2021/02/01 (Mon)

株式会社東急ハンズ様

【東急ハンズ】「小売×DX」の巨大マーケットで、僕らはこう戦う
Kaizen 編集部

著者: Kaizen 編集部

  • 業界
    小売
  • 職種
    • IT統括/デジタル統括
  • 課題
    • サイト改善のノウハウやリソース不足
  • サービス
    • DX
DX
「世界をKaizenする」をミッションに事業を展開しているKaizen Platformがお届けする「世界をKaizenしている人」に注目した本連載。

1976年の創業から、「お客様の生活文化の創造をお手伝いいたします」を企業理念に多くの生活雑貨を取り扱う東急ハンズ。インターネットの普及とともに消費が多様化していく中、2008年から、ビューティやステーショナリー、ギフト雑貨など生活に彩りを加えるアイテムをセレクトした小型専門店「hands be(ハンズ ビー)」も展開しています。

そんな東急ハンズが2020年、新たに乗り出したのがDX分野。移り変わる時代に対応すべく、DX専門の本部・部署である「DX推進事業部」が立ち上がりました。

今回は、DX推進事業部の一環として、社内横断で生まれたというチーム「XPT(トランスフォーメーションプロジェクト)」の5名に詳しくお話を伺いました。

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(写真左から)ITソリューション部 DX推進グループ 田中 大地氏、ITソリューション部 保守管理グループ 寒河江 陽一郎氏、事業開発部 事業創造グループ 前田 梨紗氏、DX推進本部長 白井 勝己氏、デジタル戦略部 小野 聖治氏

※本取材は、撮影時以外、全員マスクを着用して実施しました。

社内の若手社員のみで結成したDX推進チーム「XPT」

――そもそも、東急ハンズさんの社内でXPTが発足した背景は何だったのでしょう?

白井 2020年春、コロナ禍で実店舗の売り上げが苦境に立たされる一方、ECの売り上げが伸びていたこともあり、新宿店の一部署だった「EC運営グループ」を「EC事業部」として新たに組織しました。

そんな中、経営陣から「DXについて考える新たな部署をつくるべき」という話が挙がり、2020年6月にスタートしたのが、EC事業部・ITソリューション部・デジタル戦略部で組織された「DX推進本部」です。

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DX推進本部長 白井 勝己氏

小野 同本部が立ち上がった後、白井さんから「今後東急ハンズとして、デジタル技術を活用し何を変革していくのか、少人数の若手チームで考えてほしい」と声をかけられました。

そこで部署を横断した「XPT」というチームを結成することになったのが同年8月頃のことです。

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デジタル戦略部 小野 聖治氏

白井 従来、東急ハンズは「店舗ごと」「部署ごと」の意識が強く、どちらかというと縦割りの組織でしたが、このタイミングを活かして、年齢や役職が異なるメンバーが集まって、部門横断的に結成する横串のチームをつくりたいと思いました。加えて、これからの「変革」を担っていく若い世代に裁量を与えたいと考え、(DX推進事業部の一環のプロジェクトとして)「XPT」の人員を決めました。

「東急ハンズに」ではなく、「世の中に」どんなニーズがあるかから自社の強みを考えていく

――東急ハンズさんにとってはまったく新しい試みだったかと思いますが、XPTはどのように進めていきましたか?

白井 まず、僕からチームに「お客様との(会話など)タッチポイントを活かしたコアなファンづくり」をテーマに話し合いを進めてほしいと課題を出しました。

小野 その後は「世の中にどんなニーズがあるか」についてメンバーからアイデアを募り、それをどう施策に落とし込めるか模索しました。ただ、最初は「お客様が“東急ハンズに求めている”ことは何か」、小売に拘って「こういう物を売ったらいいのでは」という考え方からスタートしてしまっていたので、その発想を壊す作業がとても大変でしたね。

田中 従来の「物売り」から脱却した発想がなかなか出なかったんです。

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ITソリューション部 DX推進グループ 田中 大地氏

ーーその考え方から脱却できたのはなぜですか?

小野 「今、何がブームになっているのか」をヒントに考えてみたんです。たとえば、筋トレブームに乗じて「飲むだけで腹筋が割れるサプリ」のような商品が出てきていますが、「なぜその需要があるのか?」から話し合いました。

田中 そうですね。「みんななるべく苦労せずに成果を得たいはず」と意見は一致していました。であれば、たとえばものづくりにしても「クリエイティブなことをやってみたいが、面倒くさいと思っている人」がたくさんいるはずで。そういう方たちに対してアプローチしていこうという流れができました。

小野 「面倒くさい」はすごく大事なキーワードだなと。加えて、それぞれが販売スタッフを経験し、専門知識を豊富に身につけた私たちだからこそ、価値の高い情報をお客様に提供できるはず。他社には真似できない東急ハンズならではの強みだと考えが固まっていきました。

チーム全員で足並みを揃えるための環境づくりとフォローを意識

――まだ答えのない問いについて、ディスカッションを重ね、結論を導き出していく。非常に難しいことだと思います。そんなXPTを進めるうえで、何を大事にしていますか?

