国内外のDX先進事例の紹介に加えて 今年話題となったAIの進化やDX人材育成までを網羅
#DX白書2023
大きな反響をいただいた「#DX白書2022」を大幅にアップデートし、ディズニー等のDXの次に進もうとしている企業の先進事例やそれらを取り巻くAI/Web3などのDXトレンド紹介、そしてDXを推進するための人材戦略まで、検討のヒントになる情報を多数詰め込んだ内容となっております。
国内外のDX先進事例の紹介に加えて 今年話題となったAIの進化やDX人材育成までを網羅
#DX白書2023
大きな反響をいただいた「#DX白書2022」を大幅にアップデートし、ディズニー等のDXの次に進もうとしている企業の先進事例やそれらを取り巻くAI/Web3などのDXトレンド紹介、そしてDXを推進するための人材戦略まで、検討のヒントになる情報を多数詰め込んだ内容となっております。
TikTokに興味はあるもののどうすればいいかわからない方
縦型動画を試してみたいけど、アサイン、ディレクションに対してノウハウが無い方
一度は試してみたけど、成果が出ず伸び 悩んでいる方
DX推進のご担当者、事業責任者の方
新規事業や組織改革を担う事業責任者の方
マーケティング担当、Web担当の方
ラフラ・ジャパン株式会社様
著者: Kaizen 編集部
“日本発のビューティプロダクトで世界中の人の「身体」と「心」を美しくする” というパーパスを掲げ、自社ブランドの化粧品等の企画・開発・販売を行うのは、ユニリーバのグループ会社でもあるラフラ・ジャパン株式会社(以下、ラフラ)。
このたびKaizen PlatformではSNSと店頭の商品棚やリテールメディアを連動させ、認知・話題化から来店・購買までを一気通貫で支援する新しい販促サービス『KAIZEN RETAIL SNS』をリリース。第一弾の取組みとして、ラフラ様の販促プロモーションを支援させていただきました。
TikTokと店頭のリテールメディアを連動させた本施策によって、ラフラ様の店頭売上は昨対比で300%増を実現。そこで今回は、ラフラにて代表取締役社長を務める木村元様に、どのような課題感をお持ちであったのか、また今回の取り組みを通じての店頭での反響や成果について伺いました。
―― 今回の取り組みがスタートするに至った背景として、どのような課題感があったのか教えてください。
ラフラはバラエティストアでの販売からスタートし、その後にEC展開を進めてきました。そのため、スキンケアブランドとしては特殊で、オンラインとオフラインの売上構成比が半々となっています。
そこで事業を成長させていくために、オンラインとオフラインどちらにも注力する必要があるのですが、限られた予算の中で展開していくためには、どちらも伸ばしていける施策、すなわちリテールとECをかけ合わせたハイブリッド施策を実施する必要があると感じていました。
そしてオンラインとオフラインを融合させたOMOなども世の中では叫ばれていますが、実際には店頭で販売している商品の説明書にECの案内を載せる、といったことしかできておらず、どのようなOMO施策を展開していくべきかの糸口を掴めていないことが課題としてありました。
―― 様々な企業がある中で、最終的にKaizen Platformをパートナーとして選んだ決め手はなんでしたか?
Kaizen Platformの代表である須藤さんとお会いする機会があり、そのときに「デジタル領域で頑張っている会社、リテールまわりで頑張っている会社などはいろいろあるが、そうした会社同士が連携して、ひとつのスキームとして展開していかないといけない」といったお話をされていたんですね。
私としても、TikTokなどのインフルエンサーマーケティングを展開する会社、リテールメディアを商材として提供する会社、また店頭のツールを販売する会社など様々あれど、それらが連携できていないと感じていました。
特にラフラの親会社であるユニリーバ・ジャパンの場合、各領域で代理店が間に立つ構造になっているため、企業間の連携を進めようとすると代理店同士の連携が必要なるため、実現が非常に難しかったりもします。
しかし、いまは “TikTok売れ” という言葉があるくらいにも関わらず、売上の9割は店頭というスキンケアメーカーも珍しくありません。ひとつのスキーム内でリテールメディアとSNSが繋がれば、より良い相乗効果が生まれることは目に見えていたため、そうした企業と企業を繋ぎ合わせるというビジョンに共感したことが大きな決め手でした。
そしてKaizen Platformとしては当時メニューとしてリテールメディアとSNSをかけ合わせたメニューをお持ちではなかったのですが、一緒にメニュー化に向けて動いてくださり、今回の取り組みを実現することができました。
ラフラ・ジャパン 代表取締役社長 木村様
―― 今回の取り組みは店舗側への提案も必要だったわけですが、実際に企画を提案した際の反応はいかがでしたか?
