、実際に施策を進めていくことで、試乗に意欲があるお客様を逃さずに店舗へ送客できるようになり、販売店からも非常に喜ばれていますし、より送客数を増やすためにどうすればいいかと一丸になって取り組めるようになったことは大きな変化でした。

 

多田:こうした改善施策というのは漢方薬のようだと思っていて、一過性のものではなく、一度良いものができればその改善効果は持続します。フォーム改善でCVRが2倍になったけど、翌月はまたもとに戻ってしまったということが起こりづらいわけです。

そうした点が広告施策との違いですし、費用対効果に見合った施策だと考えています。特に今回は非常に高い成果に繋がり、我々としてもとても嬉しく思っています。

 

Kaizen Platform 執行役員 多田

Kaizen Platform 執行役員 多田

 

川﨑:数値的な成果はもちろん、今回の取り組みを通じて多くの学びや気づきを得られたことも成果だと感じています。特に毎回施策の提案や振り返りを行っていただきましたが、パワポ資料の量が本当に多く、その資料だけでも私たちにとっては貴重な資産ですし、そうした資料を毎回会議までに準備していただいたことに感謝しています。

また、定例会議では他の社内メンバーや制作会社の方に同席いただきましたが、みなKaizen Platformとの取り組みを通じて、主体的に改善提案を出すようになっていきました。そうしたマインドセットの変化は、一緒に取り組みをさせていただいた成功体験があったからこそだと感じています。

 

佐藤:週次でミーティングさせていただきましたが、こちらの提案に対しても的確なフィードバックをいただき、一緒になって成果創出まで動いていけたことは本当に楽しく、良いプロジェクトだったと思っています。

また、私は個人的にもSUBARU車が好きで、実家にいた頃からSUBARU車に触れてきました。そうした大好きな商品の施策に携われたことが本当に嬉しく、成果を上げられて本当に良かったです。今後もデータに基づいた納得感のあるご提案を行い、成果をお返ししたいと思っていますので、引き続きよろしくお願いいたします。

最後に、あらためて取り組みを振り返っての感想、そして今後貴社ではどのようにデジタルマーケティングに取り組んでいく予定なのか展望をお聞かせください。

 

SUBARU 国内営業本部 マーケティング推進部 宣伝課  川﨑さま

 

川﨑:施策を実行する前の戦略ももちろん重要ですが、施策実行後に改善していくことの重要性をあらためて感じさせられる取り組みでした。

そして、デジタルマーケティングに取り組んでいく中で、どうしてもメーカーとしてこういったことを伝えたいとか、自分はこう思うといった主観が先行してしまい、お客様視点が抜け落ちてしまうこともあります。

しかし、Kaizen Platformのみなさんには実際に販売店にまで足を運んでいただき、生の声を聞くというのを大切にされていて、それが初めてのお客様でも来店に繋がりやすいLPの訴求に反映されていたりするのを見て、お客様視点の重要性を再認識いたしました。

時代によってお客様のニーズも変化していくため、データはもちろん、お客様にもしっかりと向き合い、お客様に最適な情報提供を行っていきたいと思っています。

 

多田:もちろん、メーカーであってもお客様視点がないわけではありません。しかし、どうしてもバイアスがかかってしまうこともあるため、客観的な視点を持ってジャッジできることが我々の介在価値のひとつだと考えています。

そして改善することが目的ではなく、改善を通じてクライアント企業の事業成長を実現することが我々の達成すべきミッションだと考えていますので、将来的にはSUBARUのみなさんが我々の知見をもとに自走していけることが理想です。

引き続きプロジェクトは続きますので、これからも提供できる知見はどんどんお渡ししていき、これまでの何倍もの成果をお返しできるよう進めていければと思っています。本日はありがとうございました!

 

関連記事

記事一覧へ戻る