美容ブランド『ReFa』やEMSを中心としたトレーニングブランド『SIXPAD』など、美容と健康をテーマに様々なブランドを開発する株式会社MTG。
同社の公式ECサイトは順調に売上を伸ばしていく一方、システム改修を繰り返していった結果、ECサイトの仕様が複雑化してしまい、抜本的なCVR向上のためのサイト改善に踏み込めていないことが課題でした。
そこで、このたびKaizen Platformではカートまわりの改善を中心とした同社のECサイト改善プロジェクトを支援。徹底した仕様把握の上、カートまわりの改善を進めていき、CVR113%改善を実現しています。
今回は本プロジェクトを担当されたMTG 寺島様、小西様、竹谷様、そしてKaizen Platformの吉村、佐藤を交え、今回の取り組みに至った背景から実際の結果に至るまでを振り返りました。
複雑化した仕様に対して、いかにCVR向上を実現するか。サイト改善における豊富な実績と専門性の高さが決め手に
吉村:まずは、あらためてKaizen Platformにご相談いただくに至った背景として、どのような課題感をお持ちであったのか教えてください。
寺島:当社のECサイトの売上は年々増加しており、お客様も増えていて非常に喜ばしい結果を得ていたのですが、その一方で、ECサイトのユーザビリティが課題であると認識しながらも具体的なサイト改善に取り組めていない状況でした。
その要因のひとつが、複雑なサイト仕様です。これまでにシステム改修を何度も繰り返してきたことで仕様が複雑化し、“つぎはぎ” のような状態になってしまっていました。
それゆえに新たに改修や改善を行う際には現状の仕様を把握する必要があり、さらに関係各所との調整が必要となるため、迅速なサイト改善が困難な状況でした。
しかし、お客様にとって利便性の高いサイトを目指し、CVR向上にも繋がるカートまわりの改善は優先度が高いだろうと考えていました。そこで社内でも決済方法の多様化やログインまわりの改善施策に取り組んでいたのですが、どれも “点” の取り組みに留まっていました。
複雑な仕様の把握や関係各所との調整といった理由から、サイト全体の導線を最適化するといった “線” の取り組みができていなかったんですね。そこで、こうした負のスパイラルから抜け出すためにも、外部パートナーに入っていただくことで、これまで手が届かなかった領域に踏み込んでいきたいと思ったことが、今回の取り組みに至った経緯でした。
MTG寺島様
吉村:様々な支援会社がある中で、どういった点が最終的にKaizen Platformにご依頼いただく決め手となりましたか?
竹谷:何社かを比較検討させていただいていた中で、いくつか重視していたポイントがありました。一つは、単なるコンサルティングにとどまらず、戦略立案から検証、実装までを一気通貫で対応できるかどうかという点です。また、最終的には人と人との繋がりが重要だと思っており、お互いに信頼関係を築けるかどうかも、選定基準としてありました。
そうしたことを総合的に判断した上で、特に決め手となったのはKaizen Platformは官公庁や金融機関のようなセキュリティが厳しいクライアントに対しての成功事例があり、実際にカートまわりの改善実績もあるということです。
やはり、カートまわりの改善は売上に直結する部分で、インシデントをいかに発生させないかが求められるわけですが、Kaizen Platformはカートまわりの改善をお任せする上で信頼できる実績があるということが大きなポイントでした。
小西:Kaizen Platformからの提案は、事前に当社のサイトを分析した上での具体的な内容であったため、他社の提案よりも断然魅力的でした。また、当社から何かひとつ質問させていただくと、それに対して10返答が来るくらい、ナレッジが豊富で専門性の高さが際立っているなと感じました。
もともと、カートまわりのどこを改善すべきかなどは社内でもリストアップしていたのですが、実際にそれが成果に繋がるのかどうか曖昧であった中、Kaizen Platformであれば豊富な実績とノウハウがあるからこそ、成果に繋がる取り組みができるだろうと思えたことが大きな決め手でした。
「静的要素だけでなく、動的なUX改善ができることが驚きだった」徹底した仕様調査で安心感のあるプロジェクト進行
佐藤:今回プランニングにおいて最も意識したことが、「ユーザー目線に立つこと」です。そこで、まずはKaizen Platformのプロジェクトメンバー全員に商品を購入するまでの導線を体験してもらい、使いやすい点や使いにくい点をリストアップ。