小野 XPTは、1人の管理職もいない一般社員のみで結成されたチームです。上下関係を気にせず、思っていることを発言できる環境づくりはすごく大切だと考えています。

田中 そのために「1人ひとりの抱えている課題認識が一致しているか」を都度確認しながら進めるよう、意識しています。また、初めて「DX」という言葉を聞いたメンバーにとっては難しい専門用語も多いので、疑問に感じていれば後日説明するなどのフォローを心がけました。

ーー言葉を分かりやすく変換するってとても大切ですよね。

小さなアイデアを少しずつ実行に移していく

ーーほかの小売店が同じようにDXを推進していきたいと考えたとき、障壁をどう乗り越えるかが肝となります。東急ハンズさんが直面している課題はありますか?

田中 DX自体が新しい試みということもあり、やってみないとわからないことが多いと感じています。今までのように「完成度を高めたアイデアを出す」というよりは「ある程度の完成度でいろんなことにチャレンジしていく」やり方が必要になってくるので、上層部にどこまでその進め方を理解してもらえるかが課題です。

小野 まずはPoC(※Proof Of Concept、実証実験。新しいアイデアに対し、想定の効果が得られるか、実験的に行なう検証工程のこと)でいろいろチャレンジしてみて、当たったものを徐々に大きくしていく進め方を大事にしたいです。ここで生まれる小さな成功体験は、事業計画の道筋となり、理解を得る鍵だと思っています。

Kaizen Platformとの取り組みで、物事について考え抜く力が生まれた

ーーそんな中で、共にXPTに関わっていくこととなったKaizen Platformの第一印象はいかがでしたか?

小野 田中と一緒に「DX人材育成講座」を受けたとき、初めてKaizen Platformの須藤さんとお会いしたのですが、東急ハンズについてたくさんの問いをいただいたのが印象的でした。

たとえば「東急ハンズでは、お客様にクリエイティブライフを提供します」と説明したとき「クリエイティブって何ですか」と問われたのですが、咄嗟には上手く回答ができなくて。社内で当たり前のように使ってきた言葉なのに、言語化しきれていなかったという衝撃がありました。

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事業開発部 事業創造グループ 前田 梨紗氏

前田 一緒にアイデアの具体化を進めていく中でも、「どう思うか」「なぜそのアイデアなのか」という点をすごく大事にされている印象です。東急ハンズのことを真摯に考えてくれているからこそ、そういった投げかけをしてくださったと感じます。

白井 これからは「知恵を絞ってアイデアを生み出し、やり切る」力が求められるので、「考えて行動する」ことがチームにとって大切だと思ったんですよ。須藤さんの問いは、端から見ていてもチームのためになると感じましたね。

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ーー実際に一緒に取り組みを行ってみて、Kaizen Platformのどこに一番価値を感じられていますか?

田中  問いに関して、答えを導き出すのではなく「考え方」を示してくださるところです。喋りながら考えが整理されていくこともあるので、こうやって壁打ちしていただける相手はとても大切だと思いました。

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ITソリューション部 保守管理グループ 寒河江 陽一郎氏

寒河江 今までコンサルティングの方は「答えを出して教えてくれる人」というイメージがありましたが、Kaizen Platformは「答えは東急ハンズさんの中にあります」というスタンスで。自分たちが考え抜き、結論を導き出すことでステップアップにも繋がりますし、納得できる答えを出しやすいのかなと思います。

田中 「お墨付きをもらえるところ」です。上層部にプレゼンするとき、「DXの専門家であるKaizen Platformと議論を交わして出た結論」と伝えられるので、自信を持って説明できます。

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商品販売後も続く、お客様との関係性づくり

ーーこれからアイデアを形にし、実現に向けて動いていく段階かと思いますが、今後のXPT、ならびに東急ハンズさんの展望を教えてください。

小野 現在「ワークショップを開催し、コミュニティ化させていく」という構想を練っている段階ですが、ゆくゆくはカルチャースクールのように何かのノウハウを提供するような会社になるかもしれません。「東急ハンズが従来の小売業ではなくなる」というのが目指すべき面白い未来なのではないかと思います。

前田 XPTに携わって、「商品販売後も、お客様との関係性を築き続けていく」という道を見つけられたのがよかったです。どのような方法で実現できるのかまだ手探りですが、ほかの小売店に負けないほど(お客様との)関係性を深くしていくのが今後の展望です。

寒河江 東急ハンズが接客のモットーとしてきた「(どんな商品も)無いでは終わらせない」という考え方を守りつつ、お客様と東急ハンズの関わり方を少しずつ変えていくことで、新しいものが生まれるのではないかと思っています。

田中 僕は、これからもKaizen Platformとブレストを続けていく中で、積み上げていったものがどういう形になるのかとても楽しみです。また、メンバーがフラットに意見を言えないと綺麗なものは積み上がっていかないと思うので、チームの環境づくりは常に意識していきたいです。

白井 15人から始まったチームですが、店舗は全国にあるので、このメンバーが伝道師となってXPTをどんどん広めていってほしいです。

社内だけでなく、社外でもたくさんの仲間を作って、いい所は真似ればいいし、真似てもらう所は真似てもらえばいい。そういうことが脈々と続いていったらいいですね。

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