小売業界ではメーカー側からリテール側へ提案していくことが多いのですが、複雑なデジタル施策を提案すると、「よくわからない」と受け入れてもらえないことは少なくありません。
しかし、今回の企画はアイデア自体がとてもシンプルでありながらも、ありそうでなかった企画のため、店舗側も「良さそうですね」とポジティブな反応をいただけました。
・制作したショート動画
・実際の店頭展開の様子
―― 実際に施策がスタートして、店頭での反応はいかがでしたか?
店頭でのお客様の立ち止まりは、従来までと圧倒的に違うなと感じました。店頭には数多あるブランドの陳列がある中、各社がブランドイメージやPOP、コピーなどで自社の陳列に興味を持ってもらう工夫しているわけです。
しかし、お客様にとって日常的に目にする縦型動画を店頭で見るという経験はなかなかないことで、コンテンツも有名人を起用したテレビCMとは違って一般の方視点のコンテンツ。そのため、これまで以上に立ち止まって実際に商品を手に取るお客様が多かったです。
また今回の取り組みで驚いたのは、バイヤーの方も施策に興味を持っていただけたということでした。小売業界ではバイヤーの方々とは売れた、売れなかったといった会話が中心で、施策の結果や振り返りを一緒にするということがあまり多くはなかったりします。
しかし今回は、TikTokでどういったコメントがあったのか、広告の反応率はどうだったのかなど、バイヤーの方と売れた売れなかった以外のコミュニケーションが取れたことは非常に意味があることでした。
今後もこうしたリテール×SNSの施策を続けていけば、バイヤーの方とは「お店で反応がいいのは、こういった動画だ」とか「店長のコメントのほうが反応率が高いね」といった会話をデジタルデータを交えてできるようになっていきます。
将来的にはリテール側の企業がデジタルに積極的になっていくイメージを抱くことができ、メーカーとしては新しい取り組みをスタートできたことはとても喜ばしいことだと感じています。
―― 今回の取り組みを通じて、売上への影響はいかがでしたか?
店頭での売上の伸びは、期待以上の結果でした。まず、TikTokで多くの方に認知いただけたことで、縦型動画を展開していない店舗での売上で昨対比108%増という結果に。8%伸びるというのは本当にすごいことで驚きました。
さらに縦型動画を一般棚に展開した店舗の売上は昨対比220%増、そしてエンド(特設棚)で展開した店舗の売上は約300%と、大幅な売上げアップを実現することができました。売上が3倍になるというのは、テレビでのプロモーションを展開してもなかなか実現し得ない数字で、驚きの結果でした。
そして今回の取り組みを通じて感じたのは、このリテール×SNSの施策がただのトレンドではない、廃れることのないものだということです。
たとえば小売では大きいPOPを用意したり、大きめのテキストを使ったりなど、店頭で売るための方法があります。そういったことが10年20年と続いてきたように、縦型動画と店頭の連携というのは店頭施策のスタンダードなものになっていくと思っています。
そのため早く横展開していき、事例をつくっていきたいですし、私たちの事例がユニリーバ・ジャパン、さらにはグローバルなユニリーバ全体に展開していくことができれば、とてもワクワクする未来が待っていると感じています。
―― あらためて今回のプロジェクトを振り返ってみての感想と、今後の展望を教えて下さい。
木村:まず今回Kaizen Platformと一緒に進めさせていただいて驚いたのは、そのスピード感です。この構想が生まれたから、どのようにサイネージとSNSを組み合わせるかのスキームが固まるまでも早かったですし、実際に実施が決定してからの企画やTikTokのクリエイターとのコンテンツ制作、そして最終的にコンテンツを店頭で流すまでに1ヶ月半ほどで実施することができました。
メーカーの立場だと、どうしても「時間がないから」と施策を諦めてしまうこともこれまでありました。そのため、1ヶ月半でデリバリーさせてしまうというスピード感は本当に驚きでしたし、企画も店頭でワークするものになっていて、本当に素晴らしい取り組みだったと感じています。
そして社内メンバーも、今回の新しい取り組みに皆ワクワクしていて、これまでTikTokを使ったことがなかったメンバーも勉強をし始めたりと、デジタルに興味を持つメンバーが増えました。
短期的には今回のような企画を様々なドラッグストアや小売店で横展開していきたいと考えていますが、中長期的にはKaizen Platformと一緒に新しいOMOの事例を増やしていき、メーカーとして売上を伸ばしていくことはもちろん、リテール業界の新たなマーケティング施策にいろいろとチャレンジしていきたいと考えています。