新築分譲マンションの企画開発や販売事業等を展開する株式会社タカラレーベン。CPA高騰に伴い、インターネット広告での集客に行き詰まりを感じられていた中、このたびKaizen Platformではフォーム改善施策によるCVR改善をご支援させていただきました。
そこで今回はタカラレーベン 営業推進事業部 ウェブソリューション推進部の長谷部様、佐々木様、そして本案件を担当したKaizen Platform 牧野を交え、Kaizen Platformへご相談いただいたキッカケや背景、また取り組みにおける感想や効果について伺いました。
CPA高騰で広告以外の施策が求められる中、古いシステムであってもフォーム改善できることが驚きだった
牧野:あらためて、Kaizen Platformにご相談いただくに至った背景として、どのような課題感をお持ちであったのか教えていただけますか?
長谷部:もともと当社ではインターネット広告で集客を行い、資料請求や来場予約に繋げていく動きを取っていましたが、CPAの高騰が課題感としてありました。
広告から物件ページ、フォーム、各ページでの離脱が多いため改善の必要性は感じていましたが、物件ページは各物件の販売をしている現場の担当側の意向もあるため、本部側で取り組める範囲が限られていました。また、フォームは基幹システムと密連携しているため、そもそも変えられるという認識もありませんでした。
このように、広告運用以外にCVR改善のためにできることがない状態であった中、社内からの紹介でKaizen Platformを知り、今回ご相談させていただきました。
タカラレーベン 長谷部様
牧野:そうした課題に対して、今回フォーム改善をご提案させていただきましたが、フォーム改善については、はじめはどのように思われていましたか?
長谷部:そもそもフォーム改善で大きな成果が生まれるとは思ってもいなかった、というのが正直な感想です。また、フォームはシステムで仕様が決まっているものという認識で、フォーム自体を改善していくという発想がもともとなかったんですね。
もちろん、フォームを直せなくはないと思ってはいましたが、コストと時間がかかりますし、古いシステムであるがゆえに一般的なEFOツールを導入することもできなかったため、手の付け所がないものだと捉えていました。
佐々木:Kaizen Platformからご提案をいただくまでは、私自身もフォーム自体が改善対象になると考えていませんでした。しかしお話を伺い、入力項目もタップするだけのほうが簡単だったりと、ユーザー視点に立って考えれば、もっと使いやすいフォームを目指せるのだというのがハッと気付かされたポイントでした。
また、Kaizen Platformのツールを用いることで、システムを改修せずともフォーム改善ができるというのが驚きでした。
縦長デザインからステップ式へ。フォーム自体もいろいろな改善ができるのだとあらためて実感した
牧野:フォーム改善においては、いかにユーザーの心理的負荷をなくし、初回項目の入力率を上げるかが重要です。そこで、まずはもともと縦長だったフォームを複数ページに分割するステップ式を採用。また、郵便番号を入力すれば住所が自動で入力されるなど、ユーザーの手間を少しでも省く設計へと変更していきました。
そして1回目の改修後にデータを見て、2回目の改修で入力中の離脱を改善していくという流れで進めていきました。
なお、入力項目を整理していく中で、他案件の場合はどの項目を残すのかどうかが最も時間をかけて議論する部分ではあるのですが、今回長谷部さんにご協力いただき、迅速に項目の整理が行えたため、スムーズに実際の改修へと移っていくことができました。
長谷部:今回ステップ式を導入したことで、あらためて今までのフォームがどれだけ入力しづらかったのかということを気付かされました。特にスマホからアクセスしている場合、縦長のフォームは画面をスクロールして入力していきますが、最後まで入力したと思って完了ボタンを押しても、赤字で「この項目が入力されていません」といったアラートが出て、面倒に感じて離脱するというのは、私自身よくあるなと。
しかし、ステップ式になったことで、いまなにを入力しなければならないのかが明確です。また、フォームに回答してもらう前に簡単に答えられる項目を入力してもらったり、フォーム項目の順番を入れ替えるだけでも、心理的ハードルが下がり、ついつい最後まで入力してしまうような設計ができるのだと驚きでした。
佐々木:事業者側の視点からすれば、まずは名前を入力してもらおうという発想になりがちですが、ユーザー視点に立って考えれば、先に個人情報を聞かれるのはたしかに心理的ハードルが高くなりますよね。
そのため、項目の順番を入れ替えるというだけのことでも入力しやすくなりますし、途中まで入力したら、最後まで入力しちゃおうという気持ちになるわけで、あらためて入力フォームまでの遷移だけでなく、フォーム自体もいろいろと改善の余地があるのだと気付かされました。
タカラレーベン 佐々木様
牧野:もともと来場予約フォームは日時選択して名前を入力する形でしたが、名前入力で50%近く離脱していることがわかりました。そのため、いかに名前入力のハードルを下げるかに、私たちもこだわらせていただきました。
その他、フォーム改善を進めていく中で、期待以上だったことは何かありましたか?
