導入事例

「OTAだけに頼らない」戦略へ。自社Web内売上比率4倍 増を生んだ改善ストーリー

作成者: Kaizen 編集部|2026/01/19 (Mon)

都市型のホテルからハイエンドのラグジュアリーホテル、またゴルフ場やスキー場など全国各地で多彩な施設を運営する東急リゾーツ&ステイ株式会社。


同社では利益率改善のためにも、外部の旅行予約サイト経由での予約ではなく、自社のWebサイト経由での予約をいかに増やすかが課題としてありました。そこでデジタルマーケティングを推し進めるべく、マーケティング部門が発足。
そしてデジタルマーケティングをより強化していく上で、伴走パートナーとしてKaizen Platformにご相談いただき、2023年より自社Web経由での予約比率向上をミッションとした様々な取り組みを支援させていただいております。


今回は本プロジェクトを担当された東急リゾーツ&ステイ 冨田さま、若月さま、そしてKaizen Platformの多田、武を交え、あらためて今回の取り組みに至った背景から実際の結果までを振り返りました。

 

リソースが限られている中、いかにデジタルマーケティングを推し進め、OTA依存から脱却するかが課題だった

 

多田:まずは、あらためてKaizen Platformにご相談いただくに至った背景として、どのような課題感をお持ちであったのか教えてください。

 

若月:当社では宿泊事業やゴルフ事業などを展開しておりますが、いずれもインターネット上の旅行予約サイト、すなわちOTAOnline Travel Agent)経由での予約が中心となっていました。OTA経由の場合は手数料が発生するため、利益率を改善するためにも、いかに自社Web経由での予約件数を増やすかが課題としてありました。

 

また、以前までも自社でサイト改善等に取り組んではいましたが、リソースに限りがあり、本来であればPDCAを回していくべきところ、なかなか踏み込んだ取り組みまで行えていませんでした。

そのため、サイト改善もビジュアル的な部分のみの改修しか取り組めていなかったり、指標も以前は売上の増減程度しか追えていなかったりと、デジタルマーケティングを推し進めていく体制がなかったことも課題のひとつでした。

そこでOTA依存から脱却し、自社Webとのタッチポイントを醸成すべく、デジタルマーケティングを推進するための伴走パートナーを探していたことが、Kaizen Platformに相談した背景でした。 

東急リゾーツ&ステイ株式会社マーケティング部 部長  若月様
 

多田:様々な支援会社がある中で、どういった点が最終的にKaizen Platformにご依頼いただく決め手となりましたか?

 

冨田:様々な企業からご提案をいただき、検討を進めていきましたが、それらの多くはPRを専門としていたり、ブランディング要素の多い提案であったりと、施策レベルのお話が多かった印象でした。

しかし、当時は社内のマーケティング組織も立ち上がったばかりであったため、そもそもどう設計して、どう進めていくかといった具体的な戦略があまりない状況でした。そのため、全体の戦略から施策立案、実行、分析まで一貫して行うというKaizen Platformからのご提案は非常に魅力的だと感じました。

特に当時は施策を実行することはできるものの、リソースの都合上、行った施策をしっかりと分析して改善案を出すといったことまで踏み込めていませんでした。そこで、分析含めて一気通貫して伴走支援いただけることはリソース面からも魅力的であったことが、Kaizen Platformへの依頼の決め手でした。 

 

ユーザーコミュニケーションだけで成果に繋がることが大きな驚き。LINEを活用した予約促進施策の裏側

 

多田:ご提案をまとめるにあたって、当社でも多くのデプスインタビューを実施してリサーチを行っていきました。そしてわかったことが、初回時はどうしても自社Web経由で予約せずに、OTAで予約するということでした。

そのため、実際に施設にまで来てくださったお客様であったり、サイトに訪問してくれた方が、次回以降に自社Webで予約していただけるようアプローチすべきだと考えました。

そこであらためてタッチポイントを整理し、様々な施策を行う中で、LINEを用いたコミュニケーションを新しく展開。はじめに、御社が展開するゴルフ場にて、「LINE友だち登録でビール1杯無料」といったインセンティブを用意した登録促進を行っていきました。

LINE施策の提案を受けて、当初はどのような印象を抱かれましたか? 

Kaizen Platform 執行役員 多田

 

若月:すでにいくつかのタッチポイントがある中で、自社WebユーザーをただLINEにコンバートしているだけでは、という声が社内ではありました。私自身も、すでにタッチポイントがあるのだから、LINE施策をわざわざやる必要があるのかと感じていました。

しかし、多田さんからは「昨今のユーザーは、メールやWeb、そしてLINEなどの様々なタッチポイントを経て意思決定をする」とお話いただき、実際にユーザー調査やタッチポイントの再設計、また顧客行動のボトルネックを特定いただいた上で、まずはスモールスタートで検証できるLINE施策をやりましょうとご提案いただきました。

そして実際に施策を進めていく中で驚きであったのは、ユーザーに寄り添ったコミュニケーションが成果に繋がるということでした。

ゴルフ場では予約キャンセルで空きが発生することがしばしばあるのですが、そうした空き枠が増えたということを以前まではしっかりと伝えていませんでした。しかし今回LINEを活用して、毎週の空き枠情報を配信。その結果、着実に予約数が増えていきました。

定期的なコミュニケーションというインセンティブのない施策でここまで利用促進ができるということは非常に驚きでした。これまではインセンティブありきの施策ばかりであったため、大きな発見でした。

 

冨田:私自身も空き枠を配信するだけでそこまで成果がでるのかと、本当に驚きました。また、もうひとつ驚いたことは、想定以上にLINE登録者数が増えていったということです。いまでは飲食店含め、様々な場所でLINE登録することが当たり前になっているため、LINE登録の敷居が低くなっているのだと感じました。

そしてメールアドレスを書くのは大変ですが、LINEであれば2クリックで友だち登録できますし、LINE登録でなにかオトクな情報がもらえるということ自体が根付いているため、年齢層問わずに展開できる施策であると実感しました。 


 東急リゾーツ&ステイ株式会社 マーケティング部 グループリーダー 冨田様

多田:その他、このたびKaizen Platformとの取り組みを通じての学びや気づきは何かありましたか?

