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2019/07/25 (木)

株式会社ノジマ様

チラシ動画をユーザーの手元へ。ノジマが取り組む、チラシの新しいカタチとは

著者: Kaizen 編集部

  • 業界
    小売
  • 職種
    • 営業/販売促進
  • 課題
    • コンテンツの動画化
  • サービス
    • 動画
「世界をKaizenする」をミッションに事業を展開しているKaizen Platform がお届けする「世界をKaizenしている人」に注目した本連載。

 

地域に密着した小売業、特に家電量販店チェーンでは、チラシによる「紙」のコミュニケーションに長年力を入れてきました。新規店舗のオープンや時節に合わせたキャンペーンといった鮮度の高い情報を地域の消費者に届けられることは、チラシが持つ強みです。

しかし昨今、チラシによる販促施策のみでは狙ったターゲットにリーチさせ、実店舗へのさらなる集客増につなげることは一段と難しくなっていることも事実。また、広告予算に対する集客効果が計測しきれなかったことも課題のひとつつでした。

こうした課題に対して、神奈川、そして首都圏を中心に展開する家電量販店チェーン、株式会社ノジマ(以下、ノジマ)では「チラシの動画化」と「チラシ配布の翌日に動画広告の配信」をスタートしました。

Kaizen Adを活用した今回のお取り組みや、今後の展望についてご紹介します。

株式会社ノジマ 上杉研氏の写真

本部販促企画グループ=上杉 研氏

チラシだけでは実現できない、新しい層にリーチするための動画施策

インタビューに答える上杉氏の写真

──お取り組みのきっかけとなった、Webマーケティングの課題について教えてください。

上杉 研氏(以下、上杉) これまで、販促施策としてはほぼチラシがメインでした。組織も変わったタイミングで、これからの販促施策を考えていた際に、チラシによる来店数のデータを洗ってみると、「いままでのチラシだけでは情報が届かない人が多くなってるのではないか」と感じたことが、Web広告を始めようと考え始めた大きなきっかけです。

チラシにいまどのくらい予算をかけているのか精査し、そして効果検証のために、週ごとや曜日ごと、地域ごとで比較し、効果を検証したところ、ほかの媒体、特にデジタルに今後は注力しなければという方針が決まりました。それが去年の6月頃のことです。

──チラシ中心の販促施策について詳しく教えてください。

上杉 家電量販店業界のスタンダードですが、週に1回、土曜日に各店舗の規模ごと、その商圏に合わせて新聞の折込チラシを配布していました。創業当時からチラシによる販促は続けていますが、チラシだけではいきなり来店数が1.1倍、1.2倍には増えることはありません。もちろん、チラシのデザインの質を上げたり、キャンペーンを実施すれば、多少の販促効果は上がるかもしれませんが、それも簡単なことではないんです。

──チラシが届きにくくなったことに加え、ほかに課題はあったのでしょうか。

上杉 チラシをはじめ、販促施策が本当に来店数、売り上げにつながっているのか把握しきれていないこと、加えて調査をするにしても時間がかかってしまっていたことが課題でした。つまり、その施策の費用対効果がはっきりとしていなかったんですね。デジタルの販促施策であれば、チラシよりも明確な数字として広告効果を検証することができるので、こうした課題感もデジタル施策を実施する後押しとなりました。

折込チラシと同じスピード感で動画を制作する

インタビューに答える上杉氏の写真

──デジタルでの販促施策の検討はどのように進んだのでしょうか。

上杉 きっかけはGoogleさんが主催された店舗集客に関するセミナーでした。そこからWeb広告全般の検討をはじめ、「動画広告であれば、指標も追えるので有効です」とご提案いただき、弊社で抱えていた課題と合致したのでチャレンジしてみることになりました。

──動画広告施策の詳細について教えてください。

上杉 シンプルに言えば、チラシを動画化し、YoutubeをはじめとしたWeb媒体に広告として配信する、というものです。毎週土曜日に折り込まれるチラシと同じタイミング、同じ内容で動画広告を配信し、店舗への集客につなげることを目的としています。

──これまで広告代理店さんからのご提案はなかったのでしょうか。

上杉 販促活動は代理店を極力通さずに自社で行うというのがノジマの社風。コスト面やクオリティの問題もありますが、1番は事業の「スピード感」を重視しているからです。企画したらすぐに実施に移し、その効果検証をすぐ行いたいというPDCAの回転数を高めなければ、目まぐるしく変化する消費者のニーズを捉えきれません。そのため、社外に外注したり、代理店さんに頼んでしまうと時間がかかってしまうことから、これまでなるべく内製化を志向してきました。