たとえば、「スマホの場合は購入フォームが縦長のレイアウトで、スクロールが多くて煩雑に感じる」といった定性的な課題を抽出するなど、CVまでの導線をしっかり全員で確認することで、点の施策ではなく線での改善になるプランニングを大切にして進めていきました。
そして今回、「かご落ち率の改善」「購入ストレスアンケートの改善」という2つのミッションをいただいていたため、その2つのミッションに対して改善施策の優先順位をつけていきました。
吉村:また、実際にカートまわりの改善を進めていく上で難しかったのが、やはり仕様の把握です。様々な商材がある一方で商材ごとの可変要素が多く、さらにECサイトの場合はカート後にふたたび商品ページに戻るなど、コンバージョンまでのシナリオが多くあります。
また、複数のタグがすでに設置されていたため、Kaizen Platformのタグとの干渉しないよう、仕様把握のための事前調査には多くの時間をかけて進めていきました。
小西:タグやシステムが複雑に絡み合っており、誰も全体像を把握しきれていないような状況でした。そのため、実は取り組み当初は外部パートナーであるKaizen Platformがそうした複雑な仕様を把握して進められるか不安もありました。
しかし、Kaizen Platformは仕様把握のための検証を徹底して行い、細かくドキュメントに落とし込んでいただくなど、正しく仕様を把握した上で施策を進めていただけました。
だからこそ、お客様が商品を買えないといった重大なインシデントも発生しませんでしたし、何か連絡すればすぐにレスポンスをいただけたりと、スムーズなコミュニケーションであったため、非常に安心感のあるプロジェクト進行でした。
MTG小西様
吉村:今回、複数の施策を進めてきましたが、その中でも効果が大きかったのが、カート確認画面のレイアウト変更でした。せっかく情報をいろいろと入力して進んでいったカート確認画面で、ストレスが発生してしまうと離脱してしまいかねません。
そこでカート確認画面のレイアウトを見直したことで、離脱率が大幅に改善。実際に、この施策が最もCVRの向上に寄与していました。
また、ギフト需要の高いMTGだからこそのショッパーバッグの選択オプションがありますが、以前までは選択するまでの動線が複雑でした。そこで利便性向上という観点から、対象商材では推奨ショッパーバッグを表示させるなど、カートページの一画面内で完結する形式に変更。そうした様々な施策が、今後の購入ストレスアンケートの改善にも繋がっていくと思っています。
【推奨ショッパーの追加施策】
これまではショッパーを別ページで選択して、カートに戻ってくる仕様
ショッパーと相性がよい商品はカートインページで表示する仕様に変更。
他の商材は、ハーフモーダル内でショッパーを選択できる仕様に変更。
【購入前の確認画面修正】
これまでは、レイアウトが縦長になる仕様のため、SPユーザーにとってはページが長く、また、各項目を変更する度にページ遷移がされる仕様
レイアウトを変更し縦幅をおさえて、わかりやすいUIに。
変更が発生した場合、ハーフモーダル内で変更することができにしページ行き来をなくす仕様に改善
寺島:ボタンデザインを変更するなどの静的要素を改善していくというのはよくあると思いますし、実際に他社から受けた提案もそうしたデザイン変更の内容でした。
しかし、Kaizen Platformの施策は、別ページの要素を読み込んでハーフモーダルで同一ページに表示するなど、「Kaizen Platformのタグを使うことで、こういった挙動を実現できるのか」と驚くことばかりでした。
竹谷:もともと社内でもカートまわりで起こり得るシナリオをまとめ、どの辺りが課題であるか目星をつけていたのですが、Kaizen Platformから提案いただいた施策は、私たちでは気づいていなかった新しい課題を解決するものも多く、非常にたくさんの気づきを得られました。
そして、カート確認画面のUI改修の施策は私自身、非常に印象に残っていて、自ら画面を見たときに「オリジナルのUIよりも、この画面のほうが購入しやすい」と実感。実際に成果にも繋がっている施策でした。
MTG竹谷様
カゴ落ちを防ぎ、CVRは113%改善。UI/UX改善のための体制づくりなど社内での意思決定にも大きく影響していった
吉村:現在も改善プロジェクトは進行中ではありますが、中間発表の段階では当初の目標であったカート離脱率の105.4%改善というオーダーを大きく上回ることができており、CVRは全体で113.36%改善という結果がでています。
中間発表でKPIを達成しないとその後の施策が守りになってしまいがちのため、今回も中間発表までにKPIを達成しようと動いておりましたが、無事達成できてよかったです。あらためて、今回の成果に対してどのように感じていらっしゃいますか?