 

冨田:LINE施策がしっかりと予約に繋がっているかを計測すべく、今回分析環境の構築もKaizen Platformにご尽力いただきました。以前までは売上の増減程度しか追えておらず、どの施策がどれだけ成果に繋がっているかといった施策の振り返りが十分にできていませんでした。そのため、施策を実施するところまではできていたものの、効果測定や振り返りまでしっかり踏み込んで行う体制が整いきっていない部分もあり、適切なPDCAを回せていませんでした。

しかし、今回分析環境ができたことで、どこで離脱しているのか、顧客単価がどう変化しているのか、またどういったルートでコンバージョンしているのかなどを見れるようになり、データに基づいて振り返りはもちろん、根拠ある改善案を出せるようになり、データドリブンでPDCAを回せる環境ができたことに感謝しています。

そして、はじめはなるべく現場を巻き込まずに進められるようにしていたのですが、ポジティブな数字が出てきたことで、我々としても現場との調整がしやすくなり、あらためて分析の重要性に気付かされました。

 

自社Web経由内の売上比率は約4倍増 。LINE以外にも様々な取り組みを伴走できるパートナーはなかなかいない

 

多田:LINE登録を促進するためのインセンティブのご調整など、皆様にもご協力いただけたことで、LINE施策をスムーズに進めていくことができました。

そして現在もプロジェクトは進行中ですが、取り組み前と比較して自社Web経由内での売上比率は約4倍増と、着実に成果が現れています。あらためて、今回の取り組みについて、どのようにお考えでしょうか?

 

冨田:宿泊事業やゴルフ事業などを展開する中、宿泊よりもゴルフのお客様のほうが「来週予約しよう」といった発想になりやすいため、素早く検証を行うためにも、まずはゴルフ事業から取り組みを進めていきました。

そして実際に成果に結びついていったことで、現在は当社が展開する会員制リゾートホテルでも、LINE施策を行っています。そうした他事業へと横展開できているのも、最初に成果をしっかり出せているからこそだと感じています。

 

若月:成果という観点で言えば、データをもとにPDCAを回していける環境ができたことも大きな成果だと感じています。以前まではどうしても感覚的な改善になりがちでしたが、Kaizen Platformとの取り組みを通じて、データドリブンで意思決定をしていく文化が少しずつ醸成されていきました。

 

武:Kaizen Platformとしても、点の取り組みにするのではなく、御社の様々な事業にどう貢献できるかということを大切にしています。そのため、事例ができたことで実際に横展開できていることはとても嬉しく思っています。

そしてゴルフ事業、宿泊事業、スキー事業など、それぞれに特性がありますから、そうした特性をしっかりと把握した上で、今後も事業成長に貢献できるよう進めていきたいと考えています。

最後にあらためてKaizen Platformとの取り組みについて、ご感想をお聞かせください。

 Kaizen Platform 武

 

冨田:たとえばLINEマーケティングだけを行う会社は多くありますが、もしそうした会社に相談していたら、本当にLINEのことだけしか相談できなかったでしょう。しかし、Kaizen PlatformLINEマーケティングの会社ではないため、全体の売上のことからLINE以外のチャネルのことなど含め、多方面で相談することができます。

そして、自社Web経由の予約を増やすというベクトルが一致しているため、LINE以外でもいろいろとPDCAを一緒に回していくことができました。よく "伴走パートナー" と言ったりしますが、Kaizen Platformは一緒に施策を進めていくということだけでなく、事業成長のためにそもそも何が必要なのか、何が本質的な課題であるのか、そのためにはどういった戦略で進めていくべきかなど、表面的な施策の伴走ではなく、事業を成長させていくために伴走してくれるパートナーだと感じています。

ここまで施策全体をずっと一緒に伴走いただけるような代理店というのはなかなかいないため、非常に助かっています。

今後は、より事業成長に貢献できるよう、もっと社内の様々な部門を巻き込んでいき、より積極的にデジタルマーケティングを推進していきたいと考えています。

 

若月:ただ施策を代行するというのではなく、ユーザー理解から進めて、検証、分析、改善、さらには成功事例を横展開していくといったサイクルを我々と一緒に回していくことで、成果創出のための型を共に構築できたことがKaizen Platformとの取り組みの大きな価値だと感じています。

そして共に進めていったことで信頼関係が生まれ、我々もただ提案を受けるだけでなく、こちらから「こんなアイデアを実現できないか」と意見を言い合える関係値を構築できたことも嬉しく思います。

また、Kaizen Platformには様々な専門スキル・知識を持った方が多く集まっているため、我々にはない新しい知見をいただけることにも感謝しています。今後もLINEだけでなく、サイト改善含め、全体を俯瞰しながら様々な取り組みをぜひ一緒に進めていただきたいです。