──動画広告より以前に広告動画を制作をされたことはあるのでしょうか。

上杉 テレビCMを別にすると、店頭サイネージでの動画制作が最初です。そのときの制作はチラシ制作をお願いしている制作会社さんにお願いしました。ただ、動画とチラシのデザインはかなり勝手が違うため、理想としていたイメージには届きませんでした。やはり「餅は餅屋」ということで、GoogleさんにWebでの動画制作に強い企業について問い合わせたところ、Kaizen Platformを紹介していただきました。

──他社の制作会社とは比較検討の際、どういったポイントを重視されたのでしょうか。

上杉 動画制作の費用感、制作実績、そして納期を中心に比較しました。最も重視していたのは、やはり「納品スピード」です。確かにクオリティは高いのですが、他社さんの場合は制作に2週間ほどかかってしまうみたいで……。それだとチラシの制作スピードに、動画制作が間に合わない。そこで、2〜3営業日で広告用動画を制作できる「Kaizen Ad」にご依頼することになりました。

導入ハードルの低さ。未経験でも動画の制作依頼が30分で

インタビューに答える上杉氏の写真

──「チラシの動画化」のお取り組みはどのように進んだのでしょうか。

上杉 最初はブランディングの調査を兼ねて、既存のテレビCM動画をそのまま配信しました。そこでやはりデジタルでの動画広告は効果的だというデータが得られたので、より購買につながる動画を制作、配信するため、チラシの動画化のお取り組みが始まりました。

──実際の制作フローを教えてください。

上杉 チラシは通常、水曜日までには入稿データが確定します。そのデータをそのままKaizen Adのツール上にアップロードし、2営業日の金曜日に広告動画が納品されるという流れです。チラシのデータをそのまま活用できることで、社内の工数がほとんど増えておらず、導入のハードルが非常に低い印象でした。

──実際、動画制作の依頼にはどのくらいの時間をかけているのでしょうか。

上杉 最初は半日くらいかかっていたのですが、いまは慣れたことで、依頼に30分もかかっておりません。データのアップロードと依頼フォーマットの入力自体には、5〜10分ほどで完了します。

ハイクオリティの動画化で、新しいチラシの形を実現する

実際にKaizen Platformが制作した動画広告のキャプチャ画像

──制作した動画は社内ではどのような反応でしたでしょうか。

上杉 納品いただいた動画は細かなアニメーションの動きがあり、そのクオリティにかなり驚きがありましたね。「チラシのデータでここまでできるか!」という社内の意見が大半でした。動画の背景もその時々によって、工夫して動かしていただいたり、価格の訴求も単純に打ち出すのではなく、しっかり動きが工夫されています。

チラシの制作会社さんからも、「チラシが動画という新しい形でプッシュされるのは嬉しいね」と高い評価を受けています。すでに毎回も動画を納品いただきましたが、見てて本当に飽きないなと私自身も感じております。

──動画広告はまずYoutube広告で配信されているとのことでしたが、その広告効果について教えてください。

上杉 いままでと違った潜在顧客層にもリーチできていることは確実であろうと感じております。ただ、具体的な数値としての効果は現在検証中です。

販促施策の目的はあくまでもお客様の来店数を増やすこと。動画の視聴数は計測できているので、その先のどれほど来店につながっているのかといった検証をいままさに行っている最中です。そこが明らかになり、効果があると分かれば今後ますます、動画広告に力を入れていきたいと考えております。

さまざまな動画フォーマットを組み合わせ、お客様に情報を届けたい

インタビューに答える上杉氏の写真

──今後のお取り組みの展望について教えてください。

上杉 さまざまなパターンの動画を試してみたいというのがまずひとつです。音声付きの動画をはじめ、動画の尺やクリエイティブ内容を変更するなど、動画のPDCAを進めていきたいですね。また、様々な広告を組み合わせることで、どのようにお客様へ効果的に情報をお届けできるか、検証を進めていく予定です。

動画にはまだまだ店舗集客の可能性があると実感しています。動いている動画は視聴者の印象に残りやすく、来店のきっかけ作りにはとても有効です。今後もKaizen Adを活用しながら、動画施策に取り組んでいきたいですね。

──ありがとうございました。

<取材・文・写真= 大木一真>

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