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本当にそれは「問題」なのか(前編)




仕事柄、マーケティングに関わるよろず相談ごとをたくさんいただきます。

私自身、課題解決の話しを聞くとうずうずしてきます。そんな中でふと気づいたことがあります。


「今相談されている問題は、本当に解決すべき問題なんだろうか?」


実は、相談を受けながらいろいろ紐解いてみると「問題だ」と思っていた事象がそんなに問題ではなかったケースが多かったのです。これは自社、自分自身にも言えることで、真の問題は別のところにあって「誰も手を付けていない」というケースが多かったのです。


通常マーケティングの戦略を考えるためには適切に“問題”を見極める必要があります。問題に対して解決策を出していく。しかし、問題が誤っていれば解決策も誤ったものになっていきます。


「一緒に解決策を考える」から「一緒に問題を見極めてみる」ことが重要なのではないか。


そこでまず僕が興味を惹かれたのは、問題意識が醸成されていくプロセスそのものの“問題”です。


例えば、広告代理店やコンサルティング会社の力を借りる際は、明確に「こういう問題がある」と社内で揉んだ上で相談をすると思います。この問題を聞いた上で、優れた営業マンやコンサルタントは「その問題は、こうした原因が元になっているのでは?」と真の課題を探し出し、解決策を提示すると思います。


しかし、私に舞い込んでくる相談は「何かモヤモヤする」、あるいは「症状は見えているが、原因がわからない」という“社内で揉んでいる”状態のものがほとんどでした。相談をしながら問題意識を醸成していくのですが、ここに大きなバイアス(偏見、固定概念)がかかることがとても多いのです。


例えば

「この組織のAさんが問題で、Bさんが適任ではないか」

「代理店Xとの取引に問題があって、Yに変えたほうが良いではないか?」

これらは、すべて問題かどうかなんとも言えません。

でも、あるあるですよね?


ただ残念ながら、このようなバイアスから、組織の重大な意思決定がされてしまうケースというのは決して少なくありません。


報道からしか情報がないのでわかりませんが、もしかしたら日本代表監督の解任に伴うゴタゴタには、このような背景がある可能性があります。

そして、この状況は、決して他山の石ではありません。

いまこの瞬間も、あらゆる組織のそこかしこで起きているのが実態です。


問題そのものをすり替えても、起きる事象が変わらないという現象はこのような構造から発生しています。


生じている事象や事実は、なんなのか?

そして、それはなぜ発生しているのか?

この2つの問いにシャープに答える事ができて、初めて正確な問題を意識できていると言えます。


そのバイアスによって、解決してもさして事業の成長に影響を与えることがdけいないことを「問題」として挙げてしまうことがあります。要するに芯を食った問題ではない問題を必死に解決している状態に陥る、ということです。


経営陣やマーケティング責任者が提示したことは「正しい」前提で動きますので、組織や社員が一所懸命に取り組んでいるのに、「成果があがらない」という状態になってしまいます。


なぜ正しい問題を設定することがこんなに難しいのか?

ミスリードされた問題設定をしてしまうメカニズムについて俄然興味を惹かれました。


次回は「無視すべき問題の存在」について書きます。



須藤憲司(すどう・けんじ)

須藤憲司(すどう・けんじ)

株式会社Kaizen Platform 代表取締役 2003年に早稲田大学を卒業後、株式会社リクルートに入社、同社のマーケティング部門、新規事業開発部門を経て、アドオプティマイゼーション推進室を立ち上げ、株式会社リクルートマーケティングパートナーズ執行役員として活躍した後、2013年にKaizen Platform, Inc.を米国で創業。

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