長谷部:フォームの入力しやすさだけでなく、デザイン性にもこだわっていただけたことは期待以上でした。たとえば来場予約フォームでは、お客様のご希望日時を選択するカレンダーがありますが、もともと定員まで残りわずかの日時は△で表記していました。
しかし、△だともう残り少ないといった印象があったり、そもそも視認性が悪いといったことから、△をなくして、◎と◯で表現するなど、細かなデザインまで見ていただけたことはとても感謝しています。
最大167%の改善率を達成。年間数百件もの来場予約増と大きな事業インパクトが生まれている
牧野:最終的に3回の改修を行い、改善率は資料請求フォームがPC 110.4%/スマホ 167.0%、来場予約フォームはPC 148.9%/スマホ 112.2%という結果となりましたが、あらためて今回の結果について、いかがですか?
長谷部:フォーム改善でここまでの成果が出るとは思っていなかったため、本当に驚きです。そしてフォーム改善によって年間で数百件という来場予約が増えるわけで、インパクトとしても大きく、必然的にCPAも下げられています。
佐々木:ECサイト等で何かしらのフォームに入力しなければならないときがありますが、「いまは時間がないからやめよう」など、私自身フォームで離脱していることを思い出しました。そのため、心理的ハードルを少なくすることで、ここまで入力を進めてもらえるようになるのかと驚きましたし、ユーザビリティの大事さをあらためて感じさせられたプロジェクトでした。
牧野:今回、Kaizen Platform側としても色々とチャレンジさせていただいたプロジェクトでした。特に印象に残っている取り組みとして、フォーム回答後の最後に出る確認画面をなくすという施策を実施しました。
実は確認画面で15%ほどが離脱していました。今回ステップ式を採用したことによって、お客様も入力中に簡単に情報が確認できるようになりましたし、思い切って確認画面をなくしたところ、成果にも大きく寄与しました。
最後にあらためて今回のプロジェクトを振り返っての感想と、今後の展望についてお聞かせください。
Kaizen Platform 牧野
長谷部:私自身がユーザーとしていろいろなサイトのフォームを触るときも、やはりフォームは面倒くさいと思うことがありました。
しかし、そうしたユーザー視点を持って自社のサイトを見直すと、どこを改善すべきかが見えてきますし、サイトの導線設計含め、本プロジェクトを通じてユーザビリティを考えて進めていくことの重要性を再認識できたことは本当によかったです。
そして広告でどれだけ集客しても、受け皿となるサイトが良くなければ、意味がありません。そのため、今後はヒートマップ等でよりサイト分析を行い、パフォーマンス最大化に繋がるサイト改善に取り組んでいきたいと思っています。
牧野:今回、我々からの提案に対しても一緒にブラッシュアップしていただけたり、また準備いただく必要があるものも迅速に対応いただけたりと、パートナーとして同じ目標に向かって一緒に進めたことが本当に嬉しかったです。ありがとうございました!