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本当にそれは「問題」なのか(後編)

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前回【本当にそれは「問題」なのか(前編)】に続き、問題設計についてお話しします。


戦略の議論、組織の悩み、経営にまつわる問題は尽きません。ただ、これらの問題を「本当に問題なんだろうか?」と立ち止まって考えてみることがどうもかなり重要度の高いことのような気がしてきました。


例えば、マーケティング部門が「問題です」と言ったとき、横断部門と事業部門との摩擦、代理店と広告主のジレンマ、人の育成とローテーションによるノウハウ流出、人手不足、クリエイティブの課題など、多くの問題が浮かんできます。


「これらの問題は本当に今取り組むべき課題なんだろうか?」と立ち止まって考えてみるとどうでしょう。


ドラッカーが「経営者の条件」の中でこのようなことを書いていました。


「注意を引く問題は、実際は症状の一つにすぎない。そして、本当の問題を探さなくてはならない」


いま問題意識の中にある問題は、単なる事業や組織に出ている「症状」である。かくいう私自身も自分にまとわりつくハエのように煩い問題を深刻な問題だと勘違いしてしまうことが多々あります。


リソースが無限であれば、ハエと格闘しながらでも、重要な問題に取り組むことも可能です。ただ、リソースもケーパビリティーも限られているわけです。だからこそ、組織のリソースを最大限成果が上がる問題に照準を絞り込みたい…でもそれがなかなか難しい…


「選択と集中」とはよく言われますが、圧倒的にこの「問題設計を考える」など選択の難易度が高いから、なかなか集中できません。


つまり、問題設計をする第一段階として、「本当に問題なの?」と立ち止まって考えること。まずは「無視すべき問題」を見つけて排除することが大事なのです。


そして、第二段階として「問題の質を高める」。

安宅和人さんの「イシューからはじめよ」の中に、「問題の質」という話しが出てきます。



実は相談いただく中で、ここにある「課題(問題)の質」について相談されることはありません。相談されるのは「解の質」。要は「上手くいかないから上手くいくやりかたについて相談したい」と言うケースがほとんどでした。


ここを解消するために有効と感じたのは、質問を繰り返していくこと。名探偵コナンのように鋭い推理力を誰でも持っている訳ではありません。ただ、相手の問題を深く理解しようと質問していくことで、みなさん「問題に気付きました」と言ってくれるようになりました。


表面上大きく見える問題に気を取られていないか?

正しいと思われる問題が、なぜ優先度が低い状態にあるのか?


問題を設計するときは、「解」ではなく「問題」を疑ってみてください。


          



須藤憲司(すどう・けんじ)

須藤憲司(すどう・けんじ)

株式会社Kaizen Platform 代表取締役 2003年に早稲田大学を卒業後、株式会社リクルートに入社、同社のマーケティング部門、新規事業開発部門を経て、アドオプティマイゼーション推進室を立ち上げ、株式会社リクルートマーケティングパートナーズ執行役員として活躍した後、2013年にKaizen Platform, Inc.を米国で創業。

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