寺島:これからもプロジェクトが続く中、中間発表ですでにKPIを達成できているため、今後の結果に対しても非常に安心感があります。また、KPI達成はもちろん、取り組みのプロセス自体に満足しています。
コミュニケーションもそうですし、資料もただ結果をまとめただけのものではなく、ストーリーテリングが意識されたドキュメントにまとめられていたため、プロジェクトの進捗や成果の報告として展開しやすく、社内でもスムーズにプロジェクトの内容を共有できました。
また、今回のプロジェクトを通じて社内の意識や体制にも変化がありました。特に、これまではカートまわりの改善はシステムが絡む部分でもあるため、後回しにされがちだった領域に対し、Kaizen Platformとの取り組みを通じてその重要性が再認識されました。
結果、UI/UX改善のためのリソースを確保し、EFOを実施するための体制を構築するという意思決定ができるようになりましたし、社内でもどう改善していくべきかといったコミュニケーションが増えていったと感じています。
吉村:最後に、これまでの取り組みを振り返っての感想をお聞かせください。
竹谷:今回のプロジェクトを通じて学んだのは、サイト改善にはお客様目線が何よりも重要だということです。実は、以前までは各ブランド担当者から「カートページにこの商品を出してほしい」といった要望をサイトに反映していました。
しかし、お客様目線で考えると、レコメンドがレコメンドでない状態ではCVに繋がりませんので、あらためてお客様目線で何をどう表示させるかの優先順位をつけていくことの重要性を再認識しましたし、お客様がどのようにサイトを使い、どこでつまずくのかをデータに基づいて把握することで、より的確な施策を立案できると実感。気づきや学びの多い取り組みができ、とてもよかったです。
寺島:A/Bテストの結果を都度定例ミーティングでお伝えいただくなど、細かくコミュニケーションを取っていただいたことで、自分たちだけでは気付けない課題や新しい視点を多く得ることができました。そして、Kaizen Platform側でもわからないことは一緒にディスカッションをしたりと、よいパートナー関係を築いていけたことに感謝しています。
小西:サイト規模を考えれば、CVRが少しでも改善されるだけで大きな売上インパクトが生まれます。そのため、投じた費用に対する十分なリターンを得られたプロジェクトでしたし、Kaizen Platformの皆さまもいろいろとプロジェクトを抱えられていて忙しいはずなのに、まるで当社のプロジェクトだけをやっているのではと思うくらい、レスも早く、丁寧な対応をしていただきました。
Kaizen Platformでなければ今回の結果は得られなかったと思いますし、あらためてパートナーとしてこのプロジェクトをお願いしてよかったと感じています。
佐藤:仕様の把握含めて難しい部分も多くありましたが、弊社としても気づきや学びが多く、とても楽しいお取り組みでした。そして、今回のプロジェクトではまだ着手できていないページであったり、改善の余地があるページが残っているため、今後よりユーザーフレンドリーなサイトになるよう、引き続き尽力させていただきます。
吉村:当初は複雑なタグやシステムの仕様に対してどうアプローチしていくべきか悩んでおりましたが、最終的には施策を予定通り進行することができ、安心感を持って成果を出すことができました。そしてステップごとの動線改善や、ユーザーが途中で離脱しないようにするための工夫を重ねることで、私自身も使いたいと思うようなユーザーフレンドリーなサイトを実現できたと感じています。
プロジェクトはまだ続きますので、引き続きよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました!