著者: Kaizen 編集部
今回は、Kaizen Platformとの取り組みを通して、地場での営業力を強みとしていた山陰合同銀行がWeb施策にどのように向き合ったのか。銀行内のDXを進める中で変化した、地域貢献への思いについて迫ります。
山陰合同銀行 IT統括部 調査役 河上 敬介氏
山陰合同銀行 法人営業部 景山 敏久氏
※本取材は、オンラインで実施しました。
――IT統括部のミッションについて教えてください。
ひとつは、窓口など実際にお客様と対面して行なうコミュニケーションの改革です。もうひとつは、対顧客に向けた非対面チャネルの強化を進めること。スマホやPC経由でのサービス提供やコミュニケーションに関する取り組みに注力しています。同時に、行内において業務全体のデジタル化を進めることで効率性・生産性を向上するという、この三本柱が私たちのミッションです。
ーーKaizen Platformとの取り組みを始めた当時は、どんなことが課題になっていましたか?
Webサイトに関する施策を進められていなかったことです。デジタルマーケティング全体では、MA(マーケティングオートメーション)やAIレコメンド機能を導入するなど、着手していたものの、Webサイトだけはずっと手つかずのままという状況でした。Webサイトに、多くのお客様が来訪されていることを認識しながらも、Webサイトのスマホ対応すらできていなかったんです。
ーーなぜ、手つかずになってしまったのでしょうか?
当時は対面での接遇を強化していたこともあり、非対面での接遇はあまり意識されていませんでした。そんななかでも、EFOツールを入れることでサイト改善できないかと試してはいましたが、あまり効果は出ませんでした。その段階になってようやく、ありもののツールを導入するのではなく、もっと上流のコンサルを含めた部分から一緒に伴走してくれるパートナーを探そうという方針が生まれ、Kaizen Platformに辿り着いたんです。
――Kaizen Platformの導入に至った決め手を教えてください。
「Webサイトを改善していきたい」と考えたときに、私たちには何が正解なのか分からないなと思ったんです。既存の方法でサイトをリニューアルするとなると、自分たちの中での「こういうサイトを作りたい」という仮の正解を想定し、既存のコンテンツを置き換えることなります。ただ、それで本当に効果が出るか否かはやってみないと分かりません。試してみるまで、それが「正解」なのか分からないというのは、非常にリスキーだと感じていました。
Kaizen Platformなら、Webサイトにタグを入れるだけで、ダイナミックな改善施策にトライすることができる。かつ、施策内容をABテストしながら効果測定できるので、効果が上がれば継続し、効果が出なければ戻せばいいという、トライアンドエラーを容易にできるのが決め手でした。
ーーKAIZEN TEAMメンバーの進め方はいかがでしたか?
Webサイト改善の取り組みを始めてから、さまざまな会社とご一緒しました。いずれの会社でも、当方のお願いした通りに進めてもらえるものの、「その施策が最適である」といったアドバイスをいただけることがなく、常に不安がありました。
でも、Kaizen Platformはそんな不安が払拭されるくらいどんどん新しい提案をしてくれるので、とてもやりやすかったですね。社内にとっても、さまざまな知見を貯めることができるプロジェクトだったので、助かりました。今年、Webサイトのリニューアルを実施しまして、その際には、本プロジェクトで蓄積した知見を大いに活用しました。
ーー具体的な取り組み内容についても教えてください。大きく効果が出た改善事例はありますか?
マイカーローンのLPなのですが、今まで「返済シミュレーション」の利用には別ページへの遷移が必要だったところを、LP内にそのままシミュレーションボタンを設置しました。加えて、返済シミュレーションを実施済みのユーザーが再訪した場合には「前回のシミュレーション結果」がLP内に表示されるようにデザインを変えたところ、申し込みいただくユーザーが増えました。
もうひとつ、印象的だったのが教育ローンのLPのデザイン改善です。教育ローンは、需要期と閑散期でどうしても申し込み数に差が出てしまう商品でした。閑散期でも、実は学業にかかわる幅広い場面で教育ローンが使えることを知っていただければ、申し込み数アップに繋がると考えました。
具体的には、利用シーンがパッと分かるビジュアルをファーストビューで配置して「実は入学時のみならず、部活や合宿でも活用できます」と訴求強化することで、申し込み数をアップさせることができました。
――ありがとうございます。KAIZEN TEAMを導入してみて、数値以外に得られた成果はありましたか?
PDCAを回していく、という考え方が根付いたと思います。Web施策は、知識がないままに「こうしたらいいんじゃないか」という思いつきで進められることが、割とあると思っています。しかしながら、今の私たちはその施策が正解かどうかは「お客様が決めてくれる」と理解しているので、検証しながら、少しずつより良いモノにしていくという進め方ができるようになりました。
ーー今後、デジタル化の展開としてどんなことを考えていますか?
引き続き、銀行内のデジタル化を進めることで、業務の効率化を図りつつ、今後は銀行が得たデジタルの知見を地域に還元していきたいと考えています。
やはり、どの地方の企業もそうだと思うのですが、今は必要な人材の獲得に投入できる予算が確保できない状態です。人材不足、業務がまわらないというお話を、どこでも耳にするようになりました。これは構造的な問題でもあるので、ITの活用は避けては通れないと思います。
ーーそのために今動いていることはありますか?
法人営業部ではITコーディネータを配置し、取引先企業のIT化を支援する活動を行ってまいりました。
特にご要望の多かったICTのニーズにお応えするため、ICTコンサルティングサービスを開始しお客様の生産性向上をしています。専門家派遣、ITベンダーとの連携のほか、サイボウズとの業務提携に基づいて『kintone』、『サイボウズoffice』の導入支援も行っています。
ーーそのためには、IT人材の育成も当面の課題でしょうか?
そうですね。社内でも今まで以上に、ITを活用することで働き方を変えていける、より働きやすい環境を作ることができるという認識や文化の醸成が必要だと考えています。そうした流れを社内で作りながら、地域としてもっとITの活用を進めていけるのが理想ですね。
ーーIT統括部として注力している非対面チャネルでの施策はいかがですか?
今お話ししたものがtoBでの展望だとしたら、toCに関しては「スマホですべての手続きや申し込みが完結する」形を目指したいですね。「手のひらに銀行店舗を」というスローガンを掲げているのですが、これからリリースするアプリによって、お客様がどこにいても銀行取引がスマホでできる環境を作るのがこれからの目標です。
これまで、私たちの強みは長年の信頼の積み重ねによる対面の営業力の高さにありました。逆に言うと、非対面の弱さが課題。Webは対面と違い、離脱が簡単です。人間的な信頼性やマンパワーに頼れず、グリップ力が効かない中、どのように対面と近しいコミュニケーションを行うか。これから取り組んでいこうと思います。
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